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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第11章 大泉汀の迷走?
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11 大泉汀の迷走?③

 実は、大泉の意外な一面を見て正直驚いた。大泉をただのスケベで軟派な野郎と思っていたが、暦について語らせたら、まるで別人のようだ。


 確かに天文学と暦は切っても切り離せない関係にある。しかし、それについて分かりやすくかつ熱く語れたとしても、天文同好会で役に立つのだろうか?


 まあ、天同にいながら、天文学にも暦にも全く詳しくない私よりかは、よほど役立つのかもしれないけど…。仕方ない。ここまで来たら、次の話も聞いてやるか…。


 そうなれば、無下に大泉の話を断る訳にもいかなくなるだろう。天文同好会への入会の件も話すしかないな…。そんなことを考えながら、私は再びテーブルに戻る。


 遥に話したところ、個人的にはとても受け入れられないが、天文同好会は自分だけの物でないので、四谷さんと平尾さんがいいと許可すれば、大泉が入会しても文句は言えないと言う事であった。


 当然ながら、遥は私に対して「裏切り者」と言って来た。私は園村と矢島にはめられただけで、私も被害者であると弁解しておいた。


「こんな事になるなら、矢島なんか誘わなければよかったばい…。まあ、過ぎた事を責めても仕方なかね…」


 そう言って、渋々と大泉の件を受け入れたのであった。多分、四谷さんと平尾さんの性格や天文同好会の状況を考えれば、大泉の入会を許可しないと言う事は考えられなかった。


「古代エジプトで生まれた太陽暦は一年を三六五日で作られた物であったため、すぐに実際の暦とずれるようになりました」


「そうね、四年に一日ずれるから、百年で二五日だもんね。私も勉強したから知っているよ。それでカエサルが紀元前四五年に一年を三六五・二五日として、四年に一度うるう年を設けることにしたのよね。これでも当時としてはかなり正確だった」


「さすが、平尾さんですね。確かに当時としては、ユリウス暦はかなり正確でした。それでも四百年で三日ずれるので、十六世紀頃にはユリウス暦は実際の暦よりも十日ほども遅れるようになりました。そこでローマ教皇グレゴリウス十世は一五八二年、十月四日の翌日を十五日として、グレゴリオ暦に切り替えました」


 残念ながら平尾さんの目がキラキラ輝いている。それぐらい、大泉の天文と暦に関する知識はしっかりしていた。もちろん、平尾さんが私達の個人的な諍いを知る由もない。


「大泉君も、よく勉強しているのね。グレゴリオ暦とユリウス暦の違いは?」

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