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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第4章 利害関係の一致から始まる恋
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4 利害関係の一致から始まる恋①

 ゴールデンウィークも終わり、また日常が戻って来た。連休が明けてから、大泉が園村や矢島とあまりつるまなくなった。どうやら、彼女ができたらしい。男二人は口々に


「この、裏切り者!」


と茶化していたが、私は何一つ驚かなかった。あれだけ、あっちこっちの合コンに顔を出していれば、遅かれ早かれ交際相手ができると思っていた。


 ただ、相手が同じ学科の飯倉遥と聞いて、さすがにビックリした。あれだけ、合コンに顔を出しておきながら、同じクラスの同士と言うべき人と付き合い出すとは…。


 まあ、二人して、目をギラギラさせて合コンを企画していたから、ある意味目的が一致したのかもしれない。本当、男と女のことは分からないことだらけである。いや、実に奇妙で不思議に満ちている。


 そのおかげで、私の周りが静かになった。おのずと、園村と矢島と私の三人で過ごすことが多くなる。穏やかなことはいいことだが、このまま大学卒業まで三人で過ごすことになるかもしれないと思うと、さすがに不安になってくる。


 そこで私は遅ればせながら、入るサークルを探すことにした。すでに新歓の時期は過ぎていたが、一人でも多く入部させたいサークルは連休が明けてからも、未だに勧誘を続けている。


 私はできるだけ拘束時間が短い上に、いかにもゆるい感じの文化系サークルを探した。そして、文化系でありながら、野外での活動が多そうな天文同好会に入ることにしたのである。


 矢島はコンビニでのバイトを始めた。理由はAKB48の総選挙の投票券を一枚でも多く手に入れるために、新シングルの「真夏のSound Good」を大人買いするためだ。


 話によれば、高校の頃も学校にバレないようにバイトをして、AKB総選挙で前田敦子に貢献していたらしい。さすがに高三の夏から今まではバイトをしていなかったようであるが…。これからはAKBのためにバイトを頑張るらしい。


 今回は前田敦子が卒業するので投票できないが、彼は盟友の高橋みなみに入れようとか言っていた。さすがにマジか…と思ったが、一方で矢島らしいなと妙に感心させられた。AKBにはまっている人はみんな矢島みたいな感じなんだろうか?

 矢島と私が動き出したので、園村も何か新しいことを始めるためにサークルを探し出した。園村は常識人なので、ぶっ飛んだことはしないだろうけど、できることなら大それたことをして欲しい。その方が話のネタになると私は密かに思った。そんな訳で、授業以外では会う時間が減ったものの、授業ではほぼ毎日のように会う。この頃の私達三人は、授業が終わった後に五分ほどだけだが必ず近況報告をすることにしていた。


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