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第02話 早朝の談笑、真昼の喧騒

ごめんなさい!前回更新した後、パソコンが天に召されまして、執筆が全く出来ませんでした…><;

でも、そのおかげと言っては何ですが、今後のストーリーの展開は最後に更新した時より確かなものになりましたので、まぁある意味では良かった…ワケ無いですね、ゴメンなさい;


とにかく、新たなパソコンも手に入ったので、これからなるべく更新して行こうと思います!現在現地校が非常に大変かつ重要な時期なので、どの程度の速度で更新できるかは定かではありませんが、執筆できる状況だけは揃っているので不定期になるかもしれませんが更新はしていけると思います。


こんなダメな作者で申し訳ありません。それでも付き合っていただける方々には決して感謝の気持ちを忘れずにこれからも書いていこうと思うので、今後ともよろしくお願いします。

「もう、ミズキちゃんったら、ぐうたらなんだから…」


現在時刻、午前5時45分。

当然の如く瑞樹はぐうたらでも何でもなく、ただ単純に優姫の朝が早すぎるだけなのである。

肌寒いを通り越して寒い坂道を歩いていると、道の先を制服姿の男子が歩いていくのが目に入った。


(…あれ?あれって、もしかして…)


彼の後姿には見覚えがあった。頭に浮かんだ名前を声に出す。


「相良君?」

「?」


道を行く生徒が振り向いた。それは優姫が想像したとおりの人物、相良悠一だった。


「やっぱり、相良君だ」

「…?」


優姫はパタパタと悠一に走り寄る。しかし、当の悠一はそんな優姫をポカンとした様子で見ている。


「…あ、もしかしてあたしの事忘れてる?」

「え~っと…ゴメン、ちょっと待った。思い出す」

「別にいいよ無理しなくても。あたしが勝手に相良君の事覚えてただけだし」

「いや、それは覚えてもらっといて失礼だから少しは努力する」

「だからいいって言ってるのに…」


悠一の頑固な様子に苦笑しつつも、優姫は黙って見守っている。

数分間頭を抱えたり唸ったりした後、悠一はポンッと手を打って、


「ユウキだ!」

「正解!ちなみに苗字は何でしょう?」

「…えっと…待て、思いだ―――」

「柚原。柚原優姫だよ」

「…思い出すって言ったろ」

「あたしは「別にいい」って言ったじゃん。下の名前思い出してくれただけでも十分だよ」

「…何か納得いかん…」

「気にしない気にしない。それで、相良君こんな時間に何やってるの?」

「特に何をしてるってワケじゃないんだけどな、まぁ散歩ってことにしとくか」

「散歩?何でこんな時間に?」

「そっちこそ」

「あたしはいつもこの時間に登校するから」

「…マジ?」

「?マジだけど」

「…校門開いてるのか?」

「多分」

「…まぁいいや。そんな事よりさ、『ユウキ』って珍しい名前だよな、女子にしては特に」

「あはは、よく言われる。まぁ読み方だけ聞けばね。でも漢字は『優しい姫』だから女の子っぽいでしょ?」

「優しい姫で優姫か。確かに、いい名前じゃん」

「そうかな?ありがとう」


悠一の言葉に、優姫は屈託の無い笑みを浮かべる。


「あ、そういえば悠一君さ、こないだ自己紹介で音楽が好きって言ってたよね?どんな音楽聴くの?」

「それも自己紹介ん時に言ったろ?クラシックでもJポップでもジャズでもアニソンでも洋楽でもテクノでも…。まぁ要するに何でも。耳に馴染めばそれでよし」

「例えば?」

「だからホントに色々。何なら俺のアイポッド見せてやろうか?」


そう言って悠一はポケットからアイポッドを取り出すと、優姫にそれを差し出した。


「それじゃあちょっと失礼して…」


差し出されたアイポッドの電源を入れ、リストの一番上にあったプレイリストを開く。

そこに表示された曲はジャンルも言語もバラバラだった。プレイリストの一番初めの曲はパッヘルベルのカノン、次の曲は人気歌手のつい先日出たばかりの新作、そのさらに次は「VOCALOID」という音声合成ソフトを使った若干マイナーな楽曲、そしてそれに続いてスウィング・ジャズの代表曲の一つ、シング・シング・シング。そして下にスクロールしていくと、テクノユニット・パフュームの曲が2曲ばかりと、エトセトラエトセトラ。無法地帯である。

