その32
出来れば町の宿屋で休みたかったんだが
町にたどり着く前に真っ暗な闇の夜が訪れる
辺りは散々としていて物寂しい感じもする
「今日はここで野宿になりそうだな。」
「えー!嫌だぜ、そんなの」
「文句言ってんじゃねぇよ。ナルカミ。俺だって好き好んで野宿したい訳じゃねぇ」
「直彦はケチだから宿屋の宿泊料を節約するためにしてるんじゃないのか?」
「この金は天神のキャッシュカードだから、いくら使っても構わないんだ!」
「佐藤さん。それはちょっと私にとって酷い物言いじゃないですかね。」
「そうだ。天神に謝れ!」
「俺は天神に謝る必要はねぇ」
俺はバッグからテントを出して野宿の準備をする
昔からキャンプの経験があった訳じゃないが
神界に来てからは時に応じてキャンプの必要性が出てきた
俺がテントの準備をしている間
ナルカミは夜空を見ていたようだ
星々を眺めているうちに異変を感じた
「おい、直彦。あの星、こっちに落下して来ないか?」
「星はな、そう簡単に落下なんてしねぇんだよ。」
「でも見てみろ、落下して来てるだろ?」
俺はナルカミの言うように夜空は見上げなかった
10秒後、俺たちは爆発に巻き込まれた
激しい爆発で砂埃が宙に舞う
どうやら俺は命がまだあるようだ。
かなりの危険な爆発。
他の皆はどうだろうか。
砂埃をかき分けて辺りを見てみると1人の神がいた
「今の爆発はお前がやったのか?」
「爆発?ただ地上に落下しただけじゃないか。」
「直彦!だから言っただろ!星が落下して来たんだよ!」
「ナルカミの言ってたのは本当だったのか。お前、俺たちのいる所に常識外れの落下して来て覚悟は出来てるんだろうな?」
「ハハハ。現世の人間風情が生意気な事を言うもんだな。人間という身分が神である俺に楯突こうってのか?」
俺は天叢雲剣に強い霊力を込めて充満させる
一気に間合いを詰めて一振りした
天地が揺れる程の斬撃が神に降り注ぐ
威力は先程の星落下と変わらない
見事に神は沈んだ
「……お前本当に人間なのか?」
「当たり前だ。これでお前の敗北だ。名前を教えろ」
「……なるほど。どこまでも俺を窮地に追い込むつもりだな。……タウエレト」
神の腕輪が光りタウエレトは収納された。
「しかし星落下は危なかったな。俺のテントが滅茶苦茶だ。」
「直彦のテントじゃなくて俺たちのテントだろ」
「俺のキャッシュカードで買ったんだから俺のテントだよ」
「佐藤さん。それ私のキャッシュカードですよ。」
俺たちはテントを組み直し就寝した。




