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NEETはオッサンに(オッサンの)願いを叶えられるようです。

[貴方の願い、叶えます]

どういうわけか、その看板に惹かれてホイホイテントの中に入っていったわけですが。

「貴方の願い、見破ります」

看板と同じように言われてもねー。

言われてる感覚は「ここは○○村です」とか言ってる村人みたいな感じ。どこの村に行っても大体いて、○○までの道程を知る為に村の入り口の奴に話しかけたのを後悔したのは良い思い出。

「魔法とか使ってみたい。職が欲しい。綺麗な嫁さんと結婚して幸せになりたい」

「それアンタの願望だよね?職が欲しいは合ってるけど」

就活全部跳ねられたからなー。来月から家賃とか大丈夫かなー……。

「適当に他のオプションとか着けとくから頑張って下さい。あと綺麗な嫁さんは待って」

……あ、終わった?

俺はオッサンのやってることに溜め息をついて外に出た。


◆◇


どうせなんも起きず仕舞いだろ。やっぱり期待すべきじゃなかった。

そう思っていた時期が私にもありました。

「ここどこよ」

家で寝ていて気づいたら見覚えのない部屋の中のガラスケースに閉じ込められていたでござるの巻。縛られてないのが不幸中の幸いか。なんか周りがピカピカ光ってるけど。

「おーい、誰かいませんかー?」

……反応ねー。

蹴破る…………ダメだ、力が足りん。

そうだ、外の様子を確認しよう。あわよくば助けが来てくれるだろうしな。聞き耳立てて……ん、なんか爆音が近づいてくるぞ?

「大丈夫ですかっ!!」

ありのまま今起こったことを話すぜ!バコーンとかいう音が鳴り響いたと思ったら扉をぶち抜いて綺麗な女の人が駆け寄ってきた!何を言ってるか(ry

女性はどこからか電子パネルを取り出して端末を操作するとケースが女性の目の前に降りてガラスが開く。倒れる。顔が女性のおっぱいに埋もれる。ビンタされる。あべしである。

「良かった、無事だったんですね。

オーロラ1よりHQ、実験体と思われる男性を確保。これより脱出を急ぎます」

《了解、オーロラ1。脱出を急げ。残り30秒切ったぞ。オーバー》

「おいちょっと待て。何が30秒しかないんだ」

「爆弾ですよ。起爆まであと30秒」

なにそれ超展開。

つまり、俺達は滅亡する!

「大丈夫、私が全力で飛んでいけば10秒も経たず安全圏ですから!」

は?何を言って……あ、手捕まれた。

「よし、じゃあしっかり捕まってて下さいね!」

あれ、宙に浮いて……うぉぉぉぉぉっ!?

