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シルバニアファミリー物語  作者: ぴちぴちピッチ
4/15

第03話 オレのケツをなめろっ!

蒸気兵が引き金を引くたびに爆音が響き、血飛沫と黒煙があたりに舞い踊った。

「誰か、助けてください、死にたくないと」誰かの声が遠くで聞こえていた。

いざ進め勝利の鐘を鳴らさん亡者達の行進に今日も名も無い花が踏み潰されていく。

路地裏では戦火のどさくさ紛れにドブネズミたちが今日の戦果を祝う宴を開く。

少年少女による殺戮の狂想曲の開演である。

その日は朝から雨だった。

司令部では各部隊が集まっていて重苦しい雰囲気に包まれていた。


「それでは状況の確認に入ります。本日04:35偵察に出ていた第05小隊『ベビードール』のゴブリンがセントルイス神聖法王国と思われる蒸気兵と接触。

交戦の末、撃破されました。

その後、斥候に出た第06小隊『リトルリカ』の蒸気戦車も同じく破壊されています。

現在、敵の戦力は不明ではありますが、これより作戦会議を行いたいと思います」


そう言うと机の上の地図を示す。

近隣の森林地帯の地図で、基地の位置から敵の大規模部隊がいるであろう駐屯地の位置、そして今回のバツ印や矢印が書き込まれている


「こちらが交戦のあった場所、敵蒸気兵はこの付近に潜んで居ると思わます。我々はここから半径1キロの範囲で捜索します、

この円内に踏み込めば即座に攻撃を受けると思われますので、各自警戒するように、尚、この円の外に出る際はこの無線機で連絡を入れて下さい、以上です」


そう言い終わると皆が会議室から出て行く中、フランはキョウカに話しかけた。


「キョウカさん、敵は本当に円内に潜んで居ると思いますか?まるで誘われているような気がするのですが…」


「えぇ、私も同じ考えだわ、でも他に何か思い当たる節があるわけでもないのよね、まぁ今は考えても仕方ないからとりあえず動きましょう」


「それもそうですね、では行きましょう」


2人は第13小隊格納庫へ戻ると全員を集め出撃準備を整えた。

フランが愛機ヴォーパルバニーのハッチを開く。そこは一人しか入るスペースしかなく本来あるはずの操縦レバーやペダルもない。

フランが、そのコクピットの操縦シートに座りシートベルトを着用する。


「誰か義手と義足を外すのを手伝ってくれ!」


「はい、お姉ちゃん」


幼いリリィが義手に手をかける。


「外す時は物凄く痛いんだ…本当は麻酔を使いたいんだが、薬を使うとその後の操縦に影響が出るから使えないんだ、だから一気にやってくれ…」


幼女に恥ずかしい所を見せまいと何とか引き攣った笑顔を見せる。


「大丈夫だよ、一瞬で終わるから…じゃあいくよ!3・2・1」


勢いよく義手が外れるとあまりの痛みにフランの顔が歪む。


「うっぐぅ……いっつ」


フランの身体がコクピットの中で弓なりに仰け反り、小水を漏らしそうなほどの脳髄を焼くような激痛だったが失態を見せられないというプライドでギリギリ踏みとどまる事が出来た。


