神産の聖女は魔に堕ちていく
「フリーナ=サクリファリナ公爵令嬢っ。貴様との婚約は今この場で破棄させてもらう!!」
それは王家主催のパーティーでのことだった。大陸を二分する大国の第一王子にして次期国王が婚約者であるフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢へと大喝したのだ。
「それは、なぜでしょうか?」
未だに大陸を二分する『もう片方』との関係は停戦──つまり些細なきっかけで大陸全土を巻き込む戦争に発展しかねない緊張状態であるからか、豪華に着飾った服の上からでも鍛え上げられていることがわかる第一王子の言葉にフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は静かにそう問いかけていた。
そう、慌てることなく冷静に。
あくまで政略的、いいや軍事的な意味のある婚約だったからこそ波風立てないよう一定の距離を保った関係だった。彼との間に恋愛感情なんてなかった。
冷静に、それでいて『この後』のことを考えて笑みを浮かべそうになっているフリーナを放って状況は進んでいく。どこか自分に酔った、自信満々な第一王子の宣告だけがパーティー会場に響く。
「なぜ、か。それは貴様が一番わかっているはずだろう! 貴様はアイヒ=アンティアラ男爵令嬢に対して嫌がらせを行ってきた!! 下々の者を守るどころか傷つけるような者が私の婚約者であっていいだろうか。いいや、良くない!!」
「アイヒ=アンティアラ男爵令嬢に対する嫌がらせ? 彼女とは社交辞令をいくつか交わした程度です。そのような相手に嫌がらせなどするわけがありません」
「ハッ、よく言う!! 大方、私に気に入られているアイヒに対する嫉妬から醜い行動に出たというところだろう。アイヒから全て聞いているのだ、言い逃れなどできないと知れ!!」
何やら一人で盛り上がっている第一王子の横で小さな女がコソコソしていた。前に出ることはなく、しかして第一王子の服の端をそっと握るその女。庇護欲を誘う彼女こそアイヒ=アンティアラ男爵令嬢であった。
第一王子に何を囁いたのかは知らないが、こうして盛り上がっているところを見るに自分をかわいそうな女の子と見えるよう好き勝手捏造したのだろう。男というのは大なり小なりか弱く可憐な女の子を守るヒーロー願望を待ち合わせているものなのだから。
それにしても、軍事的な婚約を破棄しようなんて思い立つほどの熱量を生み出したのは驚嘆に値するものだ。嫌がらせがあったなどという嘘を男爵令嬢の言ならと信じ込ませるくらいだというのだから。
その優れた才能ももっと別の使い方をしていればこんなどうしようもない騒動にならず、『この後』も平穏に過ごせていただろうに。
「殿下、もし仮に嫌がらせとやらが本当にあったとしましょう」
「ふんっ。やっと認めたか!」
調子に乗っているその顔が腹立たしいことこの上なかったが、ぐっと我慢してフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は続きを口にする。
何かを確かめるように。
「『神産の聖女』としての先天的な才能を後天的に調整したわたくしと『偉大なる覇者』である王の血がなければカミサマの化身たる子をつくることはできません。軍事的、そうこの国をあらゆる外敵から守るためにはわたくしと殿下の婚約は必須だと思うのですが」
──それは遥か昔から脈々と続いてきた儀式だった。
『偉大なる覇者』、すなわち王の血を依代として『神産の聖女』、すなわち試練に打ち勝つ胎を持つ女を用意した上で然るべき儀式を行うことで神威なりし力の一部を宿すカミサマの化身は現世に降臨、あらゆる外敵からこの国を守ってきた。
そのカミサマの化身は一定期間で自壊するので、何度も何度も繰り返すことで国家防衛を維持してきたのだ。
加えるならば『偉大なる覇者』は王家の男系なら誰でもいいが、『神産の聖女』はそうはいかない。
何せカミサマの化身をその胎で受け入れる先天的な才能と後天的な調整が必要なのだ。その時代において一人か二人程度の確率を潜り抜けた上で後天的な調整を受けているのは現在フリーナ=サクリファリナ公爵令嬢のみ。
ゆえに、彼女は己の宿業に立ち向かってきた。
人間の想像力の埒外にあり、発狂や即死なんてものでは済まない苦痛を招く神産という宿業。当人にしか理解不能なれど、あえて表現するなら死んだほうがマシなほどの痛みに耐えてはじめて国を守護するカミサマの化身を産むことができる。
そう、その苦痛は計り知れず、カミサマの化身を産む前に肉体には一切の傷がなくともショック死することだってあり得るのだ。
