その30
「直彦。天叢雲剣ってすげぇ価値があるんだな。」
「そうらしい。常に持ち歩いているから、いまいち価値が分かりにくかったがな。剣の性能が高いのは自覚していたが」
「じゃあ直彦の持ってる紅魔の杖も高い価値があるのかね?」
「どうなんだろうな。東京地下ダンジョンで999階の報酬が天叢雲剣。1000階の報酬が紅魔の杖だから下の階層程、価値が高いのであれば紅魔の杖もかなり希少価値かもな。」
「直彦の使ってる黒魔術は紅魔の杖のお陰なんだろ?」
「そうだ。元々俺は魔術なんて1つも使えなかったからな。俺の黒魔術は紅魔の杖の特殊スキルなんだよ。」
「神が黒魔術は滅びた魔術だと言ってたな。」
「滅びてなんかいねぇよ。現に俺が使ってるじゃないか。」
「そうだな。おそらく直彦は世界で唯一の黒魔術師なんだろうな。」
そんな事を話していると町の人達がぞくぞくと教会へと集まっていく。
何か催し物でもあるのか?
「俺たちも教会へ行ってみるか?」
「佐藤さんも物好きですね。私は教会に興味なんてありませんが。」
「別に俺もねぇよ。ただ人が集まってるから気になるだろ」
「佐藤さん。それが興味って言うんですよ。」
天神と九頭龍は教会に入らないと頑固を張るので
俺とナルカミのみが教会へと入る
「ナルカミは教会に興味があるんだっけ?」
「ねぇよ。そんなもの」
「じゃあ何でついてきたんだよ」
「天神みたいに外で待っていても面白くないだろ」
「なるほど。暇つぶしって訳ね。」
この教会はかなりデカい
神界の教会だけあって現世の教会よりも10倍はデカい
教会の中は人々で賑わっている
俺は教会に集まっている人に聞いてみた
「何か楽しい事が起きるのか?」
「そりゃあ、そうですよ。神様がありがたいお言葉を下さるんです。」
「何、神?神が現れるんだな?」
「そうですよ。楽しみですね。」
そうすると前方のマイクがある所に神が現れた
「皆さん、お集まり頂きありがとうございます。皆さん私の話を拝聴しにきたのですね。最後まで居てくださった方々にはご神徳を授けますよ」
俺は前方に向かってズカズカと大股で歩き出した
「あなたも席に座ってください。これから尊いお話をしますから。」
「そんなもの聞きたくねぇ。」
「私の話を聞きたくない?じゃあなんで教会に来たのですか?」
「そんなもの何となくだ。俺は別に神の話なんて聴きたくねぇんだ。」
「ならば退出しなさい。他の皆さんに迷惑ですよ。」
「退出してやるよ。お前の名前を教えてくれたらな。」
「私の名前だと?完全に教会荒らしですね。あまり強引な事を言うとただでは済ましませんよ。」
「あ、そう。じゃあ戦闘は避けられないな」
神と俺の魔力がぶつかり合い教会が振動する
まだお互いに魔術は使っていない
純粋なる睨み合いの魔力衝突
「なるほど。人間なのにかなりの使い手ですね。ならこれならどうかな」
神は手を挙げると教会の像から巨大なレーザーが飛んできた
避けきれない
俺の左腕にレーザーが直撃
「私の光魔術をわずかながらに避けましたね。」
「お陰で左腕がオシャカだよ。」
再び巨大なレーザーが俺に直撃寸前と同時に黒魔術をぶつける
像から出るレーザーと俺の黒魔術のぶつかり合い
魔術と魔術のぶつかり合いは基本、魔力の高い方が勝敗を制する事になる
俺の黒魔術が押し返しレーザーの元である像を破壊した。
像が破壊されると神が悶絶して倒れた
なるほど像と神は一体だったのか
「俺に名前を教える気になったかな?ハハハ」
「私を支配しても教会中の人達はお前を許さないぞ……。セルケト」
神の腕輪が光りセルケトは収納された
「あの人間、神様を倒してしまったぞ!」
「なんて事してるんだお前!私達の神様を返せ!」
「うるせえ!文句がある奴は皆血祭りにあげてやるぞ!」
俺は魔力で教会の上部を吹っ飛ばした。
「俺に文句のある奴らは教会ごと吹き飛ばすからな!」
「なんて奴だ!でも敵わない……」
俺は教会を出ると天神と九頭龍が呆れて見ていた
「佐藤さん。大騒動を引き起こしましたね。」
「まあな。あいつらにも事情があるかもしれないが俺にも事情があるんでね。神界の神は全て支配してやる」
俺たちは町に居づらくなったので早々と引き上げた。