「良し…いいよ、リリィちゃん、このまま残りの手足もお願い…」


「うん分かった…」


何度も激痛を味わいながら遂に全ての四肢を取り除き終える事が出来た。肩で息をしながらコクピットにある穴に断ち切れた四肢を差し込む。

コクピット内にある魔力炉の数値を示すライトが灯り各メーターもそれに伴い反応を示していた


「ありがとう、蒸気エンジンを起動するから、危ないからもう離れていいよ」


リリィが離れるのを確認するとコクピットハッチが閉まり、機体から蒸気が吹き出しフランの愛機ヴォーパルバニーに命が宿り始めた。

フランチェスカの愛機ヴォーパルバニーは全長4mほどの小型蒸気兵である。

純白のボディに頭部にはウサギ耳を模したセンサーがあり、武器は紋章を削られた大型ラウンドシールドと長剣だけ。

素早い動きで接近しての一撃必殺を得意とする。

操縦席は胸部にあり、そこからフランが外部スピーカーを使い外にいる小隊のみんなに指示を出す。


『さぁみんな行くわよ、まずは索敵しながら前進、何らかの罠があると想定して気を付けるように』


フランが搭乗するヴォーパルバニーのセンサーカメラで新兵が搭乗しているゴブリン3機を確認すると


『ゴブリンは3機一組で1機へ攻撃するように、攻撃相手が2機の場合は躊躇わず後退するように』


『『『了解』』』


続いてアーニャの搭乗する一際大きいゴブリン、通称ホブゴブリンと呼ばれる機体を確認する。


『アーニャ、あなたはは新兵が敵1機と戦えるようにサポートしつつ現場での指揮を任せます』


『はい、分かりました、フラン隊長殿』


最後に控えるキョウカと幼年組の搭乗するヘカトンケイルを確認する。

この機体は他の機体と違い装甲が無く攻撃を受ければ一撃で致命傷となる、その代わり超重量の兵装を搭載することが可能になり

左右に75㎜迫撃砲、背中にロングバレル15㎜スナイパーライフル2門を装備し、

車長と操縦手をキョウカが兼任、砲撃手に幼年組の2人が左右に搭乗し合計5人で運用している後方支援用の蒸気兵だ。


『キョウカさんは私といっしょに高台へ登って索敵と支援砲撃をお願いします』


「えぇ、任せて」


アーニャ率いる4機の蒸気兵がフラン達と判れ深い森の中に索敵へと消えていく。


『よし、じゃあ私たちも行きましょう』


フラン達は敵の潜んでいると思われる場所が見渡せる高台を目指し移動を開始した。



一方そのころ、冷たい雨を避けるように森林に潜むように駐機する蒸気兵と随伴する歩兵部隊がいた。

彼等はセントルイス神聖法王国軍の精鋭部隊であり、今回の任務もいつものように偵察を行いつつ、可能であれば撃破し、無理なら撤退せよという命令を受けていた。


『ハイランダー1からビショップ、ゴブリンが狩り場に入った、これよりクエストを開始する、どうぞ』


『ビショップ了解した、反撃に気を付けられたし』


無線により作戦司令部からの指示を確認すると神聖法王国軍蒸気戦士『ドミニオン』を起動させる。身長6m程の人型の機械が立ち上がり戦闘準備に入る。



『変だな…森が静かすぎる…ホブゴブリンよりゴブリン各機、警戒しろ』


アーニャ達4機が慣れた森に入るが普段なら動物や虫の声が五月蠅い位に聞こえるはずだが今日は全く聞こえてこない。


『おかしいですね、まるで何かに怯えてるみたいです』


アーニャ達は違和感を感じつつも先へ進む。すると前方から銃声が鳴り響き、同時に悲鳴が上がる。

急いで駆け出すとそこには血まみれになり倒れ伏す兵士達の姿があった。


「おい、しっかりしろ!今手当てをしてやるから!」


アーニャ達が慌てて蒸気兵を降り負傷兵のもとに集まる。


「うっぐぅ」


「大丈夫か?」


アーニャの呼びかけにも返事がないが僅かに息があるようだ。


「良かった……」


だがそれも長く続かなかった、次の瞬間凄まじい轟音と共に爆風が吹き荒れ、周囲の木々をなぎ倒す


「何が起きた!?敵はどこから!」


「わかんないけど敵が来てるはずです」


その言葉と同時に再び砲弾が放たれ周囲で爆発が巻き起こる。アーニャ達の周囲の木や草が燃え広がり始め、そして燃え盛る炎の中から蒸気兵が姿を現した。

それは全身が黒く光沢を放つボディに両腕にはスパイクシールドを装備した闘士型2機と、同じく両肩にはガトリング砲とロケットブースターを装着した強襲型がのドミニオン3機が現れた。