そのためカミサマの化身をきちんと出産できるよう『神産の聖女』は幼き頃よりたかが人間が与えられるレベルの苦痛など表情を変えることなく耐えられるよう繰り返し傷つけられることなんて序の口。精神的に痛みに鈍感になるよう大規模にして使い捨ての儀式場を用意して精神的に一度『壊した』上で望む形に組み直してもいる。
予備を用意できないほどに多大な予算を投じて組み上げられた使い捨てせざるを得ない儀式場さえも用いて国家規模の調整を受けたフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢でもたった一人カミサマの化身を産むことができるかどうかなのだ。今更ぽっと出の男爵令嬢を持ち出してきたところで軍事的な観点から婚約破棄なんて成立するわけがない。
そんなこと、第一王子が望んでも国家上層部が認めるわけがない。
だから。
しかし。
「だからか弱き女を、可憐なる乙女を傷つけていいと? 馬鹿めっ。そのような腐れ果てた論理を通すほど私は甘くない!!」
「では、どうすると? わたくし個人の意見でよろしければ是非に破棄してくださいと言いたいところですが、軍事的にそれは不可能なんですよ?」
大国が大国たる要はカミサマの化身にある。敵国の軍勢も魔獣も自然災害さえもカミサマの化身がほんの少し力を振るえば瞬く間に粉砕される。人の世のパワーバランスなど、神の世の理の前では平等に脆弱なのだから。
ゆえに大国の守りはカミサマの化身に依存している。それこそカミサマの化身を取り上げられれば悪評の塊である『もう片方』に蹂躙され、国そのものが崩壊するほどに。
貴族として、そんなことは容認できない。
そのために必要なら己の肉体さえも捧げなければならない。
生まれながらに背負わされた宿業を、しかしフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は仕方がないと受け止めていた。それが貴族だから。そういうものだから。
だから、物心ついた頃には苦痛に慣れるための日々を送っていたって当然と思っていた。そう望まれてきたから。
逃がれることなんて許されないと思ってきた。今までと同じように『神産の聖女』が使い潰されれば皆が平穏に過ごすことができるのだ。たった一人の犠牲で大勢が助かるのならば、それは素晴らしいことに決まっているから。
そう、『あの日』までは思ってきたのだ。
「ふん! ではここで貴様に倣ってもしもの話をしよう」
だけど。
「もしもカミサマの化身を貴様以外の誰かが産むことができれば、軍事的、大勢の民を守るためという大義名分は霧散して潰えるよなあ!?」
「…………、」
唐突なその発言を、しかしフリーナは静かに受け止める。
そんな彼女の様子に気づいているのかいないのか、第一王子は追い討ちのように言葉を並べていく。
「そもそもカミサマの化身を産むには先天的な才能を持った者を尋常ならざる苦痛に耐えられるよう調整しなければならない、だったか。では、もしも、先天的な才能を満たした上で生まれながらに痛みを感じない女がいれば何の問題もないとは思わんか?」
それは決定打だった。
フリーナ=サクリファリナ公爵令嬢はもう第一王子なんて見ておらず、『この後』に想いを馳せていた。
そのことに気づいているわけもなく、第一王子は大仰に身振り手振りを交えて言い放つ。
「さて皆々様、ご注目! アイヒ=アンティアラ男爵令嬢こそ先天的な才能を持ち、生まれながらに痛みを感じない肉体を持つ真なる『神産の聖女』である!! 今までの聖女と違い、痛みを全く感じないアイヒであれば苦痛に壊れることなくいくらだってカミサマの化身を産むことができる!! 外敵から身を守る、なんてチンケなことを言う必要はない。圧倒的神威でもって全てを滅ぼし全てを手に入れることができるというわけだあ!!」
というわけで、と。
第一王子は突きつける。
「貴様を守る大義名分はもうどこにもない! わかったら今すぐ私の目の前から消え失せるがいい、この悪女め!!」
そうしてフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は衛兵によって力づくでパーティー会場から追い出された。それが、彼女の背中を押すことになったと、果たして第一王子は気付いていたか。
こんなにも予想通りだと、笑ってしまいそうだった。
ーーー☆ーーー
帰りの馬車の中でのことだった。
一人静かに目を閉じていたフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は馬車の中であって冷たい風が巻き起こるのを感じた。
目を開けると、対面で渦巻くは赤と黒。
やがてそれはある形へと収束している。
その男は見た目こそ人ではあるが、決して人にあらず。
