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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第9章 天草への帰省
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9 天草への帰省②

 高校の頃、吹奏楽部に所属していた私は、ほとんど男子との接点がなかった。それこそ教室では理系なので男子がたくさんいたはずなのに、女子だけで固まって行動していたほどだ。


 三人の兄以外との男性とは大学入学まで、ほとんど話すこともなかった。さすがにこのままではまずいだろうと思い、大学ではもっと男子と話そうと踏み込んだのに…。


 人は思ったほど、急には変われないようだ。飯倉遥のように、生まれながらにして男女関係なく誰とでも分け隔てなく話せる人がうらやましい。


 でも、この四ヶ月間で思い切って新しい世界に飛び込んだおかげでいろいろ経験できた。それはよかったと思う。進学校だったので、ほとんどの同期が大学へ入学した。それぞれの大学へ入った仲間が口々に同じようなことを言っていたのが面白い。


 ただ、恋愛に関しては大きな差が生まれているように思えた。それこそ、大学デビューをした友人がたくさんいた。カラオケに行ったり、お茶をしたりしながら、たくさんガールズトークをする。


 私の大学デビューはいつになるのかな…。こんな感じだから、もしかしたらデビューせずに大学卒業するかも…。ふと、そんなことを考える。


 お盆には次兄と末兄が御所浦島に帰って来たが、どちらも仕事の都合で三日ほどにて、それぞれ岡山と大阪に帰ってしまった。


 また、長兄は妻の敬子さんの実家がある新潟へ行かなければならなかったため、こちらには帰って来なかった。結婚をすると、自分の意志だけではどうにもならないこともたくさん出てくるらしい。嫁さんや相手方の実家の都合もある。長兄はメールで


『盆と正月ぐらいはみんなでそろいたいのに…。すまんな…』


なんて送信して来た。社会人になると、家族で集まるのも一苦労するようである。

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