「敵機確認、全員急いで蒸気兵に搭乗し戦闘隊形を取れ!急げ!急げ!急げーッ!」


アーニャの怒号と共に各自の搭乗機へと走り乗り込んだ


『やはり罠かッ……ゴブリン各機、隊長の指示通り反撃しながら後退する、無理に攻撃はするな相手に有利と思わせて食いつかせれば良い』


『『『了解』』』


アーニャ達は4機の蒸気兵士で散開し敵をかく乱しつつ、敵の背後を取り攻撃をしていくと言う当初の作戦通りの戦術を取っていた。

しかし敵も黙っておらず闘士型ドミニオンは両腕の盾で防御しながら突撃してくる。


『くそ、なんてパワーだ、一撃でもまともにくらったら終わりだぞ』


アーニャは冷静に分析する、新兵の動きは悪くは無いが動きは単調だし連携も出来ていない、相手の蒸気兵はそれを見越してなのか何故か正面から強力な武装と装甲によって圧し潰そうとしていた。



同時刻、森の中に潜むドミニオン部隊の付近に蒸気兵の影が現れた。


『ハイランダー1からビショップ、崖の上に未確認の機体が現れた、指示を求む、どうぞ』


『ビショップからハイランダー1、情報が不明瞭の為、再度送信求む、どうぞ』


『ハイランダー1了解、崖の上のアリスは迫撃砲を2門装備している、追従する時計ウサギはセンサーを展開し付近を索敵している、後方部隊と思われる、どうぞ』


『ビショップ了解した、バルトラント帝国の蒸気騎士はここ数年観測されていない為、新型の可能性があり高所より砲撃されれば本作戦に影響が出ると思われる、

そちらに現在交戦中のドミニオンから3機を送る、合流次第、随伴歩兵と判れて4機にて強襲かけられたし、どうぞ』


『ハイランダー1了解』



その時、アーニャは戦闘中に違和感を感じていた。

(どういう事だ?さっきから重装甲の2機しか見えて無いが、足の速い奴はどこに行った?これも罠か?それとも…)

そう思いつつもアーニャは周辺の警戒を強める、すると突然何かが地面に突き刺さり大きな土煙を上げる。


『なんだ?』


一瞬戸惑うがすぐに状況を把握し、砲撃の方向を探ると少し離れた所に小型蒸気戦車と歩兵隊を発見する。

(戦車部隊?まさか足の速い奴はとっくに別の戦場へ移動していて、この部隊がここにいるのは陽動か?)


