その19
俺たちは浅瀬の水に浸りながら歩いている
「水の中を歩くのってあまり気持ち良いものじゃないね。」
「靴がずぶ濡れになりますからね。」
「それにしてもいつまで水の中を歩けばいいのか」
「佐藤さんがイシスを倒さなければ今でも砂漠だったんじゃないですか?」
「何だよ。まるで俺の責任みたいな言い方するじゃないか。」
「明らかに直彦のせいじゃないか。」
「俺は神界の王になるんだから遅かれ早かれイシスは倒さなければならなかったんだよ。」
そんな事を言っている内に浅瀬の水に変化が訪れる
地上に浸っている水が上空に吸い込まれていく
「何だ?何が起こってるんだ?」
空をよく見ると雲で満たされている。
浅瀬の水が雲に吸収されているんだ
地上の水はあっという間に雲に全て吸収されたかと思うと
雲から土砂降りの雨が降り注ぐ
「大雨じゃないか!今度は足だけじゃなくて全身が濡れるぞ!」
「佐藤さん。この雨水、自然のものじゃないですよ!」
「どう言う事だ?」
「水魔術によるものです。」
すると上空から何者かが降りてくる
「誰だお前?」
「誰だと言われてもねぇ。神である俺が人間に名乗るとでも思ったか?」
「この大雨はお前の仕業か?」
「ああ、そうだ。イシスは俺が倒すつもりだったんだ。邪魔しやがって」
「なんだ。イシスに恨みでもあるのかよ。」
「俺は昔イシスに奴隷にされてたんだ。あいつは俺が倒すと決めてたのによ。」
「俺が倒してやったんだ。感謝しろ。」
「人間。進歩向上について考えた事はあるのか?」
「何だ急に?」
「イシスは俺が倒すという目標があったからこそ、今の俺がある。その目標を失った俺はどうすればいい?」
「そんなの知らねぇよ。」
「イシスを倒したお前を倒せば間接的に俺がより強い者と認識出来るとは思わないか?」
「なるほど。戦闘したい訳ね。」
雨の勢いが2倍増しで降り注ぐ
雨の強さで目が開けられない
その時、神が水魔術の弾丸を放ち俺に直撃する
「くっ……目が開けられない状態での攻撃か。九頭龍、お前の水魔術で雨は止められないのか!?」
すると雨が大分弱まってくる
九頭龍の水魔術で少しは効果が出てるのか
黒魔術 弾性黒硝石
神が吹っ飛ばされ地に倒れる
「勝負あったな。雨さえ弱まればお前に負ける事はないんだよ。」
「くそっ!」
「神なんだろ?名前を教えろ」
「……イムホテプ」
神の腕輪が光りイムホテプは収納された。
「九頭龍の水魔術が役に立つ事もあるんだな。」
「まるで俺が無用の長物みたいな物言いですね。」
「まあ今回は九頭龍に感謝してるよ。」
雨が上がった天気の中を俺たちは歩いていく




