遠ざかる希望
信玄の一〇八計・信玄堤により、雪崩れ込む土砂に呑み込まれようとする行也達。
そんな状況を打開しようと、黒田は防災番組を参考に状況を打開しようと策を練ったのだった。
「戦国一〇八計・信玄堤。」
少し掠れた威厳のある声と咳が部屋に響く。
「行人は弾丸斬! 皆は実季の後ろで縦一列にな」
黒田の早口言葉が終わらない内に。信玄がひっこんだ部屋の襖が吹っ飛び。
そこから土砂が堰を切ったように部屋に雪崩れ込んだ。
勢いよく飛び出した砂の猛獣は津波のように行也達へ襲い掛かる。
「島津弾丸斬!」
「花筏!」
行人が放った風の巨大な弾丸はその猛獣を押し返すが。十秒後には砂に包まれて消えた。
その間に実季は桜の花に息を吹き掛けていた。柔らかいピンク色の桜が周囲に舞い。
大きな筏を形作った。激流に真っ正面からぶつかる筏。それは茶色い紙やすりをハサミで断ち切るように走る。
「やべえ揺れる!」
小早川の指示で細川ミラー、四国の蓋、鍋島の鉄板を片手で頭上に掲げ、空いた片手で互いの肩を持ち、百足競争のように一列になった行也達は。巻き起こる砂塵に咳き込みつつもそっと目を開けた。
泥水の中で目を開けているような茶色い景色が彼らの視界に広がり。
頭上の細川ミラーや四国の蓋には。カンカンと尖った雹のように水晶がぶつかり落ちた。
そんな苦しい状況で。馬場・高坂・内藤はロープを強く掴み。
空中ブランコのように勢いをつけて筏へ飛び降りた。
「山県殿ーー!」
「殿には触らせぬ!」
「……御覚悟を!」 最後尾に居た鍋島は高坂を槍の柄で突いて砂の海に叩き落とし。
元から列を抜けていた高木も飛び降りてきた内藤の兜を叩いた。透明になったその兜を外すと、高木は彼の体を横たえる。
そして鍋島の前に居た龍造寺も列を抜けて馬場の振り下ろした刀を弾き返し。馬場の鳩尾を槍の柄で突いて気絶させた。
砂上を砂しぶきを上げ爆走する花筏。勢いそのままに信玄の引っ込んだ部屋へ突入。
数百メートルはある奥行のある部屋の奥。桜水晶の巨大な虎の壁の向うに。
信玄は軍配を構えて座っていた。
「信玄だ!」
桜の船上の行也達は掲げていた細川ミラー、四国の蓋、鍋島の鉄板を高さをピタッと揃えた。
その冷たく光る金属の屋根に海は登る。長宗我部は海の足に巻き付けたラーシャの鞭…命綱をしっかり掴んで叫んだ。
「海殿! 絶対に危なくなったら止まれ!」
「わかった! ……長宗我部・百足斬!」
海が刀を突き上げて叫んだ瞬間。自身のブーツの底は青く輝く百足と化し。
陣羽織は飛び魚の羽を巨大化したように形を変えた。
彼は電動ローラースケートで滑るように銀の道を行く。
「とびう゛おーーー!」
ラーシャの鞭を足に巻き付けられた海は助走をつけて踏み切ると。
水面へ飛び込むような姿勢で宙を飛ぶ。
彼は体を一直線に伸ばしたまま刀を突き出し。自らをドリルと成して回転しながら空中を切り裂き進む。
「シンゲンサマァ!!」
立ちはだかる虎の壁を丸く抉り。海は空中スライダーの終点・信玄のもとへ。
軍配を頭上にかざす信玄。だが。夜空が弾けるように紺の軍配は飛び散った。その下の兜には刀が突き立ち。卵の殻のようにミシミシっとひび割れていく。
そして。ついに透明になった。
変身が解けた信玄は、頭を抱えてよろめきだす。
「危ない!」
刀を突き立てた後に受け身を取って着地した海は。
直ぐに立ち上がり信玄の元へ走った。彼は目を閉じて後ろにぶっ倒れる直前の信玄の体を支え。そっと横たえた。
