その15
長い距離を歩いているとナルカミがへばり出した
「なあ、直彦。少し休まないか?」
「休むって言ったって道のど真ん中じゃないか。」
「俺は歩き疲れたよ」
「町はもうすぐだろ。ここから高層ビルが見える」
「高層ビル?近代的な都市なのか?」
「神界に来てからは初めての都市になるな」
「町に着いたら休もう。俺は疲れたんだ」
俺たちは町に着いたがナルカミの提案で少し休む
団子屋のベンチで団子を食べながら小休止をした。
「この町にも神がいるのかね?」
「さあ、分かりません。佐藤さんが1番魔力霊力探知の距離を感じ取れるじゃないですか。」
「まあそうだけどさ。あれ疲れるんだよね。エネルギーを凝結させるから。とりあえずこの辺に神はいないかもね。」
「この辺は商店街と高層ビルの乱立で景観に一定性がないですね。」
「この町を建設した奴らは調和というものを知らないんじゃないか。」
「高層ビルはたくさんありますが奥のビルが1番高いですね。100階層はありますよ。」
「直彦。折角だからあの100階層の頂上まで昇ってみないか?」
「なんでだよ?」
「景色を一望してみたいとは思わないのか?」
「思わない。」
「ロマンの無い奴だな。」
「佐藤さん。この町に神がいるとしたらあの100階層のビルが怪しくありませんか?」
「なんで?」
「神は大体スケールの大きい奴が多いですから100階層ビルの所有者かもしれませんよ。」
「なるほど。ナルカミも行きたがってるしちょっと行ってみるか」
俺たちは100階層の高層ビルに入る
エレベーターで50階層あたりまで昇ってる時に
俺の魔力霊力探知の範囲に神が入る
「天神の言うとおり神がいるぞ!」
「どこにですか?」
「このビルの天辺だ」
俺たちは100階層に到着する
フロアに出ると強烈な霊力を持った神がいた
「このビル100階層に何か用かね?」
「俺の精霊ナルカミがどうしても100階層に来たがっていてね。景観を見に来たんだよ。」
「ふーん、そうか」
「景観を見に来たのはナルカミだけ。俺の目的は違うぜ」
「何か用かな?」
「お前、神だろ?霊力の値が飛び抜けている」
「霊力?ああ、私はこのビルのオーナーだが剣が好きでね。見てみろ。この凛聖斬鉄丸を。芸術の一品だと思わないか?」
「残念ながら俺は剣に詳しくないんでね。天叢雲剣以外に剣は知らない。」
「天叢雲剣?太古に地上を破壊した剣か。地上のどこかにあるとは聞いているが……」
「俺が持っているのが天叢雲剣なんだよ。」
「ハハハ。そんな馬鹿な。あの剣は伝説の宝剣だぞ。何故人間ごときが持っているんだ?」
「苦労して手に入れたんだよ。」
俺が天叢雲剣を眼前に出すと神の目の色が変わる
「たしかにその剣は宝剣だな。もしかして本当に……」
「だからそう言ってるだろ」
「よし私がその剣を戴いてやろう」
神が剣を大きく振り翳して一気に振り落とした
凄まじい斬撃が眼前に飛んでくる
避けきれない
天叢雲剣を巨大な霊力で覆い斬撃とぶつかり合う
剣と剣の衝撃が凄まじく激しい金属音がした
「あの神、ビルが壊れる事を微塵も気にしてないな」
俺と神の激しい怒涛の接近戦
剣のぶつかり合いが激しい霊圧を生み出して100階層が吹き飛んだ
「なんだよ。俺は外の景観を見るのを楽しんでいるのに!」
「ナルカミ!ちょっと黙ってろ!」
剣と剣の接近戦はかなりの高レベル
だが徐々に均衡が破れてくる
どうやら俺の霊力の大きさが勝敗を決めようとしている
「くっ……お前、私よりも強いな」
凛聖斬鉄丸が弾き飛んで床に刺さる
「俺は神を支配するためにここに来てるんだ。名前を教えろ」
「名前か。しょうがない。お前は私よりも強いからな。アヌビス」
神の腕輪が光りアヌビスは収納された。
「とりあえず、目的は達成したか。ナルカミ。もう外の風景を見るのは満足しただろう。行くぞ。」
「ちょっと待て俺はたしかに楽しめたが疲れているんだ。この町に泊まろう」
「泊まり?たしかにそろそろ日が暮れてきたな。宿屋に泊まるか」




