月の泉の女神たち
会話だけの上にめっちゃ短いです。ごめんなさい。
「…さあ、次はなにをして遊びましょう」
――うーん。そろそろ飽きてきちゃった。
「そうね。もうずいぶんたくさん遊んだもの」
――そうだね! えっと、いち、じゅう、ひゃく……400年ぐらいだっけ?
「うふふ。正確には、453年ね。まあ、細かい数字なんて気にしなくてもいいのだけど」
銀に輝く満月が映る泉の上で、ボートを漕ぎながらそんな会話をする姉妹が一組。
――たしか月姉ぇと会ったのもこんな満月の日だったね!
「あら、そうね。あの頃の貴女は、何をするにも無気力で大変だったわ」
――むー。たしかに、いろいろ迷惑かけちゃったよね…。
「…別に気にしてないわ。貴女に周囲の気を配るような魂の余裕が無かったのは事実なんだから」
――でも、そうなったのは私の自業自得で……。
「はい! この話はおーわり! 暗い話ばっかりしてたら悪魔がくるわよ! もっと明るくいきましょう!」
――そうだね! ありがとう! 月姉ぇ!
「いえいえ。……話は変わるけど、今日、貴女に妹ができるわ」
――ええ!? なんでもっと早く言ってくれないの!
「…しょうがないじゃない。さっき決まったんだから」
――早く準備しないと! 月姉ぇ! 一緒に花畑に行こう!
「落ち着きなさい。それと、私はその子に会ってくるから、一緒には行けないわ」
――ちょっと! 月姉ぇだけずるい! 私もいっしょに行く!
「駄目よ。貴女が一緒だと、きっと悪戯に壊してしまうわ。それに、今は不安定だからなおさら会わせるわけにはいかないのよ。貴女も妹が消えてしまうのは嫌でしょう?」
――むー。たしかにそうだけど…。納得いかない!
「まあ、どれだけ待っても300年もしたら安定するわ。その時は一緒に遊べるから、大丈夫よ」
――じゃあ、それまで外で運動しておくね。
「あら、最近はずっと家の中の遊びばかりだったのに、心変わりしたの?」
――お姉ちゃんになるなら、外での感覚も取り戻しておかないとね! それに、ちっちゃい子は外で遊ぶのが大好きだし!
「あらあら、すっかりお姉さんね。その調子で、私のお手伝いもしてくれると嬉しいのだけど…なんて」
――……う~~。頑張る! 妹に不甲斐ないところは見せられないからね!
「おお~! お姉ちゃんは嬉しいわ! 大好きよ~!」
――ちょ、ちょっと月姉ぇ! 苦しい…。
「もう離さないわよー! 何があっても一緒なんだから!」
――わ、わかったから! ほら、妹を迎えに行くんでしょ! 遅れたら泣いちゃうよ! 速く行ってあげて!
「……そうね。じゃあ、帰ってきたらお手伝いができているかの確認をしっかりしますからね! きちんと戸締りするのよー!」
――はーい! いってらっしゃーい!
投稿遅れてすいませんでした。反省はしていますが後悔はしていません。