「これでよし!」
「海殿!」
先頭ぶっちぎりでかけてきた長宗我部。彼は海の体全体を頭を上下にガクガクさせて見た。
「怪我は!? ぶつけた所は!?」
「ないよ。心配してくれてありがとう。」
「よかっ……た……。」
両手で顔を覆って鼻水をすする長宗我部。
彼が海の足首の鞭をほどいている間に少し遅れて行也達も合流。
周囲を見回しながら、彼らは交代交代で素早く変身をし直した。
高木の冷泉の兜は一時間、行也達の兜は二時間で変身が自動的に解けてしまうからである。
その間に母里は栗山を肩車した。
「どうしたんじゃ?」
「殿。元の設計図と違う構造のようですが、何となく友樹殿の部屋がこの上にある気が致します。」
いつ敵が来るかわからないと思った栗山は早口でそう言うと。
槍で天井を一定のリズムでつついた。
「裏日本では恐らく知られていない、友樹殿が好きな曲です。……あ!」
栗山が止めた曲の続きを奏でる音が天井から響く。 絶対音感のある輝は断言した。
「……この叩き方は友樹お兄ちゃんです。丁寧な音だから。」
「さすが輝じゃの。利安、太兵衛、よくやった!
立花殿!! 備前長光で天井を薄皮一枚残してぶち破って友樹を救ってくれ!!」
「立花は不器用です。友樹殿ごと斬ってしまうであります!
……手先が器用な加賀殿にお願いしたいであります。」
立花にとっては父の大事な形見の刀である。あまり他人には触れさせたくはない。
しかし今はそれどころではないと彼は判断。刀を涼太に託すことにした。
「少々お待ちください。刀の準備をするであります。」
立花は自転車の空気入れを動かすが如く刀を鞘から何度も出し入れした。
「備前長光よ! 明日への道を切り開け!」
鞘との摩擦熱で備前長光は打ち立ての鉄のように赤く輝き、電動鋸のように振動し始めた。
「これは凄いですね〜!」
涼太は母里の肩の上に立ち。彫刻刀で板を斜めに削いでいくかのように天井の壁を掘り進む。
友樹からもらった髪どめを握りしめてヨッシーは祈り。行也達は周りを警戒しながら涼太を見守る。
数分後。
「あとちょっとです。春彦、竹馬持ってきて。」 涼太は受け取った竹馬を木槌のように構えて天井を叩く。すぐにメリッと音がして穴が空いた。
「友……も」
涼太が天井穴から上を覗き込んだ途端。彼の顔上に銀の点が高速で落ちていく。だがそれは数ミリ上でピタリと止まった。
「信長様のご厚恩を裏切りやがって!! おまけに俺の槍を変形させやがったなくそ野郎ーー!」
天井からは怒声と人がドサッと倒れる音が響く。
涼太はその間に肩車から飛び降り。太兵衛も穴から遠ざかる。
「コイツの命が惜しけりゃ早く上がって来……」
「ふごごごごー!」
凶暴で怒り狂った声にか細いが芯のある声が被さった直後。人の体が滑る音、続いて甲冑が倒れる音が響く。そして輝の耳には木枯らしがごくごく微かに聞こえた。
「あれ……?」
「なんか冷たい空気が入ってこなかった?」
敏感な海の言葉に頷く輝。一方、黒田は周りに問う。
「友樹は何て言ったんじゃ?」
ヨッシーは涙目で天井を見上げ。金属をつんざくような叫びを発した。
「逃げてって……。そんなのヤダー! ヤダー! 絶対絶対絶対ヤダー!」
「……階段はあっちだ!」 海を先頭に走り出す行也達。しかし彼らの足は階段前でピタリと止まった。
「俺は織田四天王・柴田勝家! この先は通さん!」
階段の前には高さ数メートルの巨大な蓋付き瓶。
