その33
テントの中でぐっすり眠っている。
夢を見ていた。
不思議な世界にいるなと思い、これが夢である事にも気づく
普段は夢を見ていてこれは夢だななんて気づく事はないんだが
今回は何故か夢である事に気づくという展開
折角夢なら空を飛んでみようと思い
空を飛ぶ仕草をしてみるが飛べない
夢なのに飛べないのか?
夢って何でも出来るのかと思っていたよ。
そんな事に夢中になっていたら横に九頭龍がいた。
「九頭龍か。俺の夢で作り上げた九頭龍なのか?」
「いえ、違いますよ佐藤さん。俺は眠っていて夢の世界にいるのは分かってるんですが、どうやら佐藤さんの夢とリンクしたようですね。」
「夢のリンク?そんな事ってあるんだっけ?」
「分かりません。俺もこんな事は初めてです。」
とりあえず俺たちは前方向に歩を進めた。
本当ならば空を飛んでいきたい所だが飛べないからな。
夢のくせに味気ないものだ。
俺はその時気がついた。
背中に背負っている天叢雲剣がない
「九頭龍。俺の天叢雲剣を見なかったか?」
「いつも佐藤さんが背負ってる剣ですよね。知らないですが」
「夢の世界だからないのかな?紅魔の杖はあるようだが」
「夢の世界ですし、あまり気にしないでもいいんじゃないですか?」
すると前方向に巨大な霊力を感じた。
夢の世界なのに巨大な霊力を持つ者がいるのか?
「おい九頭龍。気をつけろ。前方に何かいるぞ」
「前方に?私は何も気づかなかったですが。」
「俺と九頭龍では魔力霊力探知の距離が違うんだ。」
俺たちは巨大な霊力の元に用心深く歩み寄る
そこには剣を持った神がいた。
「お前は何者だ?何で俺たちの夢の中にいる?」
「答える必要があるのか?」
「なんだと?俺の夢の住人のくせに生意気な。」
「俺はお前の夢の住人ではないぜ。目的はお前の持つ天叢雲剣。ただそれだけだったんだ。夢の世界に引き摺り込んだおかげで天叢雲剣は俺の物となったんだよ。」
「その剣は俺の物だ!返せ!」
「お前は分かってないようだな。天叢雲剣は俺を選んだんだよ。見てみるか?」
神が天叢雲剣に霊力を込める
まずい
夢の世界なのに大気が振動している
神が天叢雲剣を一振りすると
夢の世界が壊れそうなほど凄まじい斬撃が繰り出された
威力は凄まじいが俺には当たらずに後方へ飛んでいく
「まだ俺でも制御は出来ていないか。だが凄まじいパワーが潜在されているのはハッキリと分かったぜ。」
「九頭龍。2人がかりで行くぞ。相手の武器が不味すぎる」
水魔術 空転霹靂
夢の世界に水が大量に充満する
戦闘は水の中という展開になった。
「水魔術か。俺は水中では呼吸が出来ない。1分以内に終わらせてやる。ん?現世の人間はどこに行った?」
黒魔術 反転輪灯
神の後方から激烈な魔術を直撃させる
不意打ちという事もあり神は沈む
俺は天叢雲剣を奪い取った。
徐々に水は引いていく
「……お前、その剣は俺の物になったんだぞ……」
「勝手な理屈言ってんじゃねぇ。俺の夢に出て来やがって。お前が実在に生きている神である事は分かっている。名前を言え」
「……剣が奪われては勝機はないな。……テフヌト」
夢の世界で神の腕輪が光りテフヌトは収納された。
「それにしても九頭龍。この夢の世界はどうやって出るのかね?」
「佐藤さんの剣で空間を切り裂けばいいんじゃないですか?」
「言われてみればそうだな。」
俺はかなりの霊力を込めて天叢雲剣を一振り
見事に夢の世界から脱出出来た。
横を見るとナルカミと天神はまだ寝ている。