俺は風になった。


◆◇


結論から言おう。

俺達は滅亡しなかった。

音速を越える本気のお陰で余裕でゴール、直後に背後で研究所っぽいところが爆発した。そして現在。作戦本部っぽいところに連れられた俺はバケツに嘔吐していた。

「う゛ぉ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」

「あのー、大丈夫ですか?」

今までにない勢いで吐いてる俺が大丈夫なように見えるとでも。つか音速を越えるスピードに引っ張られて振り回されたら誰だって死にそうになるわ。息できなかったし。

「なんなのここ、変なオッサンに何か言われて気づかぬうちに来たけど生身で音速越えとか人外もいいとこ。三途の川を何度往復したことか」

「あ、あはは……」

笑うとこじゃねーから。

「というかさっきの超スピードはどうやってだしてたんだろ。オッサンの妄言から察するに魔法かなんかだろうが」

「ええ、魔法ですけど……。

取り敢えず、少し嘔吐も落ち着いてきたことですし、お名前をお聞かせ願えませんか?」

「田崎蓮次郎。22歳。無職。これ身分証明書ね」

「へー、私より4つ上なんだ……。

あ、それは明言しなくていいですから」

財布から免許証を取り出して手渡す。首を傾げる。なんでさ。

「私も自己紹介しますね。

私はライム王国軍第18特別小隊小隊長、大河内翔子といいます」

軍人なのはおいといて、ライム王国とはなんぞ。そんな国聞き覚えがない。聞こうとした瞬間だった。

「小隊長、お時間よろしいですか?」

「あ、うん。

こちらで少しお待ちください」

へーい、と言葉を返すと大河内さんは離れて呼んできた人とヒソヒソし始めた。

「翔子さん、あの男性は黒です。間違いありません」

「あ、やっぱり?」

そういう話はもっと小さな声でやってもらって良いですか。

つか何が黒なんよ?そう思ってたら帰ってきて

「田崎さん、貴方、自分が人間だと思いますか?」

………………は?

「当たり前だろ常識的に考えて。

全く、誰がそんなことを言ったんだ。どうやったら人間じゃないように見えるのか小一時間問い詰めてやりたい」

「あー、やっぱり……」

何1人で理解してんのさ。俺にも……

「良いですか、田崎さん。

今から言うことに対してパニックを起こすかもしれませんが、何があっても最後まで話を聞いてください。もし暴れたりすれば武力的鎮圧をして聞かせる羽目になるのでそのつもりで」

なにそれ怖い。

「田崎さん。貴方は人間ではありません」

「な、なんだってー」

またまたご冗談を。俺は生粋の日本男児です。どう見ても日本男児ですから。それでも俺が人間じゃないと。

「正確に言えば、人間を辞めてます」

「どこにその根拠があるんだろうか。出会って間もない人に人外だろと言われるとかそろそろ人権侵害で訴えてもいいレベル」

「貴方もさっき私のこと人外扱いしてるじゃないですか」

「音速を越えるスピードを生身でやってのける奴が人外じゃないならなんなんだ。しかも生身で空飛べるとか普通ありえん」

そう俺は言ったんだ。

そう言った刹那――

「な、なんじゃこりゃあああぁぁぁあぁぁあ!?」――彼女にナイフで刺されました。

腹に刺さったナイフ。溢れ出る血。血塗られた手。ナイフを腹から抜き取ると同時に地面に膝を着き、力無く地面に倒れ込む。

「はい、田崎さん起きてください」

なんだよ、せっかくいいとこなのに。

「どうですか、ナイフは。痛かったですか?」

「いきなりナイフ刺してきてなにするだァー!と言ってやりたいところだがまぁ良いだろう。

普通は痛いものだが実のところあまりそうでなかったり」

「それが証拠です」

「翔子だけに?」

「納得頂けましたか?」

「聞いてよ」

でもそれだったら痛覚を和らげる魔法とか使ったんじゃねーの?

「信じていただけてないようですね……。

では、ナイフで刺された傷口を見てみてください」

「……塞がってる」

あり得ない。人がナイフで刺されてこんな早く傷口が塞がるわけがないじゃないか。こんなの、人間技じゃない。

「そう、それは人間に出来るはずがないんです。しかし貴方は出来てしまった。

……後はわかりますね?」

「いやでもそれも回復魔法で」

「ここに回復魔法も痛覚を和らげる魔法使いはいません。ましてや痛覚を和らげる魔法は存在しないんですよ」

「……ということは」

「そうです、残念ながら……」

本当に残念だよ。もう少しだけ人間でいたかったなー。

「……ま、いっか。なっちゃったのは仕方ないし、俺がこうなったのもよく考えればオッサンのせい。今度会ったら叩きのめせば良いだろ。ついでに直してもらえばいいし」

「えっ」

いかがだったでしょうか?

更新ペースは以前より落ちるとは思いますが、その分質を上げていけたらと思います。

私自身、久しぶりに文章を書いたのでかなり読みづらいよう出来ているかも知れません。

それでも読んでやるよしゃーねーな。という方は完結までお付き合いしていただければと思います。

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