底部には小さな車輪、側面には雁のレリーフがびっしりと張り付いたその瓶は。 奥に行くにしたがって階段への通路を狭める。特に、一番奥の列は脇を横向きの龍造寺がギリギリ通れる隙間しかなさそうである。
「太兵衛、ワシを思いっきり高く投げ上げてくれ。」
黒田はふわりと宙に浮き、瓶の並びを俯瞰した。
「上から見ると逆三角形に見えるように、瓶同士が糸で繋がっている。
数は十五個。四列。
一列目に一個、二列目が二個、と一個ずつ増えていく配置じゃ。
ちなみに蓋で瓶の中身も柴田の姿も見えん。」
辺りをキョロキョロ見回す皆。埒があかないと思っ行人は刀を構えた
「先生! 邪魔だから割ってもいいよな!」
「ダメじゃ! 瓶を割るとヤバいガスが漏れる。」
何でそんなことがわかるのか、と問う皆を見回し。黒田は淡々と答える
「先程、記憶を大分取り戻した。ワシは最後の兜なんじゃ。
「……他の道を探した方が早い……。」
踵を返してドスドス走り出す龍造寺。それを追う皆。しかし。柴田は瓶を揺らす声を発した。
「腰抜けどもめが! ……柴田の瓶!」
それぞれの瓶に張り付いた雁が一斉に羽ばたき。百匹の戦闘機と成る。
雁はくすんだオレンジ色の素焼きに白く艶やかな釉薬が掛かった羽をバサバサ動かし。
くちばしを銀色に光らせながら行也達へ走る。
「一旦引くゼ!」
更にスピードを上げてダッシュする行也達だが。あっという間に銀のくちばしの戦闘機は行也達を追い越し回り込んだ。
白い紫陽花ドームのように行也達を覆った雁は。
千枚通しと見紛う銀のくちばしでガシガシガシガシ皆を突く。
「……うっ!」
「菊池殿!」
明智は引っ掻き傷のついた右手で光紀の二の腕をつつく雁を一刀両断。皆も雁をザクザク斬っていく。 一方。小早川は輝に話しかけた。
「柴田の声はどこから聞こえましたか?」
「前から四列目、左から二番目の星柄の瓶です。……あれ?」
気のせいかな。と疑問を呈した輝だったが。
その声は雁のバサバサという羽音と、春彦の声にかき消される。
「柴田はあの瓶の中にいるんじゃな!」
春彦の馬鹿デカイ声で皆にその情報が周知されると。小早川は移動して黒田に小声で尋ねた。
「瓶が倒れた場合も漏れますか?」
「割れなけれ大丈夫じゃ。……そうか!」
「適役が居ます。」
斬っても斬っても涌いてくる雁の嵐の中で。あちこち移動する小早川。彼は最後に涼太へ話しかける。
「涼太殿。あの十五個の瓶をボーリングの要領で倒して下さい。
先頭の瓶には当てないで下さいね。他の瓶と違って薄いですから。
ボールはこれを。」
ボールを見て僅かに顔をしかめた涼太だが。まとめて倒された雁が一瞬居なくなった瞬間に瓶へと走り。慣れたフォームで投球した。
地を這うように駆ける紫色のボールは雷を纏って瓶へ突撃。
それが直撃した二列目の瓶が導火線となり。連鎖的に瓶が倒れていく。
「ストライクー!」
衝撃により雁はそぼろのように崩れ、二度と羽ばたくことは無かった。
しかし。瓶は二本だけ立ち上がる。その瓶は前後に揺れながら行也達の元へ走ってきた。
「柴田の他にもう一人居たのか!」
「取り敢えず逃げましょう! ……ラーシャ殿。」
再び元来た道へと逃げ出す行也達。走りながらラーシャ、続いて龍造寺に耳打ちする小早川。
そんな彼らを追いかける二つの瓶。
だが。信玄が居たスペースに行也達が走り戻ったところで。二つの瓶は前のめりにぶっ倒れた。 ぴったり速度を合わせて併走していたラーシャと細川の拡げもったゴールテープに引っ掛かったのである。
