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夏生詩集

ぶっとい虹

作者: 夏生

こんな嵐の朝に

仕事だなんて


雨が降ったらお休みしていた

何とか大王がうらやましい


行きたくないよ、と

全身全霊で叫んでみても

理性はこんなとき、やけに

しっかりして


みんなも頑張ってるんだ

仕事は仕事

社会人として云々

うるさい


電車の遅延わかっていながら

舌打ちひとつ、ため息ふたつ

苛立ちの臭いが充満する


事務的な会話があちこち聞こえ

我先に我先に急げ急げと

押しのけられて


タクシー乗り場の葬列に回れ右

容赦のない大風に

朝の支度を全部吹き飛ばされて


情けない音が漏れた時

ふと見上げた空に虹が


ぶっとい虹のアーチが

空を跨いでにっこり笑っていた


あ、虹……

立ち止まっているのは私だけ

行き交う人は下を向いたまま

ぶっとい虹に気づかない


ぶっとい虹、独占だ!


早く行けと私の理性

はいはい行きますよ

わかっています


しぼみかけた私の朝に

ぶっとい虹がかかった

きっと今日はいい一日になる


嵐は去ったのだから



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― 新着の感想 ―
[一言] ゆとりがなくなった時に見つける自然の美しい姿って、嬉しくなりますよね。 お仕事、お疲れ様です。
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