ちなみに優姫が理解したのはプレイリストの中の全曲、34曲中21曲のみ。残りは聞いたことも無い歌手だったり洋楽だったり、知らない曲ばかりだった。


「…幅広いね」

「まぁ意識しないで気に入った曲入れてったらそんなモンだって。そういう、えっと、柚原、さん?はどういう曲聴くんだ?」

「呼び捨てでいいよ、あたしは悠一君ほど守備範囲広くないかな。最近人気の曲がほとんどだね」

「ふ~ん…。ちなみに今のお気に入りは?」

「う~ん…今ちょっとだけハマってるのはソーラン節かな」

「…へ~」


「最近の曲…?」という疑問は声には出さず、悠一はそれだけを口にした。


「…さてと、どうする?」

「何が?」

「これから。まだ学校まで時間あるじゃん。あたしはこのまま学校行こうと思ってたんだけどさ、せっかく会えたんだからどっかで適当に時間潰さない?」


優姫が時計を覗き込みながら尋ねる。確かに、今の問答で少しばかり時間は潰せたものの、学校が始まるまではまだ少し、と言うかかなり時間がある。


「時間潰すのは構わないぞ。別に用があって散歩してたわけじゃないし」

「じゃあさ、どっか寄って軽く朝ごはん食べてこうよ。例えば…マックとか」

「ん~…時間もあるし、財布の中身も充実してるし…そうだな、そうするか」

「じゃ、決まりだね♪レッツラゴ~!」

「あ、ちょ、おい柚原さん…じゃなくて、柚原!待てって!」


言い終わると同時に走り出した優姫の後を追って、悠一も駆け出した。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「さ~てと…。今日も一日頑張りますかね…って、あれ?」


教室に入った瑞樹が最初に見たものは、座るはずの主人がいなくてポツンと寂しそうに置いてある友人の席の椅子だった。

続いて教室内を見回すが、目当ての人物は発見できない。


「…1時間半前に出発したのにあたしより遅いってどういうことよ?」


今朝わざわざ学校開始の1時間半前に家まで起こしに来た友人が未だに自分の席についていない事に疑問を抱きながらも、そろそろホームルームが始まる時間だったので着席する。約2分後、ホームルーム開始。そしていざ授業に突入せんとしたまさにその時。


「お、遅くなりましたぁ!」


優姫が肩を激しく上下させながら教室に入ってきた。


「ちょっと柚原、学校始まって2日目早々遅刻?」

「す、すみません…!ほら、相良君も早く!」

「別にんな急がなくたっていいだろうに…」


そんな事を呟きながら、悠一がハンバーガーを片手に登場した。


「…相良、いったいその手に持ってるのは何?」

「何って…見て分かりません?ハンバーガーです」

「いや、そうじゃなくて…」

「?…あぁ、えっと…普通のビッグマックですけど」

「だからそうじゃないって!何であんたは学校にハンバーガー持ってきてるの!」

「俺の昼飯です」

「何で今食べてるのよ!?」

「腹減ったからッス」

「…要するに早弁してたってこと?」

「そういう解釈も出来ない事もないかと」

「…あんた放課後職員室来なさい」

「了解」

「それから柚原!一人だけ逃げようとしない!」


悠一が怒られてる間に一人だけコソコソと席に着くつもりだった優姫が呼び止められた途端にその場で硬直する。


「あんたも放課後職員室に来る事!いい?」

「…はぁ~い…」


しょんぼりと肩を落とし、今度こそ席に着く。対する悠一は特に気にした様子もなく着席した。ちなみにハンバーガーは没収される前に完食した。


「…ちょっと優姫?何やってたのよ?」


肩を落として座っている友人に、瑞樹は声をかける。


「…マックで朝ごはん食べてた」

「うんそれは分かってるけど、あんた学校始まる1時間以上も前に家出たじゃない、何で遅刻なんてしてるのよ?」

「だって悠一君が…」

「こらそこ、喋るな!ホームルーム始めるぞ!」


先生の注意の声が教室内に響いたところで二人の会話が途切れる。

優姫が「また後でね」と小声で言った後で前を向いてしまったので、必然的に瑞樹も前を向くことになった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


