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そして今日もまた振り回される

作者: 夏樹

初投稿作品です。もしかしたら、続くかも…?

神さまは不公平だ。

もう何度となく呟いた言葉を頭の中で巡らせる。天は二物を与えないんじゃなかったのか。


目の前でピンピンしている神の寵愛を受けてます!といった様子の男を見てため息をついた。

「なーつき。どーしたのさ!はやくいくぞ!」

「一平凡な人間をあなたの秤で測らないでください」


ここは山の中。3合は登っただろうか。なのに、目の前の男はスキップでもできそうなピンピン具合だ。

日に透けて茶色くみえるサラサラな髪は1つも乱れていない。目が合うと逸らしたくなるアーモンド形の双眸。色白だかTシャツの上からでも身体が引き締まっているのがわかる。


なんなんだお前は。モデルか。体操のお兄さんか。お前が相手していいのは私なんかじゃない。もっと他に相手がいるだろう!愛ちゃんとか華織ちゃんとかあゆみちゃんとか!とかとか!

頭の中で三大美女を数え上げる。


そもそも私は家の中でゆっくりしたかったんだ。


それが、会社のみんなでお花見しよう、という話になって珍しく幹事をかって出たこいつに任せてたらみんなドタキャンしやがって。

なんにも知らずのこのこと出てきた私はなぜか山登りをしている。

おかしい。なにかおかしい。なんで気づかなかったんだこの違和感を。平和ボケした頭を殴りたくなる。


おかしいとは思ったんだ。いつもはこいつに熱を上げてる給湯室グループがキャンセルなんて。お調子者の佐々木までドタキャンなんて。

嵌められた。これはやられた。

こないだ貯めまくった領収書を期限ギリギリにどっさり提出したのを根に持ってるんだろうか。それとも資料をシュレッダーしたことか。


思い当たる節がありすぎて心が痛い。

「夏樹、なんで無視するんだ!まだまだ3合目だよ!」

「 も う 3合目だよ!10分のハイペースについてきてる平凡な私を褒めろ!」

息も絶え絶えに汗を拭う。

一方奴は涼しげに笑う。

「ほら!お花お花!きれいだねぇ」

「私が望んでいたのはこんなお花見じゃない!」

「お花が見たいんでしょ?爽やかに自然と戯れるなんて素敵じゃない。」

「違う私が思い描いてたのはたらふくツマミを食べ酒を飲み見上げたら花が見えるだらけたものでこんな健全なものじゃない!」

「頂上に行ったらわかるよ♪」

幾分楽しげな奴の背中を睨む。

すらりと長い足が器用に岩を避けて歩いていく。

人生諦めが肝心。もう何度使ったかわからない言葉を頭の中でひねくり回してため息をつく。一つ一つ、一歩一歩を大切にしながら。

てっぺんで、絶対ビール飲んでやる。

そんなことを心の中で誓いながら、また私は登り始めた。

最後まで読んでくださりありがとうございました♪

よければ感想や、アドバイス、お待ちしています( *・ω・)*_ _))ペコリン

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