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友達

昨日掃除当番を押しつけた井上淳は池田礼司お礼とばかりに写真集を

手渡した。


 井上 「どうだ〜俺のオススメだぞ!こっそり抜くのに使ってるんだ!」

 池田 「えっ…こんなの学校に持ってくるなよ!」

 井上 「遠慮するなって、コレちゃんとあげるからさ!」


そう言って渡されたのはグラビアアイドルのヌード写真集だった。

返そうにも受け取らないのでそのまま鞄の中へと隠した。


 河合 「何なに?あー、それ井上推しのやつだろ?」

 西村 「あー、それな!俺も前に学校で貰ったわ。つーか学校持って

     くるなって」

 池田 「これ、どーすんだよ」

 河合 「貰っちゃば〜。うちにもあるけど、結構お世話になってるぜ」

 池田 「どーいう意味だよ!」

 西村 「まっ、今日は持ち物検査がない事を祈れって感じだな」

 池田 「あったら困るわ!」


ホームルームの為に先生が入ってきた。

高橋先生「席につけよ〜。出席をとるぞー。麻生!」


 麻生 「はい」


全員を読み上げると1限目に入る。

休み時間に入ると担任は決まって職員室ではなく自室に篭る。

その理由はパソコンでゲームに入る為だった。

ドラエグにログインすると可愛い子をナンパする為だった。

女以外のプーレヤーは興味なし。生徒に手を出す訳にはいかないので、

ゲーム内でなら、ナンパし放題なのである。

給料を注ぎ込んだだけあり、レベルも武器、装備も良いものを揃えて

いる。


高橋先生「昨日の子可愛かったんだけどな〜、邪魔が入ったのがムカ

     ツクな〜。帰りにでも持ち物検査やるかな〜。」


そう一人で呟いていた。




 西村 「池田〜。ちょっといいか?」

 池田 「なに?」

 西村 「一応さっきの下駄箱に隠しといた方がいいぞ。さっき高橋の

     機嫌悪かったから帰りに持ち物検査しそうだしな!」

 池田 「分かった、今から持ってく。」


席を立ち上げると包みで隠しながら下駄箱へと向かう。

西村と話しながら隠すと教室へと戻った。


 西村 「ドラエグやったか?面白いだろ?」

 池田 「あぁ、毎晩やってる。西村もやってるんだっけ?フレンド申請

     しないか?」

 西村 「ふっふっふ。聞いて驚け!女子アバターでやってるんだぜ。結構

     自分好みでマジ可愛いから。見て驚くなよ。それと俺さギルド入

     ってるんだけど、女子で通してるから気をつけてくれよな!」

 池田 「はははっ。了解。俺はレージって名前だから。」

 西村 「おっけ、帰ったらフレンド申請送っとく。今ってソロか?」

 池田 「あっ…いや、いつも一緒に狩りをしてる子がいるけど…」


池田が目を逸らすのを見ると、西村はハッと気づいたようにニヤニヤしてきた。


 西村 「可愛い子でも、できたか?」

 池田 「いやっ…ただのゲームの仲間だよ。」

 西村 「女の子なんだろ?」

 池田 「わからないけど…多分。」

 西村 「ほほ〜。今度一緒に狩りに行こうな!」

 池田 「俺の判断じゃ…聞いてみないと…」

 西村 「じゃー。決まり!聞いておいてくれ!礼司、お前ハーレムだぞ?」


そういうと、教室に入って行った。

西村に教えて貰ったゲームだが、今はミキと二人で楽しみたいという気持ちが

どうしても離れなかった。


 池田 「ミキちゃん、嫌がるかな〜」





授業も終わりホームルームで案の定、持ち物検査が行われた。

西村の言った通り隠して置いて正解だった。


高橋先生「今から持ち物検査をする。机の上に鞄の中身を全部出せよ」


順番に中身を出して検査された。

もちろんやましいものなどないので難なくおわった。


 井上 「池田〜大丈夫だったか?」


終わってから、こっそりと井上淳が聞いてきた。


 池田 「心配するくらいなら学校に持ってくるなよ!」

 井上 「わりぃ、わりぃ。だって昨日掃除当番代わって貰ったしさ」

 池田 「そんなに怖がるほどじゃないぞ。佐藤だって悪い奴じゃな

     いだろうし」

 井上 「池田お前知らないのかよ。転校早々3年の奴ら全員ボコった

     んだぞ!ありゃやばい奴だって。」


声を潜めて話してくるが狭い教室では誰もが聞こえてしまう。

本人にさえ聞こえているだろう。

気まずいのかなにも言わずこちらを見ると、教室から出て行ってしまった。


 池田 「それ、噂だろ?勝手に話すなって。」

 河合 「それ俺も聞いた!あれ…そういえば井上から聞いたかも」

 池田 「信憑性ねーじゃん。」

 西村 「まぁ、噂なんて当てにならないだろ?だがな〜とっつきにくいのも

     あるんだよな〜。佐藤ってさ、誰とも話さねーしな。」

 井上 「だーかーらー。俺らをビビらせてるんだって!」

 西村 「ビビらせてどうすんだよ!」

 池田 「まぁ、まぁ、落ち着けって。俺さ多分悪い奴には見えねーんだよ。多分

     話す機会がないだけじゃないかな?」

 井上 「こえーじゃん。俺は近づきたくねーよ。殴られたくねーし。」

 西村 「まぁ、この辺で帰ろうぜ!ゲーセン寄ってくか?」

 井上 「お、いいね。」

 池田 「ごめん。先帰るかな。」


そういうと、西村にだけこっそりと小声で話した。


(ドラエグやりたいからさ。あとで申請よろしくな!レージで入ってるから)


それだけ言うと、友達に手を振り別れた。

急いで家に帰ると、軽く食事を食べるとゲームを立ち上げたのだった。



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