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心の鍵  作者: 桜騎
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開始の時刻

 ……なんだか寒い。くしゃみをして、俺は目を覚ました。

 寝起きでぼーっとしている頭が、寒さのおかげでだんだんとはっきりしてくる。そしていつもの状態に戻った俺は、身に覚えのないことに驚き、跳ねるように立ち上がった。


「な、なんで俺はこんな服を着てるんだ!? 」


 俺は夜、確かに寝間着を着て布団にもぐりこんだはずなんだ。なのにどうしてこんな真っ白な服を着ている!? 訳が分からず混乱しているところに、誰かの声が聞こえた。


「目が覚めたか……」


おじさんの声だった。後ろを振り返ると、そこには30歳後半から40歳前半の男性が俺と同じような服を着て立っていた。まるでただ布を巻いただけのような、何もないまっさらな服。


 「ちょうどお前で最後だよ」


「最後って? あんたはいったい……ここは? 」


おじさんは首を横に振った。


「私もここがどこなのかわからない。私は日本に住んでいたただのおじさんだよ。とりあえず、落ち着いて周りを見てみなさい」


「周り……? 」


言われたとおり周りを見ると、俺やこのおじさんと同じような服を着た、年齢も性別もバラバラな人がたくさんいた。

 不思議に思っておじさんを問うように見ると、おじさんは苦笑しながら答えてくれた。


「私に訊いても何もわからないよ。ただ、ここの人たちはみんな日本人。しかもみんな何のかかわりもないってことくらいしかわからない。一応、みんな自己紹介は済ませてあるから、君も教えてくれるかい? 」


 自分は何も聞いていないことに少し不満を覚えたが、何もしないままでは始まらないから、仕方なく自己紹介をすることにした。


「俺は、七瀬大地、15歳。俺が住んでる場所は田舎だからたぶんみんな知らないと思う。この状況はよくわかってないけど、とりあえずよろしく! 」


子供たちの方からよろしくと言う声が聞こえてくる。


 「ありがとう。それじゃあみんな! これからどうするか相談し……」


おじさんが手を打って仕切ろうとしたとき、大きな音が声を遮った。


『全員、目が覚めたか? 』


低く野太い男の声だった。どこからか響いて聞こえてくる。


『私は……名前などどうでもいいだろう。ここを管理する者だ。適当に管理人とでも呼んでおけ。いきなりのことで驚いているだろうが、説明を聞いてくれ』


放送中、ざわざわとみんながしゃべっていた。なんなんだここは! とか、帰してくれ! という声が聞こえる。そのとき、大きな声が怒鳴った。


『黙れ! 全員死ぬぞ!! 』


その声に、みんな一瞬で黙った。


 『また騒がれると困るから簡潔に伝える。お前らにはこれから、殺し合いをしてもらう』


「……は? 」


再び、辺りが騒がしくなった。ここには子供がいるんだぞ! とか女や子供には不利よ! という声。しかし俺には、そんなことどうでもよかった。そんなことよりも、ただただその言葉の意味を理解しようとしていた。現状を理解しようとしていた。みんな、落ち着きすぎだろう? まずこれが夢かどうかも疑わないのか、と。


こんにちは、桜騎です! 今回は殺し合いですね! グロいですね……。実は私、殺し合いをするお話が大好きなんですよ! 誰かを想って自ら犠牲になったり、自分かわいさにずるい手を使ってまで生き残ろうとする醜くも強い人間の意志。見ててわくわくしてきます!これからこの話がどんなふうになるのか楽しみです!

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