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頑張って享年38歳!

初作品です。宜しくお願いします


 一番記憶に残ってるのは同じクラスで仲の良かった梶間が学年のマドンナの越智美里と付き合った事。

 「俺達、親友だろ?隠し事なんかしやがったら承知しないからな」なんて笑って言っていたくせに、付き合っている事実を3ヶ月も隠してやがった。イケメン爆ぜろと思ったのは後にも先にもあれ一度きりだ。


 …そんなくだらない、誰にでもありそうな日常しか思い出せない自分はいわゆるライトノベルでいうところのモブなんだろう。





 そんな走馬灯のような回想は置いといて…




 ……ところで、ここは一体どこだ?





  ****


 …どうみても現実とは思えない景色が広がっている。具体的には…何も無い。どこまでも続く白い世界にほんとに何も存在しない。自分がそこに存在してるかどうかも…不安になる場所。


 「あ…やばい…なんか意識が薄れて……」

 「おぃぃぃぃぃ!!!勝手にどこかに召されないでくれるっ!?」


 ……めされる?…召されるってなんだ?俺はこのまますぅぅっと消えてしまうと気持ちいいと思うんだ。おばあちゃんもさ……きっと待っててくれる…俺おばあちゃん子だったから……あ、手振ってるよ。ばあちゃん!!!


 「ダメだからっ!!!今すぐここに戻ってきてっ!!!」

 「…んだよ。俺はあっちに行きたいんだよ」

 「いや…行くのは間違ってない!間違ってないんだけどねっ!」


 じゃあ…行ってもいいじゃないか…


 「行く前にねっ!ちょっとね!話を聞いてほしいんです!!」

 「…あ、そうか、俺死んじゃったんだな…」

 「今!?それ今なの!?そうだけどね!!そのまま意識なくなったらどこ行っちゃうかわかんないからね!!しっかり気を持って!!」


 死んだ人間に気をしっかり持てとは、随分無茶ぶりするやつだ………


 「………ん?」

 「何だろう…君を相手にするとどっと疲れがやってくるんだけど…」


 随分失礼なやつだな…


 「……なんだよ。この本全然参考にならないじゃないか。もっと動揺するとかさ、理解して転生の交渉してくるとかさ……何もなく召されそうになるやつなんてなんなんだよっ」

 「なんだその流行のライトノベルみたいな……」


 うん、目の前のやつが持ってる本のタイトルが「異世界旅行は良好w」だった


 「…普通に死んで転生もくそもないだろ」

 「………え?君どうやって死んだか覚えてるの??」

 「なんとなく?」


 別に思い残してる事もない。突然車に跳ねられたような衝撃もない…つまり寿命を全うしたはずだと思う……唯一記憶に残ってるのが梶間とか…ないわぁとは思うけどな!

 

 「…ちなみにプチ情報で梶間君は越智さんと115歳まで生きて、長寿記録を樹立して立派に天寿を全うしたよ」


 いらねぇプチ情報だな。


 ……イケメンクタバレ、リターンズ。夫婦で115歳って……おぃおぃ。


 「では…改めましてパンパカパーン!!!おめでとうございます!!」


 梶間のプチ情報の何を改めたらそうなるのか理解出来ないのだが


 「………はい?」

 「君は無事転生100回目を迎えられましたので、ここに表彰と記念品を贈呈いたします!!」

 

 ……転生100回??100回どころか1回しか記憶はないぞ


 「あ~、それはね。99回目は38歳まで無事天寿を全うしてくれたんだけど…」


 いやいや38で死ぬとか天寿全うじゃねぇだろっ!!


 「99回目の君はすっごい頑張ったんだよっ!!1回目から98回目はほんと見てて涙するというか……ほぼほぼ1歳未満で召されて…」

 「俺の魂生、どんな悲劇だよっ!?」

 「死亡フラグが乱立される中、立派に38歳まで生きてくれました」


 それ、もはや魂に刻まれる呪いレベルだよね?


 「おぉ、ナイス厨二発言!」

 「無自覚発言にあげ足とるの止めろ!!」


 自然に浮かんだ言葉が厨二なんて悲しすぎるわっ!!


 「いや~確かに君は魂レベル…ぶふっ、で…呪われてるんですよね~」


 …どうせなら思い切り笑ってもらいたい。中途半端に笑われると心の抉られ具合がヒドイ。


 「なにせ魂レベル…ぶふぉっ…で呪われてるもんですから、ぐふっ…このまま地球で転生を繰り返しても、魂がね…ひぃひぃ…普通は磨耗するだけのはずなんですけどね」

 「………」

 「…せっかく100回も壊れる事なく鍛錬された上物魂ですので、違う世界に持っていってどうなるか試そうと神族会議で決定されまし…イタイっ!!」


 とりあえず目の前のやつに脳天チョップを叩き込んでみた。


 「突然なんですかっ!?」

 「…なんとなく」

 「神なのに扱いがヒドイっ」


 




 ………あ、神だったんだ。


 「ヒドイっ!!」と叫びながら、白い世界を走りさる自称神?に若干ウンザリしつつ、いつになったらばぁちゃんの元に行けるのか一抹の不安にかられるのであった

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