Interlude actual world Ⅱ
「もう一冊読み返してみようかな? 時間はまだあるし……」
私は何冊かある日記帳を目を閉じてから一冊だけ取り出す。
「げっ!?」
女子としては失格の声をだすと、夏の空色の日記帳が手の中にあった、これはお兄ちゃんが中学三年生の頃の日記帳だ、私もお兄ちゃんと同じ学校に通えると喜んでいた無邪気な日々はあの先輩の登場で脆くもくずれさったのだ!
「うう、星奈先輩め……幾ら幼馴染だからって、お兄ちゃんに構い過ぎだよ!」
怒りと共に当時の事を思い出すと、また私は記憶の底に沈んでいく。
私が中学に入学して間もない頃、お兄ちゃんが小学校の頃から通っている道場に私も通う事になった、別に武道に興味が在った訳ではなく、ただ単純にお兄ちゃんと一緒に居たかっただけの不純な気持ちでの道場通いだった。
その道場はその道の人達からは有名らしかった、門下生多く、何より道場としての規模が物凄く大きかったのだ、剣道、弓道、柔道、空手、その全てを一箇所で学べる複合施設のような道場で、それぞれにきちんとした練習道場が個別にあり、北の剣道場、南の空手道場、西の弓道場、東の柔道場と分かれて存在していて、その四つの道場の中央にはこの道場主の沖田謙信さんが教える、剣術修練場があり、お兄ちゃんは其処で剣術を道場主直々に叩き込まれていたらしい、私も本当はお兄ちゃんと一緒の所で習いたかったのだが、洋お父さんとお兄ちゃんの猛反対を受け、普通に剣道を学ぶ事になり内心不満いっぱいだったが、道場の行き帰りはお兄ちゃんと一緒に行動出来る事で納得しておいた。
その頃のお兄ちゃんは、何か心此処にあらずみたいな感じで空を見ている事が多かったが、私はそれほど気に止める事もせず、お兄ちゃんと一緒に居れる喜びに無邪気に浸っていたのだ…
道場に通い始めて二ヶ月程経った頃だろうか、その日は私の方が速く練習が終ったので、お兄ちゃんを迎えに剣術道場に向かいながら乙女の嗜みを私はしながら。初めて入る剣術道場で一生懸命練習する格好良いお兄ちゃんの勇士を期待しながら道場の扉を開け、一礼して中に入ると…
「どうした! 皆人!! それが君の本気かぁぁぁぁ!!!」
そんな怒声と共に、木刀同士がぶつかる激しい音で私は思わず小さな悲鳴をあげてしまいました。木刀を振り下ろすのは、長身で艶のある黒髪をポニーテールにした、思わず見蕩れてしまうほどの美人、その美人さんがお兄ちゃんを木刀で滅多打ちにしていました。
今思えばこのシーンを見た時から私は、あの先輩の事が嫌いになったのでしょう。
私は暫くその光景に呆然としてしまいます。ふと我に返り慌てて、その美人さんを止めようと声をあげます。
「私のお兄ちゃんに、何してくれてるんですか! さっさと剣を収めて下さい!! この暴力美人さん!!!」
「凪沙!? お前何時の間に!?」
「凪沙? おおう、噂の年下の幼馴染か、同じ幼馴染なのに顔を合わせるのは初めてだな、しかし、暴力美人とは……」
二人は凪沙の突然の登場に驚いているが、それより聞き捨てならない事をこの美人さんは言いました。幼馴染ですと!? 私以外にお兄ちゃんに異性の幼馴染がいたなんて
「お兄ちゃん! 説明して下さい! この美人さんの住所、氏名、年齢、誕生日、血液型、通っている学校、家族構成、好きな食べ物、嫌いな食べ物、好きな漫画、好きなアニメ…」
「落ち着け、凪沙! 最後はもうお前の趣味で、殆ど関係ないものになってる!」
「はぅ~はぅ~」
「皆人なんだこの愉快な生き物は、私は気に入ったぞ!」
私達三人は、それぞれが興奮しているのか収集がつかなくなっているのは理解していたが、お兄ちゃんの傍にこんな美人さんがずっと居たと思うと、私はその恐慌から抜け出せなくなっていた。
「喝っ、お前らいい加減にせい! 神聖な道場で痴情の縺れなど……羨ましい……皆人、爆発しろ!」
道場の扉が突然開き、現れた人物はとても俗世的な事を言ってお兄ちゃんを軽くディスると、その言葉にお兄ちゃんが疲れたように突っ込む。
「先生、本音が建前を大きく凌駕してます……」
突然現れお兄ちゃんに突っ込みを入れられた、この意外にファンキーなお爺ちゃんが、この道場の主であり、お兄ちゃんの先生でもある、沖田謙信さん、私もこの道場に通う事になった時に挨拶をしましたし何時も練習が終ると甘食をくれる、とても良いお爺ちゃんです。決して餌付けされているわけではありません!
