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友達として

しばらくして現れたのが、セクシーな衣装に身を包んだ種族エルフの女性だった。


 カオル「おまたせ〜、レージったら遅いじゃん!」

 レージ「わりぃ。カオルこっちがいつも一緒に組んでるミキちゃん。」

 カオル「ミキちゃんね。可愛いわね。私は銀の翼のカオルよ。よろしくね」


そう言ってレージの腕に胸を押し付けるように抱きついていた。


 ミキ 「あっ…あのっ…よろしくお願いします」


真っ赤になってお辞儀をするミキを盛大に笑い飛ばした。


 カオル「やだ〜真っ赤になっちゃって。結構うぶなのね。可愛い!食べちゃ

     いたいくらい。」

 レージ「お前、性格変わってねーか?」

 カオル「やだっ、お前なんて言わないで。カ、オ、ル、ちゃんって呼んで!」


冷やかしながら、ミキをぎゅっと抱きしめるとレージが今度は真っ赤になって

反論してきた。


 カオル「レージったら可愛い。ミキちゃん取られるとでも思った?」

 レージ「いい加減に揶揄うのはやめてくれ!」

 カオル「怒らない、怒らない〜、って…あら?」


カオルの胸にぎゅっと抱きしめられていたミキが目を回して倒れ込んでいた。


 カオル「刺激が強かったかしら?本当に可愛いわね。」

 レージ「ミキちゃん!大丈夫?」

 ミキ 「???」


混乱したようにふらふらしていた。

女性の柔らかい胸の感触が伝わって来ていて目の前が真っ白になったのだった。

街へ戻って休ませると、レージがカオルを近づかせないようにしてくれていた。


 レージ「もう、カオルはミキちゃんに触るな!」

 カオル「あら〜やだっ。でもこのゲームって中身男って事もあるわよ〜、ミキ

     ちゃんはどっちかしら?」

 ミキ 「えっ…」

 レージ「どっちでもいいよ。ミキちゃんは、ミキちゃんだから!」

 カオル「へー結構気に入ってるんだ〜。ま、また会いましょ。なんか私ってお邪魔

     虫みたいだし」


そう言ってレージとミキを二人にすると、帰って行ってしまった。


 ミキ 「あのっレージさん…私実は…」

 レージ「いいよ。ごめんね。カオルって結構いいやつなんだけど、こっちではあー

     ゆーキャラで行くみたい。」

 ミキ 「うんん、大丈夫。ちょっとびっくりしちゃっただけだから…」

 レージ「俺さ、見た目も平凡だからさ、リアルの事をどうこう言うのって好きじゃ

     ないんだ。気を悪くしたらごめんね。」

 ミキ 「そんな事ない…私は…人と話すのが苦手で…友達も出来なくって…」

 レージ「じゃー、友達になろう!俺で良ければ悩みとか相談に乗るよって男の俺じゃ

     嫌かな〜はははっ」

 ミキ 「嫌…じゃない!嬉しい…」


咄嗟に嬉しそうに笑いかけてくるミキにレージは真っ赤になりながら頷いた。


 レージ「これからもよろしくな!なんか…照れるな〜」

 ミキ 「うん…」

 レージ「依頼受けてこよーぜ!」

 ミキ 「うん。」


照れ隠しのようにギルドに依頼を受けに行く事にする。

何気なしに手を差し出してしまい、戸惑っているとその手をミキが握ったのだった。

手を繋いでギルドに向かう最中ずっと周りの視線が痛かった。




依頼はもちろんスライムとゴブリンの討伐。

一番簡単でその日のうちに終われるクエストを選んだ。

あとはその近くで終われる採取クエストだった。


 ミキ 「今日も順調にレベルも一個上がりましたね。」

 レージ「あぁ、コツコツ上げていけばいいしな。ユウヤさんとはどうなの?

     えーっと変な意味じゃないくて…仲良さそうだったし。」

 ミキ 「あぁ、家族だから…友達もうまく作れないからって、色々教えてくれて。

     いつもすっごく感謝してるんだ〜。レージさんってなんだか話しやすい」


ミキはにっこりと微笑むと本心でそう思っていた。


 ミキ 「みんな、レージさんみたいな人だったらいいのに…」

 レージ「リアルは辛い?」

 ミキ 「大丈夫。ねーちゃ…ユウヤがいてくれるし、あんまり心配ばかりかけて

     られないから」

 レージ「強いんだね。いいよ、いつでも頼ってくれて。相談にならいつでも乗るから」


クエストを片付けながらユウヤと来たダンジョンに2人きっりで挑戦すると時間はかかっ

てしまったが、それでもなんとかクリア出来た。


 レージ「よし、ここならなんとかクリアできるようになったな!ミキちゃんの魔法

     すっごく頼りになるよ。」

 ミキ 「そんなぁ…嬉しいです。」

 レージ「敬語!なしね」

 ミキ 「あっ…そうだった…そういえばクラスの子とちょっとだけ話せたの。レージさん

     のおかげかも。」

 レージ「よかったじゃん。どんどん自分から話せるようになろう!ミキちゃん可愛いんだし

     きっと人気者になれるよ。」

 ミキ 「えっ…」

 レージ「あ、ごめん。アバターとリアルは違うんだっけ。気にしないって言ってたのに、

     ごめんね。」

 ミキ 「う…うん。」


(性別も違うなんて言えない…どうやって切り出せばいいんだろう?)


 ミキ 「あっ…あのねっ」

 レージ「次、モンスターきたぞ!」

 ミキ 「う、うん。」


そうこうしているうちに時間も過ぎ言えないままクエスト報酬を換金し分け合うと

ログアウトした。


 俊  「また…言えなかった…」





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