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魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意  作者: やきいもほくほく
一章 悪女は牢の中で

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12/24

①②


今日は眠れない夜になりそうだと、シャルレーヌは夕陽が照らす廊下を歩いていく。


(しばらくはわたくしの話題で持ちきりかしら。あの子たちにがんばってもらって情報収集をしないといけませんわね)


明日が楽しみで仕方ない。

もうすぐシャルレーヌを盗聴して、ロミとルイに嫌がらせした妃の名前もはっきりするだろう。



──次の日。


一時間ほど前に寝落ちするように寝てしまったシャルレーヌはルイに叩き起こされるようにして起き上がる。



「もう朝……最悪だわ」



昨晩、蝙蝠やカラスたちに教えてもらった情報を整理する。


アナベルは元平民で後ろ盾は教皇。シルバーの髪にライトブルーの瞳。

歳はシャルレーヌと同じで十七歳でかわいらしい印象だ。

聖魔法という魔法を使い、彼女は傷を癒すことから『聖女』と呼ばれている。

他にも力を隠し持っているという噂もあり裏はなかなか黒そうだ。

水色と白のドレスは清廉さをアピールするように好んで着ているらしい。

帝国民からの圧倒的な支持を得ており、もっとも正妃に近い一人。

だが、平民出身という肩書きが彼女の足を引っ張っている。

その一方で裏表が激しく、失敗を許さない容赦ない一面もあるそうだ。

動物たちからの評判は悪く、注意すべき人物の一人だ。


(わたくしとキャラが被ってますわね。ですが、やり方が小汚くて性格が悪そうなので楽しみですわ)


シャルレーヌを物置き部屋に案内したのも、嫌がらせも侍女に直接指示を出したわけではないが、裏で糸を引いているのがアナベルだ。

そのことを追及しても『わたくし、そんなことを言ったかしら……』と、逃げられそうな線引きでうまく彼女たちを操っている可能性が高い。


そしてエマニュエルは妃たちの中で最年長の二十歳。

豊満な胸と華やかで圧倒的な美貌。帝国の華と呼ばれている。

男性たちを虜にしており、赤と黒のマーメイドドレスはボディラインが浮き出て妖艶な雰囲気だ。

公爵家の娘で出生がよい。

彼女もアナベルと並び、正妃にもっとも近いが魔法の力は弱いらしい。

前髪は長く、ワインレッドの艶のある髪。

ブラウンの瞳から見て想像できる通り、火属性の魔法を使う。


エマニュエルが侍従に命令して銀色の球体を浮かばせて、シャルレーヌとルイやロミの会話を聞いていた人物だ。

城で働く男性たちは彼女の虜になっているらしい。


(わがままな貴族の令嬢といった感じですわね……プライドが高そうですでやりやすそうで何よりですわ)


三人目はナタリー、シャルレーヌより歳下で十五歳。

辺境出身で魔法にしか興味がなく『魔女』と言われている。魔法の才能は四人の中でずば抜けて高い。

オレンジの癖のある髪にライトグリーンの瞳。

イエロー、オレンジ、グリーンのような明るいドレスを好んでいた。

普段は口数は極端に少なく、魔法オタクなため魔法のことには饒舌だそう。

正妃争いにまったく興味がないが、ヴィクトールが持つ珍しい闇魔法を研究対象として見ているそうだ。


(彼女は魔法が使えないわたくしに興味を持たないでしょうね)


ベアトリスは十八歳で宰相の娘。侯爵家出身だ。

彼にかなりの圧力を受けている水属性を持つ才女だ。

頭もよく、家柄もよく、魔法の力も強い。

一番バランスがとれているのは彼女だろう。

地味ではあるが、ネイビーのストレートの髪やゴールドの涼やかな目元。

性格は真面目で規律を守り忠実だが、男勝りでさっぱりとした性格。

本人は夢があったそうで正妃には乗り気ではないそうだが、周囲の期待がそうはさせない。前皇帝派が動いているそうだ。

エマニュエルとは犬猿の仲だそう。

ナタリーの世話をよく見ているらしく、面倒見のいい性格なのだろう。


(この方も特にこちらが何もしなければ危害を加えてくることはなさそうだわ)


一睡もすることなくカラスと蝙蝠たちが遊んでいたことでこうなってしまった。


(どうして朝食に集まるのかしら……夕食でしたら楽しめましたのに)


サンドラクト王国では昼夜逆転の生活をしていたため、朝がつらくて仕方ない。

カーテンから日の光が漏れないようにきっちりと止めてもらっていることがせめてもの救いだが、今から明るい場所で食事をしなければならないと思うと吐き気がする。


シャルレーヌの前に置かれた赤黒い液体が入っているグラスを傾ける。

その後に温かい紅茶を飲んでホッと息を吐き出した。



「あと何日分あるのかしら?」


「五回分ほどかと」


「そう……調達しないとダメね」


「今晩、適当に調達いたしますか?」


「まだいいわ。怪しまれたくないもの」


「かしこまりました」



準備を終えて会場へと向かった。

どうやら一番遅かったようで針のような鋭い視線を笑顔でかわしていく。

もちろん席は一番の下座。気にすることなく腰掛けた。

ヴィクトールが来る前にここに座れたらと思ったが甘かったらしい。


(ああ……楽しみ。やっと始まるのね)


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