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娘がサンタさんにクリスマスプレゼントをお願いした♪

作者: 夢学無岳

すべてのお父さんと女性に捧ぐ…




0歳 クリスマスイブに娘が生まれた。私とママは大喜びした。「美咲」と名付け、この時から私はクリスマスプレゼントに何が欲しいか、毎年聞くようになった。



1歳 娘は立ち上がって、ときどき「アハァ」と笑うだけで、まだ何も分からないようだ。



2歳 娘はフラフラ走って「ママ……」と言った。だからママは添い寝をした。



3歳 「リンゴがいい」と言った。私とママは、枕もとに真っ赤なリンゴを1個置いた。朝、目覚めてそれを見つけると、娘はとても喜んだ。



4歳 ママが仕事に復帰したので娘は保育園に入った。「バナナがいい」と言ったが、私はリンゴも一緒に置いた。



5歳 「駄菓子がいい」と言った。私は袋にいっぱいそれを詰めてあげた。朝、娘の目はキラキラしていた。



6歳 「アンパンマンのおもちゃがいい」と言った。娘は毎日、毎日それで遊んだ。



7歳 娘が小学校に入った。「アイロンビーズがいい」と言った。家中が、七色のビーズの星やハートだらけになった。



8歳 「おもちゃのミシンがいい」と言った。3か月で飽きたようだ。



9歳 「おもちゃのお化粧道具がいい」と言った。休日のたびに、ママと楽しんでお化粧している。



10歳 「ニンテンドー3DSがほしい」と言った。家でも家族でお出かけの時も、いつも持ち歩いている。



11歳 「スマホがほしい」と言った。子供用のおもちゃのスマホにしたら、ひどくがっかりしていた。



12歳 「スマホが欲しい」と言った。こども図鑑のセットにしたら、娘はサンタさんに怒っていた。



13歳 娘が中学校に入った。「スマホが欲しい」と言っているが、サンタさんにではなくママにだった。



14歳 「服が欲しい」と言った。そしてママと買いに行った。



15歳 「タブレットが欲しい」と言った。安いのを買ってあげた。



16歳 娘が高校に入った。「お金が欲しい」と言った。休日はいつも友達と出歩いている。



17歳 「お金が欲しい」と言った。アルバイトを始めたようだ。



18歳 「お金が欲しい」と言った。はじめて娘から花束をもらった。目頭が熱くなった。



19歳 じっと下を向いて、「パパ……」と言った。私はむせび泣いた。




 美咲…、ごめん、ごめんね…。


 私が入院してから苦労をかけたね。


 いつもママを助けてくれてありがとう。


 ありがとう…、美咲。



 私は自分の真新しい仏壇の中から娘を見つめた。


 彼女の姿が月に光る波のようにゆらめく。




 クリスマスイブの雪降る夜、


 私はサンタさんに「娘とママの幸せ」をお願いした。










読んでくださりありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[一言] うわ〜ん。・゜・(ノ∀`)・゜・。 泣ける! い〜お話ですね〜!! 美咲さんには絶対に幸せになって欲しいですね(*^^*) あ。 ちなみに、私は今でもサンタさんがいると信じてますよ(#…
[良い点] 単純な言葉の言い回しで読者を引く付けてくれました。 磨き上げた言って良い単純な言葉が紡ぐ物語の可能性を示していると思います。 [一言] 暖かな家族の風景と逝ってしまったお父さんの無念、優し…
[一言] ∀・)読者の視覚を読ませることで巧く誘導しようと試みた作品ですね。深いメッセージが作品の中に込められているようで、なんだか素敵でした。拙作「THE ROOM」に登場する主人公とその娘に相通じ…
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