「……某は痩せたと言うのに!!」
一つの瓶に龍造寺が不満げにドスンと座り。もうひとつの瓶には神崎が立った。
「お前らは先に行け! ここは俺達に任せろ!」
「…任せられません。意外と迂闊な義兄上には。」
「殿を置いて行けません!」
睨み付ける神崎の元へ走った霧沢と鍋島は『アロンβ』をリュックから出す。そしてそれで瓶と蓋の隙間を埋めながら叫んだ。
「…早く行け!」
「俺達もさっさとコイツらを倒して後を追います!」
「すまん! さあ皆! 急ぐぞ! 友樹が危ない!」
黒田の言葉にはっとした行也達。ちらちらと横目で神崎達を気にしつつも、階段を上がって二階の友樹の部屋へと向かう。
輝は先程から気になっていたことを皆に告げた。
「友樹さんの部屋から人と甲冑がどさっと倒れる音がして…その他にも二人くらいの音がしました。あと海君も言ってたんですけど冷たい風が入ってきた気配が……」
「うん。冷蔵庫の扉を一瞬開けた感じ!」
「部屋の場所から考えて窓はないでござるし……暖房が切れたでござるか?
とにかく戸の向こうは何があるかわからないから拙者が先頭でござる。」
長宗我部と島津は海と行人を銃を構えた春彦と明智の後ろに下がらせ、鉄の分厚い引き戸を細く開いた。
二人がそっと覗いた部屋にいたのは片手に小さな銃を構え、手足を縛られた友樹を蹴飛ばす二人の男。
今まで戦った足軽とは違う服装と雰囲気である。そして彼らの他に。
目を閉じて横たわる軍服姿の森。
彼の横には小さな兜が転がっていた。
思わず島津と長宗我部は引き戸を思いっきりバーンと開け放つ。
「友樹殿に何するでござるか!」
「無抵抗だというのに!」
「俺らの税金で何で旧日本人に何でぬくぬくと生活をさせなきゃいけないんだよ!! こいつはぶっ殺してやる! 薄汚い旧日本人の血を…」
二人の演説中に春彦は明智に合図をし。明智が頷いたのを見て叫んだ。
「頭を下げてつかぁさい!」
「誰がお前らなんかに……あ!」
島津と長宗我部という壁がパタンと倒れたと同時に春彦と明智は発砲。
弾丸は目前の二人の銃を持つ手に命中。
「お前らは許さないでござる!」
二人が手を押さえて悶絶している間に島津、長宗我部、行人、海は二人に走り近付き。
槍で二人の鳩尾を突く。さらに気絶して倒れた彼らから銃を奪った。
一方春彦と吉川は森をグルグル巻きにし。
行也達は友樹の両足の縄を解き、猿轡を外した。
「友樹さん大丈夫ですか!?」
「うん。ありがとう。皆さんもありがとうございます。」
手をぷらぷらさせ、座ったまま皆を見回して頭を下げる友樹。
ヨッシーは彼の頬が少し腫れ、傷から血が出ていることに気が付いた。
「島津殿! マキルンと大きな絆創膏取って!! ……ありがとう。
友ちゃん、ちょっと痛いけど我慢してね。」
ヨッシーはそっと友樹の肩に乗り。彼の顔にマキルンをかけ。絆創膏を丁寧に貼った。
「お腹は痛くない? 痣とか出来てない? 手はさっきぷらぷらさせてたけど大丈夫? 折れてない? 足は?」
心配そうに見上げるヨッシーに友樹は優しく微笑んだ。
「大丈夫。……ヨッシーは何だか大人になったね! しっかりしてきた!」
「……そうじゃなきゃ、戸次と高橋に合わせる顔がないから。」
妹の成長を喜ぶ兄のような暖かい友樹の眼差しに、ヨッシーは自分を奮い起たせようとする意思と悲しみが混ざった眼差しを返す。 友樹は思わず周囲を見回した。いつもヨッシーの側にいるはずの二人がいない。皆…特に立花の顔が悲しみに染まっていることに気が付いた友樹は深いため息を吐いてヨッシーの頭に手を置いた。
