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反転世界  作者: みねぱい
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平和な世界

俺は今魔王の城で魔王と戦っている。魔王の城ってのはよく作られたもんだな。黒や紫の色をバランスよく壁に埋め込み、どこで買ったか作ったかわからない不気味なシャンデリアを何個も置き、3回建てで広々としたスペースにもてなされるかのように敷かれた赤いカーペット。おっと、少し考えすぎてしまった。魔王と戦うってなると、いつも過剰に強いと思ってしまってレベルを上げすぎてしまう。そのせいで魔王がまるで赤子のように倒せてしまう。そうこう考えている内に最後の一突きが決まった。なんだかんだ強くても弱くてもラスボスを倒したっていうのは悪い気はしない。だがこの冒険の終わりを告げてしまうってのは、どこか嬉しくどこか虚しい。魔王から光が解き放たれ、この世に平和がもたらさ…「ギィィガグェェェ!!!!!!」脳ではなく体が感じている。足の裏から頭のてっぺんまで奮い立たせるこの爆音は絶対に平和の世界なんて存在しないと物語っているような、そんな爆音だった。2秒反応するのが遅れて振り返ると、さっきまで光を発しながら飛び散りそうだった魔王は全てを闇へと変えるダークマターのように吸い込んだ。俺は考えるより先に体が逃げろと言っていたので魔王の城から飛び降りた。 その瞬間に空間もろとも消し去り、異様な雰囲気を放っていた城は消えて無くなったが増大した暗黒の球は弾け飛んだ。そして一瞬だけ辺りが闇に包まれたような気がしたが、本当に一瞬ですぐに雲ひとつない綺麗な青空に戻った。よくわからなかったが、とりあえず平和になれ… 「プニィガゥゥウガァァ!!!!!」可愛いのか怖いのかわかんが、今やばい事が起きてるのは確実だと察してしまった。2回目なら反応も早くなるしな。ていうか今更だけど最後まで喋らせろっていうツッコミは置いとこう。後ろを振り返ると、遠い遠い所に黒炎の火柱と言うべきか暗黒の巨塔と言うべきかわからないが、紫の光が荒れくるいながら天空を貫いた。先ほどの雲ひとつなかった空はみるみる内に不快な雷雲へと変化していった。


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