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いつかの桜・SS

いつかの桜SS・1

作者: 久義遼太

どっかのサイトにも中途半端に載っている以前に書いていた小説のSS。

リハビリ的に書いているものなので細かいキャラ設定は書いてません。奇跡的に読者さんが増えたらまとめようかぬ

「・・・眠い」

ぼへーっと頬杖をついて窓の外を見ながらつぶやく。

「どしたの浩一。珍しく不真面目だね?」

前の席の悠が振り返りきいてくる。

ちなみに今は授業時間中。

「自習時間なんだからちゃんと自習しなさいよー?」

と、後ろからは澄の声。

そうなのだ。数学教師が遅めのインフルエンザにかかったそうで、今日から休んでいる。代わりを立てるのも間に合わなかったらしく現在自習中。

わりと進学校なだけあって教室内のほとんどは他教科であれちゃんと自習しているし、普段なら俺もちゃんと自習している。・・・が。

「晴れた春、気温もさほど高くなくて窓から射し込む陽射しで丁度いいポカポカ感。そして今なら寝ても誰も文句は言わない。

今寝ないでいつ寝るんだ」

自分でも眠気が混じっているのがわかる声で主張してみる。

「まぁ気持ちはわかるけどねー。」

あはは、と悠が窓の外に目を向ける。

陽光に照らされて、たれ気味の目を細めて柔らかな微笑みを浮かべる姿は実に絵になっている。

・・・目の前のこいつが男だと知らなければこの笑顔だけで何人かは惚れそうな気がする程に。

「ほんとなんなのかしらねこの美少女な感じは・・・」

席を立って俺の隣に来た澄がしみじみとつぶやく。

「同感だ。」

「んー・・じゃあ明日から女子の制服で来てみる?」

俺と澄の言葉にいつものように「あはは」と笑いながら悠が言い出す。

「・・・今何人かこっちを凄い目で見た気がするんだが」

光ってたぞ目が。

「女子は着せ替え好きだからわかるんだけど・・・何人か男子も反応してたわよね」

澄も気づいていたらしい。

「やめろ、心に深い傷を負う奴が出てきてしまう」

女子制服着た人に惚れたら男でした、とか残りの人生に確実に影響が出ることだろう。

「ちぇー、残念。せっかく浩一を危ない道に誘い込もうと思ったのに」

「やめろマジで。」

また何人かの目が楽しげに光ってるから。

「ほらほら、そろそろおしゃべりはやめて自習…ぁ…するわよー」

背を向けて、自分の席に戻りながら言う澄。・・・今の間は?

「あはは、澄ちゃんも眠いんだねー」

悠が笑いながら言う。

「ああ、あくびか今の変な声」

「うっさい!って言うか変な声って言うな!」

ゴス、とチョップと言葉が同時に降ってくる。

「ちょっと待てなんで俺だけ」

「うっさい忘れろ!」

ゴスゴスゴスと殴られ続ける。何故か顔が赤い。

「そんな恥ずかしいか今の?」

「まぁ浩一には乙女心はわからないだろうしねー。」

非常に理不尽な結論を押しつけられつつ、日常か流れていく。


ーーーある晴れた春の日。


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