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如月と彼女

「はぁ……」



頬杖をついて、窓の外を眺める。

SHRを終えたら、放課後が来てしまう。



「どうしたの?」



振り向くと、そこにはクラスメイトの如月 瀬羅が立っていた。

白河さんと比較すると見劣りしてしまうが、単品ならかなり可愛らしい。ショートカットで目は大きく、華奢だが運動神経が良さそうな容貌である。実際かなり良くて、中学時代所属していたサッカー部が全国大会で優勝し、そのときキャプテンを勤めていたというのを聞いたことがある。

サッカー以外にも、空手や体操、水泳など様々なスポーツで輝かしい成績を残している。

しかしながら意外にも彼女はゲーマーで、俺と趣味が合った。実生活ではこんなに冴えない男子高校生だが、ゲームの世界では俺は立派な勇者様なのである。容姿もスポーツも敵わないが、ゲームでなら誰にも負けないんだ!

……なんの自慢にもならないが。

ゲームの話で盛り上がり、それから俺たちは自然と仲良くなってゆき、今ではクラスメイトの女子で一番仲がいい(というより、他に女子の友達がいない)。



「浮かない顔しちゃって。もうすぐ放課後じゃないの。あなたの大好きなゲームが出来るのよ?まぁ、私も大好きだけど。今日こそは負けないからね!」



「いや、如月……それどころではなくて……」



相談したくて仕方ないが、何しろ、あの白河琴莉に十八禁的な香りのする部屋に呼び出されているのだ。恥ずかしくて口に出せない。


だが、思い切って口に出した方が楽になれるのかもしれない。


意を決して、俺は口を開いた。



「実は、隣のクラスの白河さんに呼び出されて「ああ、琴莉に?あなたもあの子の餌食になるのねー。餌食同士仲良くしましょ」



かなり勇気を出して言った言葉を呆気なく遮られた上、なんだか問題発言!?



「餌食……って……!?」



「言葉通りの意味よ。え、じ、き」



意味が分からない。雲の上の存在のはずの白河さんを如月が親しげに呼ぶことにも驚きだが、餌食という刺激的すぎるワードが飛び出してきた。



「どうせ生徒会室でしょう?放課後私も行くから、あなたも一緒に行きましょ」



そこで予鈴が鳴り響き、俺たちは各自の席に座った。

頭が混乱する。

身近な如月と白河さんが、見えないところで繋がっていたなんて!餌食ってなんだ!餌食ってなんだ!餌食ってなんなんだ!?


一体、どういうことなんだ?

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