『ゴブリン各機、転進、重装甲の奴を攻撃せよ!』


アーニャの命令を受け3機のゴブリンが一斉に走り出し、瞬く間に距離を詰めるとゴブリン達は次々と機関砲を放ち始める。


『よし、お前の相手は私だ!よくも散々バカにしてくれたな!もう許さなからなッ!!』


アーニャのホブゴブリンが機関砲を連射しながら闘士型ドミニオンに迫る。

闘士型ドミニオンはスパイクシールドを構えながらホブゴブリンに突撃してくる。


『うおおぉお!!くらえぇぇぇッッ!!!』


雄叫びと共にアーニャのホブゴブリンの廻し蹴りが闘士型ドミニオンに炸裂した。

全高6m重量40トンのホブゴブリンの攻撃は容易に鋼鉄の鎧を貫き腹部に命中した。

前面の重装甲で致命傷は避けた物の、それでも衝撃は殺しきれず闘士型ドミニオンは吹き飛び近くの木に激突した。


「アベルーッ!足回りの異常確認急いでーっ!確認次第もう一発行くよッ!」


「僕がそんなヘマする訳ないのは知ってるから廻し蹴りをやったんでしょ、損傷軽微、戦闘に影響は無いよ!追撃よろしくーッ!」


「よしっ!ナターシャ!続いてもう一発行くよーッ!射角修正ーッ!!」


「あいあいっさぁあああっ!!!」


砲撃手ナターシャの掛け声と共に更に2発の榴弾が放たれ、闘士型ドミニオンは再び吹き飛ばされる。

だが闘士型ドミニオンはダメージを負いながらも立ち上がる


「ぐぅ……まだやれる……ッ!」


「無理するな!我らの役目はこの場で死ぬ事にあらず、撤退するぞ」


3機のゴブリンに集中砲火を浴び、亀の様に丸くなり耐えていた闘士ドミニオンがボロボロになった仲間に合流し機体を抱え上げ後退する。

蒸気兵を逃がすべく小型戦車と歩兵による決死の特攻が開始された。


「撃てぇええいい!!!我らが捨て石となって血路を開くのだ!」


指揮官の合図で砲撃が開始され、散弾式に設定された砲弾が次々に発射され、森を焼き黒煙が辺りを包みドミニオンを隠した。


『ちっ…2機とも逃がしたか…ゴブリン各機、残った敵を掃討しろ!』


アーニャの命令で残りのゴブリンも射撃を開始し歩兵と軽戦車を撃ち抜く。

森の中の戦闘が終わり、戦場に静寂が訪れる。



「フランちゃん、アーニャちゃんを信じて落ち着きなさい、隊長がそんなんじゃ指揮に影響が出るわよ」


「ごめんなさい、キョウカさん、でもやっぱり心配で……」


「気持ちは分かるけど、ここで騒いでいても仕方が無いわ、それにアーニャは強いもの、大丈夫よ、きっと無事に戻って来るわ」


フランチェスカは不安げな表情を浮かべていたが、キョウカの言葉を聞き少しだけ落ち着いた様子を見せる。


「キョウカさん、正面600m、第06小隊『リトルリカ』と交戦中の敵部隊発見、砲撃お願いします」


「判ったわ、ヨハンちゃん、パウロちゃん、砲撃用意して、目標前方の敵軍、撃てーーッ!!」


ヘカトンケイルに搭載された2門の75㎜迫撃砲が一斉に火を放つ。しばらくして爆音と爆炎を確認出来た。


「砲撃成功、引き続き援護よろしくお願いいたします」



『なんだ…?あの新型…戦場で装甲を付けてないだと?馬鹿にしおって…ハイランダー1より各機、これより強襲を開始する!続け!!』


ヴォーパルバニーとヘカトンケイルの背後の森より強襲型ドミニオン4機が姿を現し突撃を仕掛ける。

その動きに気が付いたヴォーパルバニーが反転、大型のシールドチャージによる突撃で先頭のドミニオンが吹き飛ばされる。


『なにぃ!?なんだ今の反応速度は!?それに、たかが4mの小型蒸気兵に6mの中型蒸気兵が吹き飛ばされただと!?有り得ん!?何が起きた!?これではまるで蒸気騎士の性能ではないか!?だが蒸気騎士はまさしく神話上の存在、こんな所にいる訳がない!?』