「……ヨッシーも…立花さんも…辛いね。……いや。」
友樹は首を振ると行也の手を借り。よろよろと立ち上がって立花に頭を下げた。
「僕があっさり捕まったたからこんなことに……申し訳ないです……。」
「友樹殿も誰も悪くないであります! お心遣いはありがたいですが早くここを出て鍋島殿達を助けに行くであります!」
「そうじゃな!」
「武器を捨てて投降しなさい!!」
黒田が言い終わらないうちに。行也達はいつの間にか部屋の手前に居た蒲生、岡、名古屋に銃口を向けられた。奥には足軽も十数人居る。
「命が惜しけ……こら!」
行也は転がっていた森をぽいっと投げて素早く鉄の引き戸を締めた。
高木、行人、田中、立花も戸を押さえる行也に加勢。
行也の背中の黒田は叫んだ。
「バリケードを作る! タンスを運ぶんじゃ!」
どんどんとドアを叩く音が響く中。てきぱきとタンスやらベッドやらを運ぶ吉川達。
一方、黒田と小早川と明智と友樹は輪になって思案した。
小早川は部屋をぐるりと見回す。
「隠し通路か出口があるかもしれません。
外階段も窓もないのにあの二人はどうやって入ってきたのでしょう。
荷物には変装道具はありませんでした。
輝殿の証言では私達が信玄の部屋にいる間に侵入したようですが、冷たい風が入ってきたというのも気になります。
友樹殿。何か思い出せませんか?」
侵入者本人が口を割らなかったため(起こされた彼らは再び気絶中)、
友樹からなんとかヒントを引き出そうとする小早川。友樹は低い声で唸ると、少しづつ話し始めた。
「僕が森さんに突き飛ばされて転がって……その時に冷たい風が入ってきて……その直後に森さんが前のめりに倒れて……。」
「その位置と向きを再現していただけますか?」
入り口を頭にして倒れる友樹。小早川達、さらに栗山と母里は友樹の足元……入り口と平行の壁を叩く。「ここだ!」
母里が壁の一部を蹴飛ばすと。ぐるんと壁が動いた。
「回転扉か!」
扉をくぐる皆。さらに奥の回転扉もくぐり、ついに二階のバルコニーに出た。「怪我人の友樹から先じゃ!」
出口を見つけて少し安堵する彼ら。
……しかしそれは一瞬の出来事だった。
あっという間に彼の体は夜空を舞い。
四階の天守閣に吸い込まれた。
「コイツの命がおしいならてんしゅかくまでこい」
少したどたどしい日本語でそう言うと。
釣った友樹を肩に担いで黒い肌の男は消えた。
――一方。幽斎と本多博士は地下室でひたすら電話をかけていた。
「駄目です。武田少将にも信長様にも繋がりません。」
「謙信様と家康様にもですわ。」
研究室の一室で溜め息を吐く幽斎と本多博士。
幽斎は藁をもすがる思いでラーシャの父・ラザニアに電話してみた。
「顔の広い彼なら何かヒントを下さるかもしれません。
……もしもしラザニア先生ですか? 初めまして。
私は戦国博士の旧友で細川幽斎と……ああ、お取り込み中でしたか。申し訳ありま」
ガチャン! と昔懐かしい音を立てて切れる電話。幽斎は頭を傾けて呟いた。
「裏教皇……キラン……美術品……行人君くらいの少年の声も聞こえましたし、何故あれほど騒がしかったのか……。」
天守閣にやって来た行也達は、ついに信長、家康達と対峙する。
一方、ラーシャの父・ラザニアは志願した時高達を引き連れて、AREのとある場所へ向かう決意をする。
次回「ヨッシーの最後」