漆黒のマントに同じく漆黒の鎧を纏い、腰まで伸びた黒髪がばさりと大きく広がる。血のように真っ赤な瞳がフリーナを見つめていた。
魔神イクスバルト。
かつての『大戦』でカミサマによって封じられたはずの堕ちた神である。
「くっはは! 吾の言った通りになったであろう?」
「ええ」
魔神イクスバルトとの出会いは第一王子との婚約が決まってしばらく経った頃のことだった。
突然、彼は夢の中に現れたのだ。
『くっはは!! これが今代の「神産の聖女」か。あのクソ野郎のお遊びに付き合わされるとはなんとも哀れよのう』
『何者、ですか?』
『魔神イクスバルト。「大戦」においてお主たちがカミサマと崇めるクソ野郎に敗北して、今の今まで封じられていた負け犬といったところか。もちろん負けたままで終わらないためにこうして復活したわけだがな』
夢の中は聖女教育という名の暴行の日々の中であって、唯一何の痛みもなく穏やかに過ごせる場所だった。
それは、彼が一緒だったことも手伝っていたのかもしれない。
彼と話している時だけが、フリーナ=サクリファリナ公爵令嬢にとって心安らぐ幸せな時だったから。
ある日、彼はこう語りかけてきた。
『カミサマの化身によって守ってもらう日々。果たしてそれは絶対の平穏なのかのう?』
『なん、ですって?』
『神様気取りのあのクソ野郎は上げて落とすのが好きだ。あえて守ってやることで「上げて」、国の守りがカミサマの化身頼りになったところでそれを取り上げて「落とす」といった具合にな。あれだ、一定期間を過ぎたらカミサマの化身が自壊するだったか。それなんていかにもな仕組みだしのう』
『ですが、何百年もカミサマの化身はこの国を守ってきました。上げて落とすためだけにそんなにも長い時をかけるものでしょうか?』
『人間にとっては長くとも、カミサマにとっては違う。神族と人類の感覚に隔たりがあるのは当然のことだ』
だから、と。
魔神イクスバルトは言う。
『あのクソ野郎は遊び感覚で好き放題する。その場にあるものを利用してな。だから、そうだな。お主は第一王子から婚約を破棄され、「神産の聖女」の座は男爵令嬢に奪われるだろう。そこからこの国は「落ちる」のだ』
彼は語る。
まさしく今回の婚約破棄騒動を。そして、その先の『落ちる』展開を。
男爵令嬢は痛みを感じない肉体を持つ。
だが、そもそも神産の苦痛は肉体的なものにあらず。
それは『神産の聖女』としての後天的な調整を考えてもわかるというものだ。何度も何度も痛めつけて痛みに慣れさせることは元より、痛みに鈍感になるよう大規模な儀式場を用意して精神的に一度『壊した』上で望む形に組み直す必要があるのだから。
そう、精神的に壊して組み直す必要があるのは神産による苦痛が精神的なものであるから。人は時としてトラウマや辛い出来事によって精神的に狂うように、神産は精神的な苦痛でもって聖女を廃人と変えるのだ(それに対応する形で『神産の聖女』の調整方法が確立しているので、神産には精神的な苦痛が伴うということは判明していたはずだ。それだけが、時と共に消し去られた。おそらくは国家防衛を担い、何代も同一の意思を重ねてきたカミサマの化身によって時間をかけてゆっくりと)。
となれば、肉体的に痛みを感じないだけの男爵令嬢にカミサマの化身は産み出すことができず、精神的に壊れるのみ。そうなれば国家防衛を担う次代のカミサマの化身を産み出すことができなかったこの国は外敵によって滅ぼされることだろう。
……カミサマの意思が介在しているとはいえ、情報の制限だけでそこまで『落ちる』連中も連中である。
『吾はこの全てを利用してあのクソ野郎に復讐する。そのためにわざわざ復活したのだからな!! フリーナよ、協力してくれるか?』
『ええ、もちろん。それが貴方様のお望みならば喜んで』
『決して、流血なく済ませる気はないが、それでも?』
『わたくしに苦痛を押しつけて安穏と笑うだけの連中の命運よりも、貴方様のお望みを叶えるほうが大事ですもの。ええ、ええ、全てが流血と死に沈もうとも構うものですか。人としての正しさなんて、貴方様のお望みに比べればどうでもいいものですから。貴方様、わたくしに何をして欲しいんですか?』
それは、もしかしたら痛みに鈍感になるよう国家規模でフリーナのことを精神的に『壊した』上で組み直した影響だったのかもしれない。
であれば、全てはフリーナを『こうした』連中に返っているというだけだ。気に病む必要なんてどこにもない、と彼女は何の感慨もなくそう切り捨てた。
『く、くっはは!! そうかそうか。では遠慮なく使ってやろう。とはいっても婚約破棄までは流れに乗っかってくれるだけでいいし、その後はこの世界とは僅かにズレた「領域」内でフリーナのことは守るとして……そこからだ。上げて落とす気でいるあのクソ野郎を、己の思惑通りに進んでいると調子に乗っているところを落としてくれる!!』
