その35
俺たちは町でくつろいでいた。
戦闘ばかりしていても疲れるだけだ。
吹き抜ける風が目にしみる
俺はバトル狂なんだろうか?
「なあ、ナルカミどう思う?」
「何がだよ?」
「何がって1つしかないだろ?」
「1つって何だよ?」
「俺の分身精霊のくせにそんな事も分からねぇのかよ」
「精霊だからって何でも分かるって思うなよ!」
「俺はバトル狂なのかなってさ」
「そんなの決まってるだろ。バトル狂だよ」
「そうなのか?」
「どこからどう見ても、そうだろうが」
「そーなのかな。自分では自覚がないんだが」
「バトル狂じゃなければ天神とか九頭龍に闘いは任すだろ、普通」
「任してるぜ。たまに」
「たまにだろ」
俺はそこまで言われると黙ってしまった。
言われてみればそうだ。
戦闘はほぼ俺がやってる気がする。
なんでそんな事に今まで気付かなかったのか。
これは自己中心的というものなのだろうか?
そんな狭い括りで自分を当てはめたくない
じゃあ次の戦闘は九頭龍にやらせてみるか。
「おい、そこの人間。お前、現世の人間だろ?身に付けてるのは神の腕輪じゃないのか?」
「何だ、急に?そうだと言ったらどうする?」
「やっぱりそうか。神の腕輪なんだな。俺はついてるぜ!ずっと神の腕輪を探してたんだよ。世界に1つしかないからな」
「神の腕輪を探してる?たしかに俺は持ってるがそれがどうした?」
「俺が貰ってやるんだよ。俺は強いからな。寄越せよ」
「んだと?やるってのかよ?」
「おい、直彦。またお前が闘うのかよ?」
「当たり前だろ!あんな事言われて引き下がれねぇ!」
「別に闘ってもいいがな。俺には勝てねぇよ。」
男は剣を取り出した。
「こいつはな、時雨鮫の剣って言うんだ。普通の奴じゃあ扱えねぇ代物だ。」
男の霊力が鰻登りに上昇していく
「お前、神だな!」
「当たり前だ。神以外に時雨鮫の剣なんて扱えねぇよ」
すると姿が消えた
消えた。いや違う左に高速で回ってる!
神速の剣が振りかぶるが俺は受け止める
時雨鮫の剣と天叢雲剣がぶつかり合う
激しい霊力の均衡状態
大気が激しく揺さぶられ
町の人達が思わず集まってきた
俺たちは民衆に囲まれる中でのぶつかり合い
均衡が破れ両者が跳ね除けられる
反動を活かし神が一気に間合いを詰める
しかし俺の左腕の方が速い
黒魔術 牢獄炎天下
暗黒の帷の中に神が押し込まれた
と同時俺は帷諸共、剣で薙ぎ払う
牢獄が破れ神が倒れた
「……神の俺を上回るだと?」
「現世の人間だからといって侮ったな。それがお前の敗因だ。名前を言う気になったかな?」
「俺はいさぎよい。負ければ抵抗はしない。ネイト」
神の腕輪が光り、ネイトが収納された。
民衆に囲まれながらの試合だったので歓声に包まれた
「そんなに喜ばれる試合だったのか?」
俺は民衆に囲まれる中から離れていく




