表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

スキル覚醒

「ここは……」

視界が切り替わった瞬間、俺は言葉を失った。

周囲には限りなく広がる宇宙空間。彼方には無数の星々が輝き、俺を取り囲んでいる。目の前には、浮かぶ大量のカードが一面に並んでいた。

「ここが……精神世界か」

世界の記憶によれば、ゲートに初めて入った者は、自身の精神世界でスキルを一つ選べるらしい。

「こりゃあ、すごいな……」

改めて見回すと、俺の背丈どころか、視界いっぱいにカードが積み上がるように並び、圧倒される。これらすべてがスキルで、しかもここにあるのは“ごく一部”に過ぎないという。

スキルにはE〜Sまで6段階のランクがあり、ランクが上がるほど取得難易度が跳ね上がる。

使用していればランク自体は上がるが、取得時点で高ランク、ましてやSランクを得るのはほぼ不可能だ。

「……のはずなんだけどな」

俺は思わず笑みを浮かべた。

カードは通常裏向きで、内容を見ることはできない。しかし俺は違う。世界の記憶が流れ込んでいるため、カードの“中身”が透けて見えてしまうのだ。

「少しズルい気もするが……まあいいか」

深く考えるのをやめて、カードを選び始める。

「さて、どれにするかな」

何枚も眺めていると──

「ん? これは……」

一枚のカードに目が止まった。


【S級スキル:身体強化】

身体能力を強化するスキル。

S級効果:身体能力・五感・魔力量の大幅増強


「身体能力が上がれば戦える幅も広がるし……常時発動のパッシブスキルってのも魅力だな」

俺は迷わず決めた。カードがふわりと目の前へ降りてくる。

手を伸ばした瞬間──

「っ!?」

カードは光の粒子に変わり、俺の体に吸い込まれた。

「……すげぇ」

スキルの扱い方が、脳に直接流れ込んでくる。

未知の感覚に息をのむ。

「これがスキルを獲得した感覚か…」

俺が初めての感覚に感動していると

「うおっ!?」

突如光に包まれ、思わず目を閉じる。

そして、目を開くと──そこは石造りの通路だった。

「遺跡……か?」

壁も床も石で作られ、通路はまっすぐ奥へ伸びている。幅は五メートルほど。

「灯りもないのに明るいな」

辺りが青い光に照らされているのに気づき、壁を見る。

「これは……ヒカリゴケか」

世界の記憶によれば、暗い場所に自生している光る苔だという。

おかげで視界は十分だ。

ポケットから買っておいたナイフを取り出す。警察に会わなかったのは不幸中の幸いだった。

この格好でナイフなんか持ち歩いていたら、言い訳ができない。

「さて、行くか」

カツ、カツ……

静寂の通路に俺の足音だけが響く。

「何もいないな」

歩き始めて数分。魔物の影はないが、いつどこで遭遇するかわからない。

そんなとき──

「分かれ道か」

前方に左の曲がり道と直進の道。俺が角へ近づいた、その瞬間。

「ギャッ!」

「っ!?」

何かが飛び出し、そのまま拳を振りかざして突っ込んできた。

俺は反射的に後方へ跳び退く。

姿を確認すると、緑の肌、尖った牙と爪。

140センチほどの体格で鋭い目を光らせている。

「……ゴブリン、か」

ラノベ好きなら誰でも知っているあのモンスター。

世界の記憶では、成人男性より強く、スキルなしの一般人には厳しい相手だ。

「初戦には丁度いい」

俺の胸が自然と高鳴る。

俺はナイフを構えて地面を蹴る。

──その瞬間。

「ズドォン!!」

凄まじい音とともに、気づけば俺はゴブリンの首を切り落としていた。

「ドスン」

ゴブリンの胴体は崩れるように倒れ込む。

「……俺が、こんなことをできるようになるなんてな」

ナイフについた血を払う。

振り返ると、さっきいた場所の床が大きくえぐれていた。

自分が手に入れた力の異常さを痛感する。

「さて、次は……」

ゴブリンの死体に近づく。

魔物の心臓部には魔石がある。これは莫大なエネルギーを秘めており、火力や原子力に代わる発電方法としても研究されている……まさしくエネルギー革命だ。

俺はナイフを胸に突き立て、解体して魔石を取り出す。

解体が終わり魔石をポケットにしまうと、俺は立ち上がった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