混乱する搭乗者を無視し、フランは冷静だった。ヴォーパルバニーの長剣を抜き放ち、強襲型ドミニオンに向け突きつける


「セントルイス神聖法王国の蒸気戦士よ、首を刈り取られたくば前へ出ろ!このヴォーパルバニーが相手になるぞ!」


「なっ!何を前時代的な事を言っているんだ貴様は!!そんな訳の分からない事を言う奴に構うな!撃ち殺せ!!」


「了解!」


3機の強襲型ドミニオンによるガトリング砲での攻撃、だが次の瞬間、ヴォーパルバニーは舞うように攻撃を避け強襲型ドミニオンを袈裟懸けに撫で斬った

45㎜の装甲がバターのように切り裂かれ、血飛沫のようにオイルが舞い上がる。

その様子をただ茫然と2機の強襲型ドミニオンは見ているしかなかった。

そこに最初の突撃にシールドチャージで吹き飛ばされた強襲型ドミニオンが復帰、合流しハイランダーと呼ばれる男に進言した。


「ハイランダー1、戦力の差は明らかであります、この事を司令部へ伝えてください、私の機体はもはや撤退戦で足を引っ張る事しかできません、

それ故にこの場は私が命を賭け時間を稼ぎます。どうか撤退してください」


「なにを言ってる、お前が時間を稼ぐ必要は無い、俺が囮になって敵を引き付ける、その間に逃げてくれ」


「いえ、それは出来かねます。私は貴方がいたからこそ、ここまでやってこれたのです、だからこそ、私は貴方の為に最後まで戦いたいんです」


「私も付き合います、ハイランダー1は撤退してください」


2機の強襲型ドミニオンは背中合わせになり敵を迎え撃つ体制を取る。


「すまない…お前たちの仇はきっと討ってやる…だからそれまで待っていてくれ」


そう言い残してハイランダー1の搭乗する強襲型ドミニオンは全力で森の中へ撤退する。残された2機の強襲型ドミニオンはヴォーパルバニーに突撃した。


「「セントルイス神聖法王国に栄光あれーーッッ!!」」


迎え撃つべくヴォーパルバニーの両肩のロケットブースターが点火され、凄まじい加速と共に長剣を振り下ろす。

強襲型ドミニオンの持つガトリングガンを撃ちながら突進するが、その弾丸は全てヴォーパルバニーのラウンドシールドに弾かれる。

距離を詰められ、強襲型ドミニオンの両腕に装備されたスパイクシールドが展開、同時に両肩のガトリング砲も発砲する。

だがその全ての攻撃をヴォーパルバニーの長剣が受け流し横一閃で2つに切り裂いた。

続いて襲い来る強襲型ドミニオンの後ろ回し蹴りを跳躍により回避し、空中で回転しながら飛び上がり上段からの一撃で頭を叩き割る。

そのまま着地と同時に2機の強襲型ドミニオンの身体が崩れ落ちた。


「これで終わりだ……セントルイス神聖法王国の戦士よ、安らかに眠れ……」


撃破を確認し、長剣を鞘に納める。



その後ハイランダー1の撤退により森の中に潜んでいた神聖法王国軍は次々と撤退していく。

だが罠にかかった味方の損害も大きく、この作戦に置いてどちらが勝利したとも判らない戦況であった。


神聖法王国の首都であるセントリア、そこにある軍本部の作戦会議室では、今回の戦闘の戦果報告と被害状況の確認が行われていた。

神聖法王国、法王、アーバイン・フォン・アルターベルト3世は、今回の報告に歯噛みしていた。


「なんたる失態か……まさか、我が軍が新型の蒸気機関歩兵を投入して……しかも新型とはいえ、たった1体の新型に、こちらは3機もの新型を失っただと……?

これが他国に知れたら、我が軍の威信は地に落ちるぞ……」


「しかし陛下、あの新型の戦闘能力は異常です、まるで神話に登場する蒸気騎士そのもの、あんな存在が戦場に出て来たら……我々にはどうしようもないでしょうあれは蒸気騎士のような…というよりそのものではないかと…そう考えればバルトラント帝国の蒸気騎士を引きずり出したのは正解だったのかもしれませんね」


「うむ、そうだな、だが問題はあのような新型がいたのでは進行の障害となるだろう。その為の新たな部隊の創設と新兵の育成が必要だな」


「はっ!直ちに手配します!」


「よし、それでは下がってよい、ご苦労だった」



第13機甲小隊格納庫で駐機する6機の蒸気兵の周りを幼い整備兵が大慌てで走り回ってる中、フランは正座でキョウカの説教を受けていた。


「フランちゃん、あなたが蒸気兵であんな戦い方をするから、アーニャちゃんが真似するのよ、誰があなたたちの壊した蒸気兵の修理をすると思っているの!

あなたがお手本になって負担を伴わない戦闘をしなければならないはずでしょう!」


「うぐっ、申し訳ありません、キョウカさん」


この時、フランチェスカ・エカテリーナ少尉は、遠い空の下で虎視眈々と侵略計画が練られている事をまだ知らなかった。

ご意見、ご感想ありましたらビシバシッ!お聞かせくださいませッ!(`・ω・´)ゞ

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