後日談……?
……物語には、いつか必ず終わりの時が存在する。
それは……どんな物語であれ、どんなジャンルであれ……必ずだ。
ーーオレ……火神 光は、そんな物語の最後はどれもハッピーエンドで終わるべきだと考えている。
だからこそ……『友人達』と『さよなら』を言い合った『あの瞬間』もーー内心は号泣していたが、顔だけは最高の『笑顔』で……『一人』と『一羽』を見送った。
……それなのにッ!!!
「ーーなんでお前が此処に居るんだよ!? 鳳凰!!!」
オレは声の限り怒鳴る! 目の前に居る、黄色い鳥へと!!!
『ふむ……大声を出すのは構わんが、傷が開くぞ?』
「ーーもう開いてるよ!! 物凄く痛くて泣きそうだよクソがッ!!!」
鳳凰は小さな溜息を吐くと、『やれやれ』と首を振る。
『元々、『鳳凰院』の家はワシを崇め奉るのが役目の家だ。つまりは、ワシの『お世話役』ーーまぁ、パシリみたいなモノなのだ』
……はぇ!? そうなの!?
『ワシは炎陽を無事、輪廻の輪へと送り届けた。送り終わったのだから、『世話役』の所に帰って来ても不思議ではあるまい?』
ーーいや、まぁ……そう、なのか?? でも、それならッ!!
「それなら、あの時の『さらば』って何だよ!? あんなん言われたら、誰だってもう逢えないんだって思うだろ!?」
『……ん? ああ、あれは俗に言う『行ってきます』みたいなモノだ』
ーーはぁあああッ!? 『さらば』が『行ってきます』って……はぁあああああぁぁぁッッ!?!?
◆◆◆
………………なぁ、こんな最後酷すぎないか??
ーー鳳凰達と別れたオレは、心の中で号泣しながらも満身創痍の身体を引き摺って一人で封怨山から下山した。
そんで鳳凰院家に帰ってみると……本家や分家の連中が全員、揃いも揃ってオレを捜していた。
……当然、オレは叱られた。母さんや婆ちゃんは号泣してたし、父さんと爺ちゃんにはメッチャ怒られた。ーー突然居なくなって、帰って来たと思えば大怪我をしていたのだから、仕方がない……というか、心配してくれた事に感謝している。
ーー此処までは良い。問題は此処からだ!!!
父さんと爺ちゃんにメチャクチャ叱られた後、母さんと婆ちゃんに怪我の手当てをしてもらい……オレは小腹が空いたので、一先ず、リビングへと向かったのだ。
……そしたら、其処に居た。何がってーー鳥が。リビングで飯を貪り食っていた。
驚いた。そりゃあもう、腰を抜かすレベルで驚いたさ。だが……直ぐにオレは考えた。
ーーまさか……まさかだよ? あんな風に『さよなら』をしておいて、こんなにアッサリ『再会』するなんてあり得ないだろ? きっと何処かから迷い込んで来て、チビ達が保護でもした鳥なんだろうなぁ……って、そう思い直したさ!!
でもーー、
『ーーおぉ、コウ! 帰ってきたのか、遅かったな!!』
……鳥のその一言で、オレの考えは直ぐに瓦解する事となった。
そしてーー今現在へと至る。
『そういうワケで、これからも宜しくな?』
口をモゴモゴと動かしながら、鳳凰は翼を差し出してくる。
ーー本当になに!? こんな最後アリですか!?
「ーーッ、はぁ…………」
そんな事を思いながらも、結局オレはーー鳳凰の翼へと手を伸ばしていたのだった……。
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
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ーー作者のモチベーションが上昇しますので!
では、皆様……本当にありがとうございました!