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こんなはずじゃなかったのに。~ボッチだった高校生活をやり直します~  作者: 松竹梅竹松
第3章 高1秋・文化祭

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第3章 第50話 こんなはずじゃなかったのに 3

「ゲイ・ボルグを改造しました。出力は一定して人間を殺せる程度。死ぬたびに生き返らせ、何度も殺します。構いませんよね?」

「嫌だけど……まぁ、しょうがないよな……」



 リルの手元に警棒状に戻った純白の死刑執行装置が出現する。俺はこれによって殺される。10……いや最低でも100は覚悟しておくか。それくらいのことを俺はしたんだ。



 リルを裏切り、痛みを与えた。俺も一度雷撃を食らったが、リルはあれとは比べものにならないほどの痛みを長時間に渡って受けた。これくらいは当然受けて然るべきだろう。



 でもその前に、言っておきたいことがある。謝罪、感謝、別れ。心の中で思っているだけじゃ許せない。最期にリルに聞いてもらいたい。俺の想いを。



「リル、俺は――」

「聞きたくないっ!」



 絶叫と同時にリルは俺に棒を突きつけ、



「ああああああああああっ!」



 さらなる絶叫が部屋に木霊した。



「聞きたくありませんっ……もうあなたの言葉はっ!」

「ああああああああああっ!」



 痛い。痛い痛い痛い痛い痛い。



 想像を絶する痛みが絶えず俺の中に満ち、溢れ、爆ぜる。



「私は……あろうことか情が湧いてしまっていた……。人間に! 死んでほしくないと、思ってしまった……」



 リルの声なんか聞こえない。頭の中には「痛い」以外の感情がない。いや、それすらもとっくに消え失せた。



 死にたくない。俺の覚悟は死を与える痛みの前に、あっさりと砕かれてしまった。



「それじゃあ駄目なんですよ……私は天使になるんだから。天使の仕事は人間を死後の世界に送ること。わかりますよね、人間に情が湧く時点で天使失格なんです。だから私は殺す……!」



 母さんと父さんを助けなければよかった。そうすれば、こんな痛み味わわずに済んだのに。



 俺が馬鹿だった。痛みに慣れたから、大丈夫だと思っていた。もうこんなことしないから。



 リル、俺を助けてくれ。



「大切な人を殺すことで、私は証明するっ! 私は天使だと、自分自身にっ!」



 二つの叫びが共鳴する。こんな狭い部屋では収まりきらないほどの感情が溢れ出す。



「主水さん、苦しいですか? 助けてほしいですか?」



 苦しい。助けてくれ。



「ふふふ……だから駄目なんですよ。あなたが苦しければ苦しいほど、私の覚悟は証明される。もう100回は死にましたかね。億……いえ、最低でも兆は殺すのでがんばってください。途中で壊れられても困るので」



 嫌だ。もう死にたくない。俺が悪かったから助けてくれ。



「元はと言えば主水さんが悪いんですよ。こうなることは覚悟していたはずですよね。だいたいいつもそうです。最初ばっかりがんばるくせに、苦しくなったら私頼み。最期くらい自力で耐えてください」



 ごめん。ごめんリル。ちゃんとがんばるからもう許してくれ。



「もう遅いんですよ、全部。そもそも私はあなたにチャンスをあげてたんです。私は未来のことを話すのは禁止と言いました。でも本当は特に禁じていなかったんです。気づこうと思えば気づけた。あなたが私のことをちゃんと理解してくれていれば……こんなことにならなかったんです」



 死にたくない。



「だからもう遅いって言ってるじゃないですか! 黙って死んでてください! あなたの言葉はもう聞きたくない!」



 死にたくない。死にたくない。死にたくない。



「そんな声出さないでくださいよっ! 私が悪いみたいじゃないですかっ! 全部、全部主水さんが悪いのにっ!」



 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。



「私だってこんなことやりたくないんですっ! でも、やらないと、私は……! いつかあなたを助けてしまう……! 天使としての役目を放棄して、あなたを生き返らせてしまう……!」



 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。



「どうして死のうとしたんですか……! 私が、あんなに、死んでほしくないって言ったのにぃ……。やだぁ……主水さん……死なないでくださいよぉ……!」



 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。



「ちがう……わたしは……あなたに死んでほしくない……。幸せに生きていてほしいのに……。どうして、わたしは、こんなことを……!」



 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。



「こんな、はずじゃ、なかったのにぃ……」

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