第2話
次の日の朝、私は寝坊してしまって、大急ぎで会社に向かっていた。
昨日の夜も遅かったのに、大好きなアイドル番組を見過ぎたせいだ
「ああ、でも昨日の丸井君もイケメンだったなぁ。私の周りにはあんなイケメンいないもんね~」
といつも言っているようなことを呟いていると、ふと、あの傘を貸してくれた人ー龍星さんの事を思い出した。
「あのホストクラブに行ってみようかな!龍星さんを見れるかもしれないし。あ、でもホストクラブって確か高かったよね。どうしようかなぁ」
そうこう独り言を重ねている内に、会社についていた。
私の部署へまた走りだし、ドアを開けると顔を赤くした編集長が立っていた。
「圭織君!!君遅かったじゃないか!」
私はすかさず、頭を下げた
「編集長!本当に申し訳ありませんでした。以後、気を付けますので」
私の必至の反省を見て、編集長は赤かった顔を少し冷ましてくれて
「わかればいいんだよ!わかればね。それじゃあ、今日もよろしく」
「はい、精一杯頑張らせていただきます!!」
そして、私はやっと自分の席に座ることができた。
私の仕事は、この会社「Happy Books」の編集者で、今はカフェの記事を担当している。
そういえば、今日は14:00からカフェの取材が入っていたよね。その前に昨日までのところを終わらせなきゃね。とスケジュール調整を行い、仕事に励んだ。
13:30になったので、会社を出てカフェへと向かった
カフェにたどり着き、お店の中へ入って、「Happy Booksから取材に来ました神崎です。」
と店長さんに声をかけると、こちらを振り返り
「あ、神崎さん。早かったですね。外は厚かったですか?」
「そうですね~。今日は一段と暑いですね。ですが、このカフェはとても涼しいので快適です」
「はは、それは良かったです。それじゃあ、座って待っていてくれますか?冷たいものをお持ちしますので」
そう言って、店長さんは、厨房に入っていった。
10分後
「お待ちさせてしまって申し訳ありません。お客様が一気に入ってきてしまって」
「あ、大丈夫ですよ。そちらはもう大丈夫なのでしょうか?」
「はい、一区切り付きましたので大丈夫ですよ。取材ってどういうことを聞かれるのですか?」
「あんまり緊張しなくても大丈夫ですよ。そうですね~。このカフェでおすすめしたいメニューやこだわり、などを聞かせていただければ」
「わかりました。おすすめは・・・」
「店長さん、本日はどうもありがとうございました。記事を楽しみにしておいてくださいね。」
「こちらこそ、こんなカフェを取り上げていただき、本当にありがとうございます。」
「いえいえ、このカフェは本当にいいカフェだと思いますよ。胸を張って下さい」
私は取材を終えて、会社へ戻った。
まさか、2時間半も取材することになるとは思っていなかったが、よく知れたから良かったな
そう考えながら、また自分のデスクに座り、取材前にしていた作業を再開した。