10 都天文連合合宿①
八月三一日、私は遥と一緒に熊本空港から羽田空港経由で東京の六本桜大学に帰って来た。明後日から二泊三日ある都天文連合合宿に出るためだ。久々の東京…。
あまりにも夜の明かりがまぶし過ぎて目がチカチカした。東京は夜の町灯りが明るすぎるし、訳の分からないチカチカしたネオンが多過ぎる。
この一ヶ月、街灯が数えるほどしかない実家の御所浦島にいたため、目がすっかり田舎仕様に戻っていた。遥も同じような事を言っていた。それにしても、こんな所で夜空を眺められるのか…。
夏休みに入る直前、四谷さんと平尾さんから、費用は同好会から出すので、一緒に合宿に同行して欲しいと頼まれた。
私はタダで行けるなら、これほどありがたいことはないと思い、二つ返事で参加する事にした。さらに遥を誘う事にした。
遥は居酒屋のバイトを辞めてから、やる事がなくて時間を持て余していた。合宿の話をしたら、とりあえず合宿に出てみたいと言ってくれた。
天文同好会に入るかどうかは、合宿で決めるとのことだった。先輩達にそのように話したところ、それで構わないので是非連れて来てくれと言われたのである。
「大丈夫。都連合宿は絶対に楽しいから! 悠ちゃんも、悠ちゃんの友達も、きっと楽しめるよ。だって、都内のほとんどの大学から天文同好会が一同を会すのよ。だいたい八〇人ぐらい集まるから、いろんな大学の人と仲良くなれるチャンスなの!」
平尾さんが合宿前日のオリエンテーションでおっしゃっていた。オリエンテーションと言っても、望遠鏡や正座早見表、双眼鏡などの荷物をまとめて、行き先の秩父まで四谷さんの車で一緒に行く事を確認するだけだ。
天文同好会は基本夜しか活動できないので、出発は午前十一時と遅めである。ただし、行ってから顔合わせをかねたバーベキュー大会があるので、夕方には着かないといけないらしい。
六本桜大学はバーベキュー大会の世話役になっているため、着き次第準備に取りかからないといけないが、それぐらいどうって事はない。