そんな沖田先生に、美人さんは文句を言います、その内容がまた私の中の獣に火をつけます。
「師匠、痴情の縺れとは言い掛かりです、私はこの愉快な生き物に興味深々なだけです」
そう言って私を指差すと、嬉しそうに見つめてきます、私は警戒の唸り声をあげ、威嚇します。
「まぅ~まぅ~」
「凪沙!? さっきから言語中枢がおかしくなっているよ!?」
お兄ちゃんの愛ある突っ込みで我に返ると、私は美人さんを睨みつけ、高々と宣言します。
「お兄ちゃんの幼馴染は、私、久遠凪沙、唯一人なのです、ぱっとでの幼馴染はどっか行って下さい」
「おい、皆人、この生き物更に愉快なったぞ、言ってる事が支離滅裂だ!」
「凪沙……幼馴染はぱっと出とか在り得ないから……あと、場が混乱するから、暫く黙ってて……」
お兄ちゃんは疲れたように私に言うと、改めてその美人さんを紹介してきます。
「えっと、こっちの凪沙の事を獲物を狙う目で熱く見つめているのが、僕の年上の幼馴染の天原星奈先輩で……さっきから天敵を威嚇するように唸って先輩を睨んでいるのが、僕の年下の幼馴染の久遠凪沙……
あとついでに僕の剣術の先生である沖田謙信……この人は居ない者として考えてくれて良いから」
「おい、それは酷すぎるぞ皆人、ワシの偉大さを称えよ!」
「さて、それではいい加減落ち着いた?凪沙?」
本当に沖田のお爺ちゃんを無き者として華麗にスルーするお兄ちゃんに、私は戦慄を憶えます。沖田のお爺ちゃんは道場の隅に行くと壁に向かって話し始めます。弟子からの酷い扱いにボケちゃったんですね可哀想。
そんな風に沖田のお爺ちゃんを眺めていると、先輩が私に向かって話しかけてきます。
「なるほど、これが皆人の年下の幼馴染か……うん、愉快で大変結構!」
「私の事を知っているんですか!?」
私は先輩の事を知らないのに、くっ!?、情報戦で負けています。これは至急情報収集を始めないといけません! 私の内心などお構い無しに先輩は楽しそうに私に話しかけてきます。
「ああ、皆人に聞いているからな……凪沙ちゃんで良いかな? は何も聞いてないのか?」
不思議そうな顔で私に聞いて来る天原先輩に私は愕然とします、まさか私に秘密にして、こんな年増女と道場でイチャコラしていたなんて…お兄ちゃんめ! 草食系の顔をしてるくせに如才ない
「お兄ちゃん、久しぶりに凪沙はお兄ちゃんに、大説教をしなくていけなくなりそうです」
「こういう反応をしそうだから黙っていたのに……あと、僕にも先輩に対して失礼な事を考えてるでしょう?」
何気に鋭い事を言ってくるお兄ちゃんの言葉に少し焦りながらも、私はお兄ちゃんの傍で微笑んでいる先輩を指差し強めの口調で言います。
「なんで、この女は私の事を知っているのに、私はこの女の事知らないんですか! 納得行きません! 詳しい説明を求めます」
私はお兄ちゃんに詰め寄ると早速事情聴取を開始します。お兄ちゃんは身を逸らし距離を取ると苦笑を浮かべながら答えてきます。
「それは単純に話題にあがる事がなかったからと言うのもあるけど、凪沙がこういう反応をすると思って面倒く……余計な心配をかけたくなかったんだ」
「今、ちょっと本音が漏れましたね! 面倒くさいって言おうとしましたね!?」
お兄ちゃんの隠された本音を聞くと、私は袖を捲くりお兄ちゃんに攻撃を仕掛けていきます。
「ふふふ、聞いた通りとても仲が良いようだな? 少し羨ましいぞ。私には弟妹は居ないからな」
私たちのやり取りを見ていた、天原先輩が愉快そうにこちらを見つめて来ます。その余裕に満ちた顔を歪ませてやりたいです!
