表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第14章 秋桜祭
47/64

14 秋桜祭①

 十月も後半に入り、大学は学園祭シーズンを迎えていた。六本桜大学も学園祭である「秋桜祭」一色になり、話は模擬店や出し物のことで持ち切りである。また、他校の学園祭巡りをして楽しもうとする輩も男女問わずに多い。


 そんな中で、生物資源科では毎年有志が「水あめせんべい」と「きなこもち」の模擬店を出しているらしく、大泉と遥はそちらの実行委員になっていた。やっぱり、二人は根っこからの祭り好きである。


 私はそう言うのが苦手なので、当日に店の手伝いを申し訳程度にしてごまかすつもりでいる。それでも普段あまり話をした事もない人からも


「ちょっとでいいから、出店の準備を手伝ってくれない?」


と言われる始末だ。さらに、二年生や三年生とすれ違った時にも


「あなた、資源科の一年生よね。学祭準備よろしく!」


…なんて通りがかりに言われるほどである。それにしても、どうして、こんな面倒なことをみんな楽しそうにできるのか不思議である。


 私は自分がやりたいと思う事は、はまってやる方だが、やりたくないことは例え義理であってもやりたくない性質である。


 大泉や遥のように、こう言った事を楽しめる人は楽でいいな…と思わずにはいられなかった。大泉や遥ほどでなくても、せめて、矢島のようにうまい案配で折り合いがつけられる人や、馬術部が忙しいのにうまいこと合間をぬって、律儀に顔を出す園村のようになりたいものだ。


 分かっているのに、一人天同の会室で無駄な時間を過ごしている。最近は会室に置いてある会報には、ほぼ目を通し終えたのでただぼんやりと過ごす事が多かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