昼休み。


「さぁ、聞かせてもらうわよ」

「あ、ちょっと待ってて」


弁当を食べよう二人で着席し、いざ今朝の優姫の遅刻に理由について聞こうとしたその時、優姫ガ席を立ってクラスの後ろのほうへ歩いていく。

そして自分の席で一人で自分の弁当を広げていた悠一の前に立ち、言った。


「相良君、一緒に食べよ~」

「ん、いいのか?」

「ダメなら誘わないでしょ?」

「…ほんじゃ、お言葉に甘えて」

「よし。ほら、早く早く」

「ちょ、ちょっと待てって」


優姫の申し出に悠一は一度確認をし、了承を得てから返事をした。

一度広げた弁当を片付け瑞樹が待つ机に行くと、瑞樹が怪訝そうな顔をして待っていた。


「…なんであんたらそんなに仲いいの?」

「え、仲いいかな?」

「少なくとも昨日初めて会ったようには見えない」

「ん~、私はこれくらいが普通だと思ってるけど。それに仲いいのは別に悪い事じゃないでしょ?」

「そりゃまぁそうだけどさ…。って言うかさっきのあたしの質問に…」

「あ、相良君悪いけど私の机こっちの机に寄せてくっつけてくれる?」

「あいよ」


なにやら妙なチームワークでさくさくと弁当の準備をする二人を見て、瑞樹は何となく質問するタイミングを逃してしまった。

しばらくしてセットアップがすべて完了し、全員が席に着いてから瑞樹が改めて口を開いた。


「さて、準備も整ったところでそろそろ今朝の事教えてくれない?何で優姫は学校始まる一時間以上も前に家出てたのに、何で遅刻したわけ?」

「う…だ、だって…」

「だって?」

「悠一君が学校始まるギリギリの時間までマックでダラダラ食べてるんだもん…」

「…」


瑞樹が黙って悠一を見る。


「俺は別に遅刻したって気にしないし」

「普通は気にするの。って言うか気にしろ」

「別に良いじゃん」

「良くない!と言うかそもそもなんであんたはそんな時間に外にいたのよ?」

「朝早く目が覚めて暇だったから散歩」

「…変な奴」

「失敬な」

「至極当然の感想だと思うんだけど」

「失敬な」

「二度言うな」

「ま、まぁまぁ、二人ともケンカしないで…」

「何あんたは落ち着いてるのよ?あんたも巻き込まれてんのよ?」

「た、確かにそうだけどさ、職員室に呼ばれただけだし…」

「学校開始二日目から職員室に呼ばれるなんて聞いたことないわよ」

「う゛…」


優姫が反論できずに俯く。誰にも聞こえないような小声で「ミズキちゃんだってぐうたらのくせに…」と呟くのを忘れない。


「とにかくあんた。…えっと」

「相良悠一」

「そう、それ。今後は遅刻しないように。って言うかあんたは別にしてもいいけどその場合この子を巻き込むな」

「つっこみたい事が二つほど。名乗ったのに名前で呼ばないとはどういう了見だ。遅刻していいのか悪いのかハッキリしろ」

「あんたなんか『それ』で十分よ」

「…可愛くねぇな、ったく」

「そうよ、だってあたしは可愛い女の子じゃなくて綺麗な女なんだから」

「自分のことを『綺麗』言う奴は大抵の場合他人からその言葉を言われた事はないはず」

「お生憎様(あいにくさま)、今までで総勢54人の男子から綺麗と言われ、内33人から告白されました」

「そういう風にさり気なく自慢するところが綺麗じゃないところだよなぁ」

「そういうからにはさり気なく自慢しないあんたは当然告白されてるのよね?」

「当然、今までに89人から告白された」

「嘘付き、その顔でそんなにモテるワケ無いじゃない」

「ははは、バレたか」

「どうしようもない馬鹿ね、バレるに決まってるじゃない。あっはははは」

「え、えっと…二人とも?顔が笑ってないよ…?」


「「あっははははははははは!!!」」

「怖いから!二人とも怖いからやめて!」

今のところはただの学園モノでしかありませんね。作品の紹介文に書いてあるような内容を求めている方々、徐々に説明文通りの作品になっていく(予定)なので、申し訳ありませんがもうしばらくお付き合いください。

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