「凪沙、さっきから相当失礼な事をずっと思ってるよね、そろそろ説教の時間かな?」
「お兄ちゃんはどうでもいい時にだけ鋭いので、やり難いです。」
「それは僕の想定が間違ってない事を完全に自白してるからね!」
私はお兄ちゃんから目を逸らすと、此方を楽しそうに見てくる、先輩に聞きます
「本当にお兄ちゃんと幼馴染なんですか? それは何時ごろからの……」
私が恐る恐る先輩に聞くと、この先輩嬉しそうに話し始めやがりました。
「何時ごろからと聞かれたら、私が小学校二年の頃からだから……十年近く経つのか……改めて考えると皆人とは長い付き合いだな」
「そうですね、先輩と一緒にこの道場に通い始めてもう十年近く経つなんて……」
「昔の君は可愛かったなぁ、私の事をお姉ちゃんなんて呼んで良く甘えてきた」
「あ、あれは先輩がそう呼べっていったから……」
「そうだったか? まぁ甘えられて悪い気はしなかったな、どうやら私は甘えるより、甘えられる方が好きらしい……皆人、久しぶりにお姉ちゃんと呼んでみないか?」
「えっ?ちょっと恥ずかしいですよ……」
「昔はよく呼んでくれたではないか……良いだろう?皆人……」
「先輩…それじゃあ一回だけ……おねえ……」
「茶番はそこまでです!! 何いきなり回りを無視して、二人の世界に入っているのですか!」
私は目の前で繰り広げられた、イチャコラに若干泣きそうになりながら二人に抗議します。その言葉に気付きお兄ちゃんと先輩は照れ臭そうにしています。なんですかそれ! どういうことですかそれ! 私もあんな風にお兄ちゃんに意識されて見たい! そう大声で叫びだしたい気分でしたが、どうにか心を落ち着かせ冷静に二人に注意します。
「神聖な道場で乳繰り合うなんて、うらやまけしからんです!」
本音が建前を粉砕しました。こんな時素直な心根の自分が憎いです。
その後、壁に話しかけて忘我の境地に至っていた沖田のお爺ちゃんが現世に帰還すると、じゃれあってる私達を嗜めると今日の修練ははもう終わりにしようと言って解散を命じます。私達は道場の掃除をして兄ちゃんと先輩が着替えるのを待っていると二人はほぼ同時に更衣室から出てきます。悔しいですが二人が並んで歩く姿はとてもお似合いで、私はその姿を見続ける事が辛くなり、お兄ちゃんに駆け寄ると、左腕に抱きついて、お兄ちゃんだけを見つめる事で精神安定を図ります、決してただお兄ちゃんと腕を組みたいだけではありません!
「本当に仲が良いな君達は……」
「当たり前です、幼馴染ですから!」
私は当然のように言って先輩を威嚇すると、お兄ちゃんの左腕を抱え込みます。お兄ちゃんは困った様な顔をしますがそれを見ない振りで私は腕を組んでいきます。先輩は私のこの挑発行為を面白そうに見つめると。
「そういえば私達も昔は良くこうやって帰ったな?」
先輩はお兄ちゃんの右手を握ると、少し顔を赤くしながら微笑みかけます、その笑顔にお兄ちゃんは先輩以上に顔を赤くして照れています。
「ぐむぅ……」
私は謎の呻き声をあげ、先輩を睨むと向こうは少し勝ち誇った顔を向けてきます。おのれ…
「先輩手を離して下さい! お兄ちゃんが迷惑がってます!」
「そう言う君こそ、その抱え込んでいる腕を離してあげたらどうだい?皆人も迷惑かも知れないぞ?」
改めて認識しました!この先輩は私の敵です!
「ぐぬぬ、私は幼馴染だから良いんです!」
「私も幼馴染だぞ?」
「私は家も隣の由緒正しい幼馴染なんです! 付き合いがこの道場だけの限定されたパチモノ幼馴染とは違うんです!」
「パチ……私は昔……皆人からぷ、プロポーズされた事があるぞ!」
「ぷ、ぷろぽぉずだ……と……」
私はその衝撃発言に戦き、お兄ちゃんを睨みつけます
「子供の頃だよ!? それも凄く小さい頃!」
「それでもした事は事実なんですね……しかもきっちり覚えてるし……」
「皆人も覚えていてくれたのか! 私も忘れた事は無かったぞ……嬉しかったし……」
「はい、其処、いきなり乙女になるのは禁止です!」
私は先輩に突っ込みを入れると、この先輩どうしてくれようと思っていると。道場の上座で私達を見ていた、沖田のお爺ちゃんが話しかけてきました。
「それ位にしてもらえんか……連れ合いを無くしたワシにはちと目の毒じゃ、お前たちのやり取りは……しかし。良いのぅ、青くて春で……若いって事はそれだけで素晴らしい事じゃわい!」
高々と笑いながら、沖田のお爺ちゃんは、お兄ちゃんと先輩を見つめると、
「そうか……二人がこの道場に来てからもう十年経つのか……時の流れは速いものじゃな……」
沖田のお爺ちゃんは感慨深そうに頷くと、突然真面目な顔になるとお兄ちゃんと先輩にに向かって力強く宣言します
「一ヵ月後、継承試合を行なう! 双方覚悟して置くように!!」
私は沖田のお爺ちゃんのその言葉の意味は分かりませんでしたが、お兄ちゃん達は神妙な顔をして頷くと声を揃えて
