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第2話 ~俺のこと

ボチボチ。


過度な期待は厳禁。

…俺自身が赤子となっていた。その事実に驚き寝オチしたわけだが、……あの日から三年経った。時が経つのが早すぎるって? そんなこと知るかよ、赤子プレイを見せるわけにはいかんのだ。こんなんでも前世では喧嘩無双の男よ? 赤子プレイを見せるとかって、………俺のプライドが許さんのさ!







とにかく三年経ったわけで、その間に色々と分かったことがある。まぁ…自分の存在を中心になんだけどな、三歳児だから仕方なしだろ。そういうことで、まずは俺のことからだな。俺の名前はミュゼ・ロゼッタ、女みたいな名前の男爵家長男なんさ。男爵家長男と言っても実子ではなく養子、俺の本当の両親は侯爵家らしいんだけれど俺はいらないみたいでね。自分自身の両親に俺を押し付けたらしい、何という親だろうか! ゴミクズ貴族じゃなかろうか!


…それで俺にとっては爺ちゃんと婆ちゃんになるのだが、自分達の息子…侯爵夫妻にキレたらしく絶縁したとのこと。俺を引き取り侯爵家から出て庶民として生きようとしたのだが、爺ちゃんと婆ちゃんはかなり出来る貴族のようで王様から待ったの声が掛かった。そこからの交渉の結果、たまたま空いていた男爵位を押し付けられたとか…。


爺ちゃんと婆ちゃんなんだけど、現在は俺の両親。爺ちゃん改め我が父親クルゼイ・ロゼッタ、婆ちゃん改め我が母親ルセリナ・ロゼッタ。優しくも厳しい二人の愛で、俺は今日まで元気に生きております。……因みに俺の本当の両親である侯爵夫妻、色々とやらかして侯爵家から追い出されて庶民となったらしい。侯爵家を継いだのは爺ちゃん…じゃなかった父上の弟、これがまた良い男なんだよ。いずれ紹介する時が来るだろうさ!


………ん? 本当の両親が気にならないのかって? ……気にしてどうするんだか、…俺には関係のないことだよ。四苦八苦した後に死ねばいいと思うよ? ………ふんっ!







…で俺の住んでいるこの国の名はフェルミナ王国というらしい。世界最強と誉れ高い精霊騎士団を有する強国であるが、父上曰くそれは過去の栄光であるとのこと。現在は精霊騎士というだけで威張り散らすクズの集まりだとか、…口が悪いですね。父上もそこに所属していたらしいけど、その時から緩やかに腐っていったらしいよ。顔と身分だけの存在なんだってさ、……クソじゃないか。


その話を聞いて俺は決意した、精霊騎士団には入らないぞ! …と。そもそも顔で弾かれると思う、…今世でも強面だし。三歳児で強面ってどんだけぇー!? …このまま順調に育てばマフィア顔は確実、モテる未来が想像出来ないよ。…何だか泣けてきたぜ!


精霊騎士団でピンと来たと思うけど、この世界には魔法があるようです。火・水・風・土・光・闇の六属性が基本であり、稀に氷やら雷が出てくるらしい。この世に生まれてくる者達には魔力があり、誰もが何かしらの属性を身体に宿しているとか。殆んどの者が一属性であるらしいけど、才能ある者は多属性で生まれる。多属性の者は貴族の中に多く誕生し、その者達が精霊騎士団に入るのが慣例らしい。故に自分達は選ばれた者と勘違いし、傲慢になって努力することをしないクズ騎士団になった…と。何というクズ集団だろうか? 努力をしなければ強くならないだろうが! 改めて思う、俺は絶対に精霊騎士団には入らないぞ! …と。


あ…後これも重要なんだけど、属性の素質は五歳の時に神殿で調べるらしい。何で五歳? と思ったんだけど、そんなもんだろうと考えないようにした。…因みに無属性、無能というのもあるらしい。魔力はあるけれど、属性魔法が使えないから無能。そう言われており、役立たずとかそういう風に呼ばれて差別されるとか。…ここら辺もクズ要素ですな、属性魔法が使えないからとかって…アホですか? 無属性というからには属性ありじゃん、何にも染まらない万能属性じゃないか。


そんな持論を展開したところ、父上と母上は俺のことを褒めてくれた。優しい子に育ってくれたと言って頭をわしゃわしゃと撫でられた、………何だか照れますな。褒められるのと同時に忠告も頂きました、その考え方は今の世では異端。発言には注意するように…とね、…気を付けるようにはしますよ。とりあえず後二年、楽しみで仕方がありませんぞ。素質調べの時に向けて、色々と頑張りますか! …うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!


────────────────────


そして二年の時が経った…。物心が付いた時から努力をしてきたが、二年前の三歳時に知った素質調べという人生最初の見せ場。そこへ向けて努力をしてきたわけで、今の俺は五歳児とは思えない程の魔力量を誇っております。精霊術師としてかなりの力を持っている母上の教えの下に、俺はこの日の為に瞑想は勿論のこと様々な修行を行ってきた。


火属性の魔力を宿す為に、身近でもっとも火を使用すると考える調理場で料理修行。水属性の魔力を宿す為に、身近でもっとも水を使用すると考えるメイド達の仕事に混じって家事手伝い。風属性の魔力を宿す為に、身近でもっとも風の吹き荒れる山を我が家の私兵に混じって登りまくる。土属性の魔力を宿す為に、身近でもっとも土を使用すると考える職人達に混じって建築等の仕事に精を出す。光属性の魔力を宿す為に、身近でもっとも神聖な教会へと赴き慈善活動等の手伝いをする。闇属性の魔力を宿す為に、火を灯さずに暗闇での鍛練に瞑想をして闇に慣れるようにした。


その他にも木を登ったり、嵐の中で剣の素振りをしたり、動物と遊んだりとか色々やった。遊んでいるだけのように見える行動もあるけれど、これもまた属性魔力を宿す為の修行なんさ。


生まれた時から属性が決まっていると言われており、俺の努力は無駄であると言われたことがある。…だが俺はそう思わない、生まれてからどう精霊達と関わったかで自身の属性、素質が決まるものと考えているのだ。俺の努力は実験である、自身を使った素質のね。この考えもまた異端、誰にも話してはいけない。


…とにかくファンタジーって凄いね、毎日が楽しくて楽しくて充実している俺です。全てにおいて充実している俺に死角なし、素質調べが楽しみで楽しみで。父上と母上、使用人達も俺の素質に期待を寄せている。気合十分やったるぜ!

のんびりいきたい。

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