その34
日中を歩いていて町が見えた。
「やっと町だといった感じだな。」
「そうですね。途中に野宿とかありましたから。」
「あれ?ナルカミがいない。どこ行ったのか?」
ナルカミは自販機でジュースを買っていた。
「確かに俺も喉が乾くな。なにせ途中で水がきれたからな。」
「俺の水魔術で良かったらいつでも召喚出来るんですけどね。」
「九頭龍の水魔術は海水だろうが」
俺も喉が渇いたので自販機の方に行くとナルカミが揉めている
「だから100ゼニでいいからくれと言ってるじゃないか」
「なんで見ず知らずのお前に100ゼニあげないといけないんだよ。」
「いいだろ、それくらい。」
「自分の給料から100ゼニ出せばいいじゃんか。」
「俺は仕事を持ってないんだ。失業中なんだよ。なんだよ。ケチだな。精霊のくせに。」
「精霊は関係ないだろ。精霊の俺にイチャモンつけるな!」
「ダメだな、こりゃ。話にならない。」
俺が揉めてる中に到着する
「あんたはこの精霊の仲間かい?ろくでもない奴だぜ、こいつ。」
「ろくでもないのは分かってる。ただ100ゼニをお前にやる必要はないだろ」
「なんだお前もかい。世の中は助け合うのが倫理にかなってるのによ。思いやりが足りないよな。」
そんな話をしていて、こいつがとてつもない魔力を持っている事に俺は気づき出した。
「ところで何故お前は金を持っていない?」
「働いてもな、俺はキレて職場をすぐに破壊してしまうんだよ。この気持ちは分かるか?」
「分からねぇな。1つ分かるのはお前が神という事だ。」
「あら?気づいちゃったか。紛れもなく俺は神だな。神なのに失業なんて悲しい世の中になったもんだぜ。」
「俺は神を集める旅をしている。お前も手に入れるつもりだ。」
「なんだ?俺があんたの仲間になれってのか?」
「仲間じゃない。俺が主だ。」
魔力がピリついてくる
2人の空間が魔力のひしめき合いで歪んでくる
「ほう。現世の人間のくせになかなかの魔力を備えてやがる。」
神が魔力を練り出す
俺は瞬足で間合いを詰めて魔力を込めた右ストレートを放つ
しかし止められた
「なかなか良いパンチじゃないか。魔力の込め具合もいいぞ。だが格下だな。」
「そうか?ならこれならどうだ?」
掴まれた腕に黒魔術を行き渡らさせる
「なに?魔力値が急上昇してやがる!」
俺は掴まれた右手に黒魔術で覆い再び殴る
神の顔面に直撃し神は沈む
「……お前、それは滅びた黒魔術……」
「そうだ。俺は黒魔術師だからな。さて名前を教えてもらおうか。」
「なるほど。……お前の手下に成り下がるんだな。……トト」
神の腕輪が光りトトは収納された。
「結構強かったな。ちょっと待てお前らもうジュース買ってたのかよ」
「佐藤さんならどうせ勝つと思って先にくつろいでましたよ。」
「なんだよ、それ!こっちは一苦労だったのによ」
俺はカフェオレを自販機で買った。




