その2
魔力は魔術の源であるガソリンのような物。
現代では魔術師の数は少なくなったがいるにはいる。
魔力が高ければ自ずと魔術の威力が上がる。
ちなみに言うと俺は魔術を1つも覚えていない。
魔術を覚えていないから各系統の魔術を使う事は出来ないが
魔力の圧力で相手を吹っ飛ばす事くらいは出来る。
これが高校1年であった俺でもすぐに番長に駆け登った経緯でもある。
魔力の高い者は魔力探知が使えるので周りの人間の魔力の高さを感覚で測る事が出来る。
手前味噌かもしれないが俺が20年生きていて俺よりも魔力が高いなと思った人には誰1人で会っていない。
魔力探知の出来る範囲は半径100メートル程度だ。
これはあくまで俺の感覚だから他の人間も測れる距離が100メートルなのかどうかはわからない。
俺のもう1つの才能は霊力が高いこと。
これも俺が努力で獲得したものではなく
生まれながらのものであると思う。
霊力が高いと剣を扱う時に高い効果を発揮するらしい。
残念ながら俺は生まれてから剣を握った事はない。
剣を扱えば俺の長所が発揮されるんだろうけども。
霊力もある程度の高さになると霊力探知が出来る。
周りの人間の霊力を測れる事が出来る。
霊力探知をしていて俺以上の霊力を持った人間にはお目にかかった事はない。
だから剣を持てばいいのだろうけども現代で剣などを持ち歩いていたら銃刀法違反で捕まってしまう。
そんな事から俺が魔力と霊力の高みにいながら
ハッキリと現実に効果が現れたのは喧嘩が強くて
不良高校の番長になった程度だ。
俺の持ち合わせた才能は魔力と霊力の高さだが
俺の特色をもう1つだけ言うなら
生まれながらに分身である精霊ナルカミがいる事だ。
精霊を持っていない多くの現代人は羨ましがる人もいるが
俺から言わせれば得した事なんて無い。
だから精霊を持つことに執着する必要はないと思う。
俺は大学2年になり20歳になってしまった。
年齢で言うなら大人の仲間入り。
漠然と将来の事を考えてみても何も描けない。
単純に将来に対する知識が足りないから
描けないのかもしれない。
そんな思いで新宿歌舞伎町を歩いていると
「ちょっと。そこのお兄さん」
「ん?俺に言ってるの?」
「そうだよ。他に人はいないでしょ」
「ああ、そうだな。なに?」
「お兄さんは魔力が高すぎないかい?現代に珍しい魔術師なの?」
「いや、そんな大層な肩書きはないけど。」
「お兄さんの魔力の高さなら東京地下ダンジョンでいい線行くと思うよ。」
「東京地下ダンジョン?何それ?」
「まあ知らない人が多いから無理もないな。お兄さんの魔力の高さを見込んで儲け話をしたいんだよ。」
「儲け話って俺が儲かるのか?」
「そう。お兄さんだけじゃなく俺も儲かるんだよ。win-winの関係だ。ちょっと聞いてみたくないかい?」
「本当に儲かるんだろうな?」
「直彦。ちょっと待て。知らない人間に話かけられて儲け話があるなんて怪しくないか?」
「まあ、ナルカミの意見も一理あるな。儲け話の内容を聞いてから判断しようか。」
「お兄さん達、疑り深いね。俺は誰にでもこの儲け話をする訳じゃないんだよ。お兄さんの魔力がずば抜けているから話すんだよ、わかる?」
「俺の魔力が高いのは知ってる。で、内容は?」
「内容を聞いたなら承諾してもらわないと困るぜ?」
「いいから言えよ。ぶっ飛ばされたいのか?」
「お兄さんは気が短いね。まあいい。東京地下ダンジョンは100階層までで構成されている。その100階層に神を支配する方法が書かれている石板があるらしいんだ。この情報は極秘情報だから世の中の人間には知れ渡っていない。お兄さんにこの石板を取ってきて欲しいんだ。話を聞いたからには契約してもらうぜ。」
「さっきwin-winと言ったな。俺の儲けはどのくらいなんだ?」
「100万円だ。悪い話じゃないだろう?」
「たしかに悪くないな。俺はバイトしてる訳じゃないから常に金欠だしな。よしその契約忘れるなよ。」
「分かってるって。お兄さん達が東京地下ダンジョンに入る為の飲食物はバッグに詰め込んである。さっそくで急だが今から行ってもらうぜ。」
「東京地下ダンジョンの場所は?」
「ここが入り口だよ。」
俺とナルカミは東京地下ダンジョン入り口が目の前であるのは想像していなかった。
「ではお兄さん達。契約を忘れるなよ。報酬は用意してあるからな。」
俺とナルカミは東京地下ダンジョンの階段を下っていく