それからしばらくしての今回の婚約破棄騒動である。全ては魔神の言う通りであり、おそらくは『クソ野郎』の思惑通りなのだろう。
そう、予定通りにフリーナ=サクリファリナ公爵令嬢は切り捨てられた。代わりに普通の『神産の聖女』であるフリーナと違って生まれながらに痛みを感じない肉体を持つ男爵令嬢が選ばれた。
痛みを感じない彼女はいくらでもカミサマの化身を産むことができる、という幻想に惑わされる形で。
馬車に揺られながら思い出を振り返っていたフリーナは正面を見つめる。
凍えるような威圧感に、しかしフリーナはあたたかな心地が胸に満ちるのを感じていた。
「さて、このままいけば男爵令嬢が神産によって精神的に狂い死ぬことになる。慌てた王家がフリーナを確保しようと動くだろうが、その頃にはフリーナは吾が領域の中だ。矮小な人間ごときがフリーナを連れ戻すことはできないから安心するがいい」
「まったく。カミサマの化身が生まれなければこの国は外敵に対する対抗手段を失うとわかっているくせに。悪いお方ですね」
「くっはは!! 魔神だからな!!」
「ですが、それで終わりではないのでしょう? 貴方様の目的はあくまで『クソ野郎』──わたくしたちが無邪気にカミサマと崇めていた存在に対する復讐なのですから」
「まあな。カミサマの化身を失ったこの国は外敵、というか『もう片方』の勢力によって滅ぼされる。それをあのクソ野郎はゲラゲラ笑いながら眺める、となれば、だ!!」
魔に落ちた邪悪なる神は言う。
邪悪に笑い、悪意を滲ませて、復讐を果たすために。
「外敵から吾がこの国を守り、カミサマの化身などいなくとも『落ちる』ことはないという展開にもっていけば、あのクソ野郎の悔しがる顔が見られるというものだ!!」
しばらくフリーナは何も言えなかった。
やがて彼女は小さく笑みを浮かべて、心の底からこう言った。
「そんな貴方様が、わたくしは大好きです」
「な、なんっ、なんとお!?」
びくびくびくう!! と先程まで悪の親玉とはかくありきといった具合に泰然としていた魔神が大きく肩を震わせて飛び退いていた。
馬車の上なので飛び退いたって壁にぶつかるだけの魔神にして最愛の存在へと、フリーナ=サクリファリナ公爵令嬢はゆっくりと距離を詰めていく。
「貴方様のお望み通り婚約破棄まで流れに乗っかりました。他にもお望みがあればなんだってしてあげます。わたくしの全ては、貴方様に捧げます」
ですから、と。
悪の親玉というよりはウブな男の子のように顔を真っ赤にした魔神イクスバルトへとフリーナは今まで我慢していた分まで存分に叩きつける。
「貴方様と共に生きる幸せをください」
「え、あ、その……く、くっは、くははははは!! いや、ええと、とりあえず今は復讐の時だからその話はまた今度なっ!!」
「逃げるんですか? 魔神ともあろうお方が?」
「う、うぐう!!」
「貴方様のお気持ちを聞かせてください」
そして。
そして。
そして。
「ま、ままっ、また今度ったら今度なあ!!」
その叫びと共にブッゥン! と魔神イクスバルトはその場から消え去った。そんな彼へと、フリーナは蕩けそうな口元を押さえて、甘く背筋を震わせながらこう言っていた。
「貴方様って格好良いだけでなく可愛かったんですね」
その後、男爵令嬢はカミサマの化身を産み出そうとして廃人になり、国家防衛を担うカミサマの化身が一定期間を過ぎたため自壊した瞬間大国は防衛力を失ったことで『もう片方』に攻め込まれ、王族を『もう片方』の軍勢に殺されたことで崩壊寸前の大国を魔神イクスバルトが守り抜き、ついに直接介入してきた『クソ野郎』を魔神イクスバルトが返り討ちにするのだが──そんなことよりフリーナと魔神の関係がどうなったかというと、
「貴方様。わたくしの全ては貴方様のものなんです。さあ、存分に好きにしてください」
「いや、その、それは、そのう!!」
「それとも、迷惑でしたか? 貴方様はわたくしのことなんて何とも思っていないですか?」
「そ、そんなことはない! 好きに決まっているだろう!!」
「……良かったです」
「ハッ!? ついこっぱずかしいこと言ったような!?」
「貴方様、お互いに同じ気持ちならば何を遠慮することがあるんですか。貴方様がやりたいことを、好きなだけやっていいんですよ」
「そ、それじゃあ」
「それじゃあ?」
「だ、抱きしめても、いいか?」
「…………、」
「やっぱり調子に乗りすぎたか? いやでもそこまで言われてはだなっ」
「やっぱり貴方様はかわいいでーす!! はいぎゅーっ!!」
「なあわぁーっ!! こ、これは刺激が強すぎるうーっ!!」
ゆっくりと、だが確かに仲を深めていくことだろう。