こぺっとの頭の悪い短編集について
2022/08/30 文章のおかしな部分を修正しました。この話自体がおかしいのはどうにもなりませんでした。
私は短編集を作ろうと思った。
私の頭には、いつもおかしな妄想が渦巻いている。何故その様なモノが頭の中に渦巻いているのか、何故そんなことを考えることに至ったのか、私はいつも覚えていない。
だが、生まれてしまったものは仕方がないし、私の脳内でただ腐らせ消えていくのも勿体ない。
ならば、このカオス渦巻く妄想に確固としたストーリーを与えて解き放とう。そう考えた。
一体誰特だろう。
そんな空しい考えも過ったが、100人いれば1人は自分と同じような人間がいるということをどこかで聞いたことがあるような気がしなくもないかもしれない。であれば、私の頭で展開されるおかしな話でも笑ってくれる人がいるのではなかろうか。
ということで、早速ここに書き綴ってしまおう。
これは朝食のウィンナーを焼いていたときの妄想だ。
時は戦国。ウィンナーの王国は武装した魚肉ソーセージたちに攻め込まれていた。魚肉ソーセージたちが海の底から地上へと進出してきたのだ。
魚肉ソーセージたちは過去、覇権争いに負けて海に逃れたソーセージたちの末裔だった。彼らは今、雪辱を晴らすために再び地上へと進出してきたのだ。
魚肉ソーセージたちは恐ろしく強かった。強襲を受けたウィンナー王国はまさに地獄絵図の様相を呈していた。
泣き叫び許しを乞うウィンナー。そんな彼らを寄ってたかって地面に押さえつける魚肉ソーセージたち。
魚肉ソーセージは笑いながらパリッ!っとウィンナーたちの腹を裂く。
悲鳴を上げるウィンナー。
「へっへっへ、良い音させやがる。これが粗挽きってやつか」
下卑た声で笑う魚肉ソーセージ。その手には魚のすり身。
自分の運命を悟ったウィンナーは「やめてくれ、やめてくれ!」と必死に懇願した。
しかし、魚肉ソーセージは嗤う。
「ああ、良い声で鳴くじゃねぇか。だがな――」
ああ、なんということだろうか。魚肉ソーセージはウィンナーの中身をブリブリと引きずり出し、その代わりに自らの持つ魚のすり身を詰め込んでいったのだ。
「ああ、あああ」
あまりの絶望に、徐々に声を無くしていくウィンナー。最後には静かに涙を流すだけとなった。
「よし、一丁上がりだ。次に行くぞ!」
額を拭いやり切った感を出す魚肉ソーセージ。次の獲物をギラついた目で探す。
「待て、残酷な行いはそこまでだ!」
しかし、そんな残虐な行いを止めるべく現れた一つの影が現れた。
それはサラミだった。
「ああ?なんだテメェは!?」
「シャッすぞ?あ?」
その堂々たる姿は魚肉ソーセージたちを逆上させ、滾らせた。襲い掛かる魚肉ソーセージたち!しかし、サラミの固く引き締まった身体に魚肉ソーセージたちの攻撃は通らない!
「クッ!一時撤退だ!」
「覚えてやがれ!」
サラミの固さの前に、捨て台詞を吐いて海へと帰っていく魚肉ソーセージたち。
「諸君、危機は去った!」
サラミは声を上げる。
「しかし、いつまた彼らが攻めてくるとも分からない。だが、安心したまえ。我々サラミは諸君らの味方である!」
ウィンナーたちによる、圧倒的サラミコール。
こうして一時的な危機を乗り越えたウィンナー王国は、国防強化のために友好国であるサラミ帝国との連携を強めるという政治的判断がなされた。
果たしてウィンナー王国はこの未曾有の危機を乗り越えられるのだろうか。
次回、魚肉ソーセージ再び、秘密兵器はマヨネーズ。
乞うご期待(嘘)。
「ふっふっふ」
私は笑った。実にバカバカしい。一体何が可笑しいのでだろうか、と言われれば、多分私の頭だ。
こんな話をいくつ作りあげたところで一体誰か読んでくれるのだろうか。
しかし、一人でも「馬鹿みたいだなぁ」と笑ってくれる人がいれば私は満足なのかもしれないし、そもそも、これは自己満足に近いものだ。そんなことを気にするのが間違いなのかもしれない。
フライパンの上でウィンナーが音を立てて弾ける。焼き過ぎた。
馬鹿馬鹿しい妄想を振り払い、私はコンロの火を止める。炊飯器の蓋を開ければ、ホカホカとした湯気が溢れ、炊き立てのご飯が艶めき輝く。
炊き立てのご飯をお茶碗よそうと、私はフライパンの上に転がったウィンナーを一つ、ご飯の上にのせた。
「いただきます」
幸せだ。
ところで、短編集を作るうえで、困ったことがある。短編というからには、短編として投稿した方が良いのか、それとも短編集として連載した方が良いのか。中々悩む物がある。小説を投稿する際にジャンルやらなにやらを設定する必要があるため、投稿する作品に制限が付きそうだ、と考えたのだ。
ご飯をモグモグと咀嚼していると、そう言えばシリーズというものがあったことを思い出す。もしかしたら白米には閃きを促進する作用があるのかもしれない。
とにもかくにも、私はこうして、しょうもない話を綴ることにしたのだ。