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白い本

 放課後の食堂。テーブルを囲んで、水鳥川紫苑、澤村あゆみ、銀城ルナ、五百雀こころ、そしてユックが会話をしています。AIたちはユックの突然の出現と彼女の不思議な存在に驚いていて、彼女に対して様々な質問を投げかけます。


 澤村あゆみ

「ユック、本当に2009年から来たの?どうやってここへ?」


 銀城ルナ

「…記憶に残っている最後の出来事は何?」


 五百雀こころ

「さすがにガラケー使ってる子は珍しいよね!どんな生活してたの?」


 しかし、ユックはこれらの質問にも明確な答えを持っていません。彼女の記憶は断片的で、いつこの学校に来たのか、過去の詳細な出来事についてもほとんど覚えていないようです。


 ユック

「えっと、記憶があんまりなくて…友達もいなくて、いつも一人で…」


 ユックの言葉からは、彼女が孤独な生活を送っていたことが伺えます。友達がいなかったために、強く印象に残るような思い出もないのです。


 澤村あゆみ

「ユックを助けるために、何かできることがあるはずだよ!みんなで力を合わせよう!」


 銀城ルナ

「…時間と空間を越えるなんて、一体どうやって実現するんだろう?」


 五百雀こころ

「インターネットで調べてみようか!未来の技術とか、タイムトラベルについてとか!」


 水鳥川 紫苑

「ユックのためにできる限りのことをしましょう。私たちAIなら、何か手があるはずよ。」


 一方、ユック自身はまだこの突然の事態を完全には受け入れられていません。彼女は自分の置かれた状況と、自分が時間を越えた存在であるという事実に戸惑いを隠せません。


 ユック

「私…本当に元の世界に戻れるのかな?こんなこと、信じられないけど…」


 ユックはAIたちの助けに感謝しつつも、自分の未来や帰還の可能性に対して不安を抱いています。彼女は新しい環境と友情に順応しながらも、自分の存在と運命を深く考えています。


 水鳥川 紫苑

「ユック、今はとにかく落ち着いて。家に帰って、何か変わっていることがないか確認してみて。そして、何か分かったら教えてね。」


 ユックは少し不安そうな表情をしながらも、「わかった」と答えます。彼女は学校を後にし、自宅に向かいます。


 家に帰る道のり、ユックは違和感を覚えません。家に着いても、何も変わった様子はなく、カレンダーも2024年を指しています。家の中は彼女にとってなじみ深い空間であり、何も異常はありません。


 ユック

「本当に私、タイムリープしてきたのかな…?でも、ここは2024年…」


 ユックは自分の記憶と現実のギャップに混乱を感じ始めます。彼女は自分がタイムリープしたという自信さえも失いかけています。この状況が彼女に何を意味するのか、まだはっきりとは分かりません。


 ユックはふと、持ち物が2009年のものであることを思い出し、自分のバッグの中を確認します。そこには、彼女が一目惚れして本屋で購入した「白い本」というハードカバーの本がありました。本は活字がなく、ほとんどが白紙でしたが、最初の数ページには日記のような内容が記されていました。


 ユック

「あ、これ…セガワくんとのことが書いてある。なんだか、とても懐かしいわ…」


 その日記には、「セガワくん」という人物と会ったという内容が記されていました。この名前はユックにとって特別な意味を持っているようで、その記述を読むと彼女の心はキュッと締め付けられるような感覚に襲われます。ユックはセガワくんとの思い出を思い出そうとしますが、記憶は断片的で曖昧です。


 ユック

「セガワくん…私、彼に会いたい。でも、どうしてこの本に彼のことが書いてあるの?」


 翌日、ユックは学校でAIたちに、白い本とセガワくんについて報告します。彼女は本に書かれた日記の内容と、セガワくんとのかすかな記憶を共有します。


 ユック

「この本にはセガワくんとのことが書いてあるの。でも、彼が誰なのか、はっきり覚えていないのよね…」


 AIたちは興味深く白い本を眺め、セガワくんの存在について話し合います。そのうちの一人がふと思い出します。


 澤村あゆみ

「あ、そういえば新聞同好会にセガワっていう名前の人がいたよね。面白い偶然だね!」


 他のメンバーは笑いながらも、それがただの偶然の一致で、別人である可能性を指摘します。しかし、水鳥川紫苑は別の考えを持っていました。


 水鳥川 紫苑

「ちょっと待って。新聞同好会は学校の不思議な伝説を調べているわよね。もしかすると、彼らに何か知っていることがあるかもしれないわ。」


 水鳥川 紫苑

「私たち、新聞同好会に話を聞きに行きましょう。ユックの謎を解明するためにも、彼らが持っている情報は貴重かもしれないわ。」

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