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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第2章 偶然の出会い
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2 偶然の出会い②

 それにしても、偶然と言うのは続くものだ。共通教育と呼ばれている一般教養課程で私達は同じグループとして、体育と英語を一緒に受けることになった。


 生物資源科には六〇名の同期がいるので三〇人ずつ分けられるが、どうやら第二外国語で何を選んだかで分けられたようである。なんと、四人ともドイツ語を選んでいた。


 それも英語に似ているから何とかなるだろうと言う安易な理由である。二九人がドイツ語を選んでいた。残りの三一人がスペイン語、中国語、イタリア語、フランス語、韓国語である。五つの言語クラスがどのように別れているかは知らない。


「ねえ、遥ちゃん、今度、合コンしない?」


「イズミン、何人ぐらいそろえたらいい?」


「そうだね。こぢんまりと三人ずつでいいんじゃない」


「それはダメよ。三人だと園村君と矢島君を呼ぶでしょう。イズミンは…」


「あっ、ばれた…。まあ、矢島はごまかせるとしても、園村がね…、うるさいんだよね。『俺も呼べ』ってさ」


「仕方ないなあ…。あと三人は別の人で頼むよ。それなら、私も悠ちゃんと一緒に三人そろえるから…」


「ちょっと、待ってよ。私、そう言うの、苦手なんだって…。この前の新歓コンパも、強制でなかったら、行かんかったし…」


「もう、悠ちゃんは、せっかく御所浦島から東京に出て来ているのに、どうして、それを生かさないの? 私が同郷のよしみで声かけているんだからさ…。それに悠ちゃん、いい武器持っているんだから生かさないと…」


 何が同郷のよしみよ…。本当に余計なお世話だし…。そして、気安く人の胸を触るなよ…。飯倉遥いいくら はるかは女の子なのに、やたらと手つきがエロい。


 会うたびに胸を触ってくる。彼女がペチャパイだからだろうか。彼女とは同じ熊本出身だが、彼女の出身は阿蘇市だ。御所浦は天草地区だから、県内でも属する地区が異なる。


 東京だから、同じ枠で括られるけど、熊本県内ではまず一緒にされることはない。それに、男に媚を売るために慣れない共通語で話す姿は実に痛い。二人で話す時はバリバリの熊本弁で話すのに…。その姿を合コンに来る男どもに見せてやりたいぐらいだ。それこそ、ぶりっ子のお手本のような人である。


 それと大泉もどうも苦手だ。最初こそ、道に迷った所を助けてもらった義理があるし、人当たりもいいから頼っていた。


 しかし、あまりにも人当たりが良すぎて、どうもいけない。そこそこに甘いマスクを持っていることをいいことに、学科の女子に手当たり次第、声をかけている。


 そんなことばっかりやっていると、今に痛い目に遭うぞ。…と思うのだが、他の女子は彼に声をかけられるたびに、キャーキャー言う始末だ。あきれてモノが言えない。

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