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第9話 ~隠蔽術修行 その1

タグで悪役令嬢とあるのにまだ出てこない事実。


どうなることやら……。

素質調べが終わり、父上と母上に結果を報告すればレア男認定は確実。それをある程度抑える為に三属性と偽り、保険として隠蔽術を身に付けることに。…それに伴い世間の慣例である婚約者決め、才能がありすぎる俺は下手な婚約者を選べないっぽい。そこら辺は父上と母上に一任する、正直色々と不安があるけれど俺には何も出来ない。…はっきり言って知らないことがまだまだありそうだけど、…その時が来る度に教えてくれるよね?







…で次の日から、隠蔽術を身に付ける為の修行が父上の指導で始まった。俺の鍛練にいつも付き合ってくれる二人のメイド、ネムとダリアもこの修行を共にする。俺の鍛練が効果的であったらしく、この二人の魔力も急激に上がった模様。父上級なら確実に、それ以下の者達でも見れば察することが出来るらしい。それ故に他貴族やその使用人達から何かをされる可能性が極めて高く、それらから身を守る為にこの二人も隠蔽術を身に付けることは必須なのである。


当の本人達、ネムとダリアはやる気満々である。いつものメイド服から冒険者風の動きやすそうな服を着ている、俺との鍛練時に着ているヤツだな。何でそんなにやる気満々なのか? 鍛練・修行好きの脳筋系か? …最初はそう思っていた。しかし聞いてみれば、自分達のせいで俺が他貴族達から絡まれでもしたら一大事。それらを少しでも防ぐ為、俺を守る為の力となるのなら喜んで身に付けるという。


それを聞いた俺は、自分自身が何と浅はかなのだろうと思った。単純に脳筋系か? と思った自分を殴り付けたい、二人は俺の為にその身を虐める気なのだ。何て主人想い…俺想いなのだろう、幼い身の為に涙脆い俺は泣きそうである。…もう一つの理由は俺の専属となる為、先日父上が言ったことだろう。隠蔽術を身に付けることが出来たのなら、正式に俺の専属として二人を指名するとか…。専属となってまで俺に尽くそうとする二人、…俺はもう普通に感動で泣いたね!







隠蔽術を身に付ける為に修行、最初の段階は瞑想。…俺的に最初はコソコソしたりして気配を消す練習でもするのかと思ったんだが、まさかまさかの瞑想ッスか。いつもやっていることですよ? と思ってみたりしたのだが、父上が言うには俺が毎日やっている瞑想とは違うらしい。


「お前がやっている瞑想は自身の魔力を高める為のもの、身体の内にある魔力の流れを感じながらそれを昇華させるような感じだろう?」


…父上の言う通りだ。俺的魔力の高め方は、内に流れる魔力を混ざり合ったモノではなく綺麗な魔力にするもの。ゴチャゴチャと混ざり合っていたら質が悪いからな、イメージをしてそれぞれの魔力を別々に循環させる的な? 複数の魔力が混ざらぬように、電気の配線? 回路? そんな感じで意識し続けたら出来たもの。今思えば配線が十二本ぐらいあったような? …そのお陰で十二属性となったのかね? まぁそんな感じの瞑想をしていたら、こんなに凄い魔力となりました。


…で、父上に教わってやる瞑想はそれと違う。


「俺が教える瞑想は魔力を高めるものではなく、魔力と共に気配を消すモノ…隠すモノである。」


ふむふむ、…まぁ隠蔽術だもんな。瞑想の効果が違うのは当たり前、…でその内容はどのようなものなのか? 父上に教わりながらやってみようか。…なるべく早く身に付けて、後は練度を高めることに集中したい。目指すは王国最高の…いや、世界最高の隠蔽術を身に付けてみせる。







まずは身体に流れる魔力の属性を把握すること、俺の場合は十二属性だからその数だけ把握しなければならない。メイドのネムは二属性だから二つ、ダリアは一属性だから一つだな。多属性であればある程難しいと父上は言うのだが残念、魔力の方の瞑想でもう把握しています。当然、ネムとダリアも把握済み。物凄く綺麗で正確に十二属性を把握しとります、素質調べで十二属性と知った瞬間にね。火・水・風・土・光・闇・氷・雷・月・星・森・刻の十二属性が、内にある魔力配線の十二本に合致したのさ。


そのことを父上に言えば、


「…魔力を高める瞑想で把握していたのか? 属性が分からぬ状態で把握していたと? …流石はミュゼよ、十二属性を宿し精霊の申し子となるだけの才能を秘めた自慢の息子よな!」


と大興奮。父上も何だかんだで母上と同じ、似た者夫婦ということですな。…でそれはさておき、その部分は終えているんで次の段階へお願いします。







身体に流れる属性魔力を把握したのなら、次はその魔力と自分を同調させること。内にある属性魔力に身を委ね、自分自身を属性魔力と一体化させるような感じだそうで。…内に流れる魔力を自在に操るってことか? …だとすれば、確かに自分の属性を正確に把握してなきゃ話にならんわな。把握しないでグチャグチャのままだったら、操ろうにも上手く出来ないのは明白。無理にしようものなら暴発し、自分はおろか…周囲の人や物全てを飲み込んでしまう。所謂暴走状態になってしまうもんな、…何をするにも把握するっていうのは重要ってことか。


う~ん…、自在に操るっていうのはまだやっていないな。単純に流すだけだったし、なかなかに遣り甲斐がありそうだ。え~と、魔力に身を委ねて一体化だっけ? 俺的に解釈するなら、魔力という配線を俺の感覚に繋げてその流れを管理するってことでいいんだよな? 俺自身を変電所に例えて魔力の強弱を調整する、人間変魔所的な? …………ネーミングセンスがないみたいだな、…俺。


配線を俺に繋ぐ、配線を俺に繋ぐ……。簡単かと思ったら難しい、綺麗に繋ぐことが出来ない。雑に繋いでゴチャゴチャになるのは何か嫌だ、父上的には一体化…繋がればいいと言ってはいるけど。せっかく綺麗に配線されているんだから、最後まで綺麗に纏めたいと思うのは人間のさがだ。……やってやる、…やってみせるぞ!

期待せんで良いのですよ?

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