「「委細承知いたしました!」」
その一言だけ言うと、互いに今度は目も合わさず、それぞれの帰途につきます。お兄ちゃんは私の頭を一撫ですると少し寂しそうに笑い、先輩はお兄ちゃんにではなく私を見て苦笑を浮かべると、颯爽と道場から出て行きます。先程までのドタバタが嘘のような雰囲気に変り、私が戸惑っていると。
「大丈夫だよ……前から決まっていた事が本決まりになっただけだから……」
そう言って、道場から去っていく先輩の後姿を見送っている。お兄ちゃんの表情を私は凄く印象深く憶えています。その後何があったのか、どういう事が起こったのかは、私も知りません。
しかし、この出来事の一ヵ月後からお兄ちゃんは道場に通わなくなり、バイトに明け暮れる毎日に変化していったのと、天原先輩が海外に留学した事を本人からのメールで知った事が、唯一、私の知る、事の顛末だった。
二人の間に何があったのか、お兄ちゃんが道場に通わなくなったのは何故なのか、天原先輩はどうしていきなり海外へ行ってしまったのか、どうして教えた憶えのない私のメールアドレスを知っていたのか、
聞きたい事は沢山ありましたが、結局私はそれを聞く事は出来ませんでした…
お兄ちゃんは表面上は何も変った様子はありませんでした、唯…良く夜空を眺めるようになりました、でもそれはきっと空を見ているのではなく……空に瞬く……
私は頭に血が上るのを自覚すると思い出からの現実復帰を果たします。私は携帯端末を取り出して、メール素早く打ち込み送信すると、一分も立たない内に返信が着ます。
『相変わらず、愉快なメールをありがとう、昔の事を思い出して頭に来たからって、早朝から君のテンションの高いメールに返信する。私の気持ちを考えてくれたまえ、メールの内容は承知したが、それをまだ皆人が話していないなら、私からは言える事が無い。これが私の返事だよ凪沙…それから皆人からspirt worldを漸く手に入れたとメールが届いた。かなり嬉しそうな文面だった……相変わらず可愛い奴だ』
最後にさらっと、とんでもない事が書いてあるが、相変わらず先輩は変らない、こうして偶にメールを送りあう仲になってから色々と話すようになりましたが、今一歩先輩の性格が掴めません。私は先輩に送ったメールをもう一度自分で確認すると
『今、少し昔の事を思いだして頭に来たのでメールします。先輩! 三年前に何があったのか、今度こそ白状して貰いますよ! あれ以来お兄ちゃんは言いたくはありませんが、夜空の見上げて溜息を吐いたり、ポニーテールの娘を目で追ったり、これではまるでお兄ちゃんが先輩の事を好きみたいじゃないですか!! 許せない許せ以内許せない許せない許せない許せない…という訳なので白状して下さい。』
うん、怖いですね、起き抜けでこのメールを見たら、私なら軽くトラウマになります。夜のテンションを、そのままぶつけてしまいました…私は少し反省すると、日記帳を閉じて、時計を確認すると結構良い時間です。私は電気を消して、ベッドに潜り込むとお兄ちゃんの部屋の方へ向かい
「お休みなさい……お兄ちゃん」
と言って、目を閉じます。今日あった幸せな出来事を思い出しながら、睡魔と幸福感に包まれて眠りに落ちようとしていたときに、携帯端末のメール着信音が部屋に鳴り響きます。それは先輩からのメールを知らせる着信音でした。この眠りに落ちる寸前の絶妙なタイミングでの着信音に、あの先輩の意地悪な顔が浮かび、無視して寝ようかとも思いましたが、何か負けた気持ちになりそうなので、私は仕方なく端末でメールを確認すると
『P・S
凪沙、皆人が漸く買ったと報告してきたspirt worldだが…皆人は早速ゲームの中で、良い友達が出来た見たいだぞ。何でもショートカットの似合う綺麗な女の子だそうだ…今日はこれからその娘と夜通し夜戦(意味深)になるとか言っていたぞ…心配だな(笑)』
その文面を見て、私は体を震わせると
「それは一体どういう事ですか!! お兄ちゃーーーーん」
私の叫びはゲームをしているお兄ちゃんには届かなかったが、お母さんには届いたらしく、夜中にリビングで懇々と叱られました…おのれ先輩、私の性格を見抜いた、このタイミング、先輩は神か悪魔か…
「凪沙!! ちゃんと聞いてるの!!」
「はい、ごめんなさい!」
私はこの後二時間ほど、お母さんからの、ありがたいお言葉を聞くはめになりました。朝練には勿論遅刻しました。
一人称の練習で書いてみました。
Ⅰはシリアス、Ⅱはコメディを意識してみましたが、どうだったでしょう?
まだまだ至らない所が多いですが、今後ともよろしくお願いします。
次回からは本編が再開します。
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