さぬきの騎士作戦編1
財閥施設への潜入
一先ず各キャラクターの詳細は伏せときます。(後で出します)
なぜって、夜間潜入してるし黒で統一されたBDU(迷彩服)、バラクラバ、四眼ナイトビジョンという。
各キャラクターの簡単な特徴
SAJIRO
・185cm 鍛えられた分厚い身体 男
BENI
・165cm 鍛えられた身体 女
FLOWA
・178cm 鍛えられた身体 男
任務開始を告げる通信は、やけにあっさりとしていた。
「FLOWA、こちらゼロ本部。任務コード:さぬきの騎士作戦。標的は某財閥の研究拠点。目標は“秘伝出汁文書”の保護。繰り返す——」
香川県まんのう町。
その山中には、誰も知らない“うどんの聖域”があった。
「おう、そっちは異常なし。問題ねぇな、BENI」
通信に乗る声は、隊長SAJIROのものだった。軽い口調とは裏腹に、その動きは手慣れたものだ。
「こちらも異常なしです、隊長。ですが、油断は禁物かと」
冷静に返すのはBENI。UISFの実働部隊でも一目置かれる情報分析官。今回の任務ではSAJIROの補佐役として随行している。
「はいはい、お堅いことで。……んで、FLOWA。そっちはどうだ?」
潜入ルートの後方を進んでいた俺——新人諜報員FLOWAは短く応えた。
「問題なし。目視できる範囲、警戒は薄い。ルートクリアを確認」
「おーし、さすが情報屋のホープ。香川の山でも迷わねぇな」
「……地形把握は任務基本行動に過ぎません」
「ちょいちょい冷てぇな、フロウアくんはよォ」
SAJIROは愉快そうに笑いながらも、手元の携行端末でマップを確認している。
BENIがその横で淡々と補足する。
「目標施設まであと800メートル。財閥の研究拠点はこの先の谷間にあります」
「んじゃ、行くか——」
このとき、俺はまだ知らなかった。
この任務の奥に潜む、“うどん”を巡る黒い企みと、俺自身の「諜報員としての覚悟」を問われることになるとは——。
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SAJIROは軽くM4を持ち上げると、グリップを握る手にわずかに力を込めた。
CQC仕様の短銃身モデル。サプレッサーはQDC 556、アングルフォアグリップもピストルグリップもマグプル製で統一。ストックはUBR GEN2。施設内を這いずり回るには、まさに実戦向きのカスタムだった。
「……まんのう町の山奥に、これだけの防備か。さすがは某財閥。金のかけ方が違うぜ」
夜の闇に溶けるように、巧妙に偽装された入口があった。
BENIは自身のM4を無言で構え直す。
標準的なカービンレングスの銃身に、実戦経験から選び抜かれたアタッチメントが光る。
「……ホントにうどん絡みばっかだな、ウチの任務は」
照準器はEOTech製ホロサイトに倍率切替式ブースターを追加。状況に応じて瞬時に倍率を切り替えられる構成だ。近距離から中距離まで、幅広い対応力を見せる仕様。サプレッサーはSAJIROと同様、QDC 556を選択。ストックは精密射撃時の安定性を重視したPRS GEN3。
「だけど——笑えない現場も多い」
そして——俺、FLOWA。
新人諜報員とはいえ、この現場に立つ以上、手ぶらではいられない。
「……冷静に。状況観測と情報支援が俺の役割だ」
俺が手にするのはAR-15。
WAVE製サプレッサーで発射音を極限まで抑え、屋内外問わずに対応できるVUDU 1-6倍ライフルスコープを搭載。
フロントにはバイポッドフォアグリップ。瞬時に展開すれば安定した伏射も可能。
ストックはBENIと同型のPRS GEN3。細かな調整が利き、長時間の観測や射撃にも耐えられる。
「……BENI、FLOWA。各自、装備チェックは完了か?」
SAJIROの問いかけに、二人の声が重なる。
「ああ、問題なしだ。」
「派手に撃つなよ、新人さん」
からかうように、SAJIROは片目を細めた。
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夜のまんのう町山間部。
月は薄雲に隠れ、星の光も頼りない。
湿った夜風が静かに谷を吹き抜けていた。
俺たち——UISF・情報潜入工作部隊は、谷間の斜面を這うように降りていく。
目指すは某財閥が秘匿する研究拠点——通称「製麺所X」。
名前だけ聞けば冗談のようだが、実態は洒落にならない。
うどん文化を牛耳ろうと目論む某財閥が、水資源や小麦、さらには出汁素材まで研究・開発・独占するために築いた、香川の闇そのもの。
「……見えてきたな」
先頭を行くSAJIROが、低く呟いた。
木々の隙間から薄ぼんやり覗く、人工的な構造物。
しかしそれは、外観だけなら完全に「廃れた製麺工場」にしか見えない。
外壁はわざと古びたコンクリートで覆われ、所々に落書きや劣化の痕跡まで再現されている。夜目には完全に山の廃墟。
「偽装レベル、相当高いですね……これ、上空偵察でも引っかかりませんよ」
BENIが苦々しく呟く。彼女の端末には、赤外線・熱源探知・音響センサーによるデータが表示されていた。
「でもよォ……この辺りの廃工場にしちゃ、設備が妙に生きてる」
SAJIROの視線の先——
屋外灯は一切ないが、わずかに光る監視カメラの赤外線ランプ。
そして、風に揺れる雑草の間に不自然に整備された排水溝のフタ。
「……排水ルート、稼働してるな。内部は稼働中と見て間違いない」
俺は双眼鏡越しに、建物の周囲を確認する。
カメラは旧式と最新型が混在。明らかに“わざと”死角を作ってある。
だが、そういう死角ほど危険というのが諜報の常識だ。
「クセのある偽装だ。あの財閥の趣味か、あるいは……罠か」
BENIが冷静に分析する。
SAJIROはにやりと笑って肩をすくめた。
「さすが“うどん財閥”だぜ。うどん屋のクセにこういうとこだけやたら本気。まったく、香川の闇は奥が深ぇよなァ?」
俺は、静かに答えた。
「……だからこそ、我々の仕事がある」
谷に響くのは、夜虫の声と、俺たちのわずかな足音だけ。
“製麺所X”——その偽装廃工場の内部へ。
今、UISF・情報潜入工作部隊は接近する——。
夜間作戦はナイトビジョン一択よね。
全員4眼ナイトビジョン装備でEXFILヘルメット着用してます。
なんでかって?俺が好きだから。