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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第3章 GWは東京に居残り
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3 GWは東京に居残り②

 三人で業平橋駅まで行って、スカイツリーの下見をした。スカイツリーはとても大きくて、真下から全てを見上げることはできなかった。


 そこで浅草まで歩いていって、全景を見て感動した。その後、雷門から仲見世通りを通って、浅草寺を見て回った。これぞ、東京の下町だ!…と感動していた。


 一通り浅草を見た後、秋葉原に移動した。移動中、大泉のことがなぜか話題に上がった。彼は地元でも合コン三昧なんだろうか…。それにしても、どうして入学当初からぶっとばしているのか。よく分からないと言うのが、三人の一致した意見である。


「飯倉さんは?」


「あの子は熊本へ帰ったよ」


「じゃあ、東雲さんも一緒に帰ればよかったのに…」


「熊本も広いからね…。遥は阿蘇の長陽って所に住んでいて、熊本空港から三〇分で帰れるけど、私は天草の御所浦って所に住んでいて、熊本空港から車と船で五時間はかかる。熊本空港から天草空港へ飛行機で二〇分だけど、それでも天草空港から車と船で二時間はかかる」


「東京なんて、電車で三〇分もすれば、埼玉や横浜に出られるのにね…」


 それにしても、矢島の引っ込み思案&内弁慶ぶりには本当に驚かされる。一度打ち解けてしまえば、三人の中で一番意外性があって、人格者なのは彼なのかもしれない。


 一方で、園村は人当たりの良さに隠された腹黒さが少しずつ気になるようになった。確かに対人能力は極めて高いだろう。誰とでも人見知りすることなく、良好な人間関係を築ける能力はすごいものがある。


 好きな人にはとことん興味を示すが、そうでなければ何も興味を示さない大泉や引っ込み思案の矢島とは違う。


 しかし、園村は常に人当たりがいいがゆえに、常に人を利用してやろうとする狡さがある。本人が自覚しているかどうかは分からないが、そう言うのは案外にじみ出るものがある。


 例えば、合コンでは大泉の女性に対する熱い思いを利用して、AKBコンサートでは矢島のおたく心を利用している。そんなことを考えたり、三人で何気ない話をしたりしているうちに、AKB48の聖地であるドンキホーテの八階に着いた。

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