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冒険へ

ドラゴンズエッグいわゆる、ドラエグと呼ばれるゲームが発売され

発売初日には大勢の人が買いあさり、誰もがVRの世界を楽しんだ。

VRと言っても、パソコンでキャラメイクをしてその後はコンソール

を装着してプレイする形式で、頭からかぶるヘルメット的な形をし

ていた。

隣から声が漏れれば、聞こえてしまうので、完全防音ではない。

ゲーム中も声をかけられれば聞こえるし、体を揺すられれば、分かる。

ゲームの中で彼女を探す人間もある程度いて、やっている人口が多い分

知り合いに会う可能性も意外と少なかった。

課金要素があるゲームの為、社会人のプレーヤーはどうしても有利とし

か言いようがなかった。


 沙耶 「ね〜俊。最近発売したゲームやらない?」

 俊  「ドラエグだろ?買う金ねーよ。ってか、勝手に入ってくる

     なって」

 沙耶 「いいじゃない?家族なんだし〜。実は俊の分も買っておいた

     のよね〜。しかもアバターも作っておいたわ。」

 俊  「え…!マジかー。やるやる」


沙耶に言われ、パソコンに接続し初期設定のされているゲームヘとログイン

した。

横から姉の沙耶の声がして、色々と説明してくる。

動かし方など、細かな操作はやってみないと分からないのでやりながら説明

を聞く。


 沙耶 「いいでしょ?もう発売されてから結構経つから課金プレーヤーとの

     差は結構開いてるけど、それでも楽しめるわよ。」

 俊  「うん。え〜っと、名前はっと…ミキ?容姿は…!!なんだよこれ!」

 沙耶 「それ出すの結構苦労したんだからね〜。初期のアバターはリセマラで

     色々と変えられるんだけど、このアバターだけ特殊効果あるのよ。

     経験値の入りが異常に高いのよ。あんたってコマンド覚えて的確に打

     てたわよね?だったら、魔法職で後衛でデカイのかましてもらおうか

     なって。失敗したときのペナきついけど。できるでしょ?」

 俊  「ちょっ…ちょっと待って。俺まだ始めたばっかだって!」

 沙耶 「大丈夫よ。私の弟だし。」

 俊  「どんな理由だよ!」

 沙耶 「それに…女性のアバターってだけで、結構いいのよ」

 俊  「はぁ?」

 沙耶 「さぁ、始まりの街でチュートリアルやってみなさいよ。じゃ、

     私はこれで」

 俊  「マジか…コミュ障だっての忘れてるだろ?」


俊はそのまま進めていく。

街に出ると、ギルドの一画に出た。

目の前に鏡があって、そこには可愛らしい猫耳をつけた子が立っていた。

左右を見てもそんな子はいない。溜息をつくとじっくりと眺めた。

どう見ても、自分のアバターのようだった。初期ローブにしてはかなり

可愛かった。

杖はただの枝の様な物だったが、アバターに関しては時間かけて作った

のだろう。


 ミキ 「まぁ、いいか。見た目なんて見ねーし」


そう言いながら振り向くと周りの視線を一心に集めていた。


 モブ 「ねーどう?お茶でも、おごるよ」

 モブ 「初心者だよね?アイテム分けてあげようか?うちにきなよ」

 モブ 「いやー。可愛いね。何か欲しいものがあったらあげるよ。

     この後どうかな?」


それぞれに勧誘なのか一斉に近づくと、自分の主張を言い始めた。

俊は慌ててギルドから逃げる様にその場を離れた。


 ミキ 「なんなんだよ、やべっ…まだギルド入ってねーや。どう

     すっかな〜」


さっきの迫力に押されて、どうしても戻る気にはなれなかった。

そのまま森の方に移動すると、綺麗な現実世界の様な森が広がっていた。


 ミキ 「本物みて〜だな〜」

 レージ「危ない!」

 ミキ 「えっ…うわっ…」


真横を鋭い角を持ったウサギがものすごい勢いで通り過ぎていった。


(おいおい、あれに直撃してたら…即死だよな…)


ウサギが来た方角を睨みつけると、そこには自分と同じく初心者装備の青年

が立っていた。


 レージ「ごめん〜、追いかけてたら逃げられちゃって。怪我はない?君は

     初心者…じゃないよね?」

 ミキ 「初心者です。さっきログインしたんです。」

 レージ「そうなんだ〜、なかなかゲームが手に入らなかったんだよねー。

     よろしくね。僕はレージ、剣士だよ。」

 ミキ 「お…私は…魔法使いです。」

 レージ「よかったら、一緒に狩りしない?同じ初心者ってのもなにかの縁

     だしさ〜、あ!嫌ならいいんだ。」

 ミキ 「ぷっ…いいですよ。私も、一人でまだ何も分からないので」

 レージ「これから、よろしく。えーっと…」

 ミキ 「ミキです。レージさん。」


ゲームを始めて、初めて友達ができたのだった。一旦ギルドホールにも一緒

に来てもらって、パテ登録も一緒に行った。周りからの痛い視線はレージが

全て背負う事になっていた。

始まりの街のすぐ横にある森のクエストを受けると、一番弱いスライムとゴブ

リン退治を請け負った。


 ミキ 「よかったです。一人じゃ何もできなくて」

 レージ「ミキちゃんのおかげで倒しやすくなってるから、助かるよ」

 ミキ 「また、来ました!眠りの霧よ!スリーピング・ミスト!」


こちらに向かって来ていたゴブリンの動きが鈍くなり獲物を落とすとゆっくり

とその場に蹲る。その隙にレージが斬りかかり仕留める。

仕留めると、お金とアイテムがドロップする。





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