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こんなはずじゃなかったのに。~ボッチだった高校生活をやり直します~  作者: 松竹梅竹松
第3章 高1秋・文化祭

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第3章 第12話 通好み

2018年 10月23日(火) 13:15




 昼食を男4人で済ませた俺たちは、それぞれの作業の場へと移動した。樹来はそのままステージ設営、金間は芽依のいる女子テニス部。真壁は月長のいる合宿所に行き、俺は十六夜がいる1年A組。



 だが俺は別に十六夜に恋愛感情があるわけではない。行ったフリをして家に帰ってもよかったのだが、そうしなかった理由は至極真面目。クラスの進行状況が気になったからである。だが、



「なんでこんなとこ来てんの? 芽依のとこ行きなよ」



 教室の前で七海に捕まってしまった。面倒なことに、七海には芽依が好きだということになっている。九角関係の弊害。上手いこといかないな……。



「いや、芽依のとこにはいま金間が……」

「恋愛はいかにライバルを蹴落とすか。なんで他人に気遣ってんの」


「いやでも……」

「でもじゃない。それにあたしの見立てじゃ芽依は100パー主水のこと好きだよ。間違いないね」

「んなわけないだろ……」



 芽依が俺を好きになる要素がどこにあるんだ。何もかっこいいところを見せていないし、オリエンテーションではひどいことをした。今仲良くしているのは、俺の生徒手帳という弱みを活かすためだろう。



 そもそも元の歴史で、芽依と金間は付き合っていたんだ。俺に入り込む余地はない。



「芽依は押しに弱いからね。ボサボサしてるとほんとに取られるよ?」

「…………」



 かといって今あの話をなしにすることはできない。リルには内緒だが、ダブルデートは俺の目的のためには必須なのだ。あぁそうだ、ダブルデート……。



「リルが日曜日の午後なら空いてるって。例のあれはそこでいい?」

「部活入ってないからあたしは大丈夫だけど。あ、でもまだ喫茶店のシフト出てないからわかんないかも」



 シフト……できてない……?



「え? 誰が作ってんの?」

「さぁ。霜降辺りがやってんじゃない?」



 いやあいつは指揮だけして満足するタイプ。そういう、誰かしらが絶対にやることを自分から率先して行うことはないだろう。



 3年前は誰がやってたっけ……? くそ、全然覚えてない。樹来がいないだけでこうも纏まらないか……。



 誰かという人間はいない。誰かやっているはずという考えが一番危ないんだ。友だちがおらず、ずっと一人でやるしかなかった俺が誰よりもよく知っていたはずなのに……。



「悪いけどみんなの予定を聞いておいてほしい。クラスラインに書くだけでいいから」

「あんたがやればいいじゃん」


「俺がやっても聞いてくれるわけないだろ。そもそもクラスラインに入れてもらってない」

「んなわけないでしょ。4月頃あたしが教えたじゃん。芽依もあんたもラインの使い方全然知らなかったから」



 俺がクラスライン……。うわほんとだすげー! 使い方がよくわからなくて気づかなかったが、『1年A組!』(32)というものと、『超絶最強イベント同好会♡』(3)。他にも『仲良し組』(7)、『漢!』(4)というライングループにも入っていた。



 俺が……グループライン……。家族ラインにすら入っていない俺が……!



「でもやっぱり七海が言った方がいいと思う」

「だね。主水なんか知らないけど色んな人に嫌われてるから」



 理由は単純だろ。俺が陰キャだからだ。しかもなぜかカーストトップグループといるんだ。不快に思って当然だろう。



「まぁでもいんじゃない?」



 スマホを高速で操作し、早速グループラインでスケジュール表を作り出した七海は歯を見せて笑う。



「ちゃんとあんたのこと見てる奴はいるから。わかる奴だけわかればいいってヤツ? 少なくともあたしたちは、あんたがいい奴だってわかってるよ」



 俺がいい奴……ねぇ……。



「そう言う奴らの方が信用できないんだけど」

「うわ出たツンデレ。そんなんだから友だち少ないんだよ?」



 「まぁあたしも友だち少ないんだけどねー」と笑い、七海は教室に戻っていく。そして顔だけこっちを向き、ひらひらと手を振った。



「女子テニス部はメインロードにいるはず。芽依もあんたに会いたがってたよ? さっさと行ってあげな」

「……ありがとう」

「うぃ」



 何と言っていいのかわからなかったのでとりあえず礼を言い、俺は芽依の元へと向かう。そして、




2018年 10月23日(火) 13:36




「主水! 力仕事手伝ってほしいんだけどっ!」

「は?」

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