その13
電車を降りた世界は砂漠だった
「直彦。この辺に町なんてあるのか。見渡す限りの砂漠だけど」
「たしかにな。だから電車のレールが敷いてあったのかもしれない。」
「直彦の魔力霊力探知で何か感じないのか?」
「とりあえず半径100メートルには魔力霊力を持ってる者はいないな」
「佐藤さん。この砂漠は魔術によるものかもしれませんよ。」
「魔術?魔術で砂漠の世界にするのか?」
「水魔術の応用です。辺りから水分を抜き取れば砂漠の世界へと一変します。」
「九頭龍は水魔術を使うんだっけか?」
「そうです。俺の専門は水魔術なんで」
「じゃあ九頭龍も世界を砂漠に変える事が出来るのか?」
「やった事ないので分かりませんが多分出来ると思います。」
「じゃあやってみろよ。」
「え?ここでですか?既に辺りは砂漠じゃないですか」
「言われてみればそうだな。とりあえず町がある事を願って歩いていくか」
「ん?何でしょうあれ?」
砂漠の真ん中に小屋が立っている
その時地響きがした
足元の砂が巨大な渦になり地面に吸い込まれていく
「おいおい、俺たち砂の地面に吸い込まれているぞ!」
あっという間に砂に引き寄せられて砂漠の地下世界に引き込まれた
「砂漠の地下世界に誘われてしまったな。」
その時巨大な魔力を感じた
「お前ら、この砂漠の地下に神がいるぞ!」
「本当ですか?何でこんなところに」
俺たちは巨大な魔力の元に向かって歩く
すると神が砂漠の地下に立っていた
「おい、そこの神!お前が俺たちを引き摺り込んだのか?」
「ハハハ。まあな。俺は強い魔力の持つ者は砂漠に引きずり込む事にしてるんだよ。」
「目的は何だ?」
「戦闘だよ。俺は神界の強い神と闘うのが趣味なんだ。ん?お前は現世の人間か?」
「そうだ。俺は神じゃあないぜ」
「現世の人間と2人の神か。だが人間が1番魔力が強いな。どういう事だ。」
「それは俺が天神と九頭龍の主だからだよ。」
「人間が神を束ねているのか。さては名前を明け渡したな」
「そういう事だ。砂漠の神。お前の名前も教えろ」
「俺の名前?ハハハ。俺に勝てたらな」
神は砂を纏い始めた。その時砂嵐が巻き起こる
ものすごい砂嵐だ。砂の引力とでも言おうか
俺は直感で砂嵐にぶつかれば終わりと判断した
紅魔の杖を地面に刺してなんとか場所を固定する
神の砂嵐がますます強くなる
「このままではジリ貧だな。九頭龍!水魔術を使え!」
水魔術 水晶凛月
九頭龍の水魔術で砂が固まり砂嵐が止まる
「水魔術使いが混じってるのか……」
「よし再び砂嵐が来る前に決着つけるぞ」
俺は瞬足で間合いを詰める
黒魔術 硝酸黒那覇
砂の神が激しく吹き飛ばされる
「くっ……まさかの黒魔術か……」
「そうだ。名前を教えろ」
「アトゥム」
その時、神の腕輪が光り神は収納された
アトゥムが敗北した事で世界がみるみる変わっていく
砂漠は魔術で作ったものであるが故
アトゥムが敗北した事で魔術が解けた
俺たちは新緑の世界に舞い戻った
「なるほど。これが本来の景観なんだな。」
「そのようですね。次の町を探しましょうか」
俺たちは新緑をかき分けながら歩いていく。




