表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lady Devil  作者: アキラ
13/16

第12話

「あ、それじゃあこの席に」


龍星くんが手で席を指している。


それは黒に赤が少し混じったようなソファに、小さなテーブルが前にあった。

私はその席に座ると、鞄を隅に置いた。


「あ!!」


そんな自然な所作を取っただけなのに、龍星くんはなぜか申し訳なさそうにしている。


「ど、どうかした??」


そんな顔を見せられたら、どうしたのか聞かずにいられない。


「ごめんなさい・・・。手荷物は俺が持つべきでしたのに・・・」


(え?そんなことで?)


「だ、大丈夫だよ・・・。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」


沈黙の時が訪れる。


どうやらさっきの私の態度のせいで怖がっているのだろう。

なぜかびくついて、一言も話そうとしない。


(どうしよう・・・。このまま帰ろうかなぁ)


あまりにも退屈な時間に、席を立とうと思った。


その時・・・。


「はぁ~」


深いため息が聞こえてきた。

その声の主はすぐに分かった。


というか、あれほど鋭い眼光でこちらを睨みつけているので、すぐにその存在に気付いた。

眼鏡をくいっとしながら見ている。


(何か怖い人だな・・・。)


そんなことを思わず思っていると、まるでその声が聞こえていたかのように

こちらへ向かって歩を進めてくる。


その歩き方は異常なほどに洗練されていて、目が離せない。


「龍星・・・。お前という奴は。」


彼はいつの間にか私と龍星くんの側に来たようで、龍星くんはその声に驚いている。


「そこで見ておけ。」


その言葉と共に彼は私の向かい、龍星くんの隣に腰を降ろした。


「レディ。君の名前はなんというんだ?」


低音ボイスが私の耳の中を駆け巡り、頬に熱が溜まってしまう。


「か、神埼 圭織です///」


「そうか。圭織か。いい名だな。」


初対面の相手に下の名前で呼ばれた。

本来であれば嫌なはずなのに嫌じゃない。むしろもっと呼んで欲しい。


「俺の名は星斗だ。よろしくな。圭織」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