3/3
タイトル未定2026/01/27 18:58
その後、父は太鼓で全国大会に出るようになり、そのたびに開催地へ足を運ぶようになりました。
当然、旅費はかさみました。家計のことなど、考えている様子はありませんでした。
休みの日になると、父は朝早くからパチンコ屋の開店前に並び、夜ご飯の時間になっても帰ってこない日が続きました。家にいない時間が増えていく一方で、家の中にいるときの父は、以前とはまるで別人のようでした。
少しでも気に入らないことがあると、頭を打たれる。
理由はいつも曖昧で、「気に入らない」「機嫌が悪い」――それだけでした。
ちょうどこの頃からだったと思います。
父は、気に入らないことがあると夜ご飯のお皿をひっくり返したり、昼のお弁当を外に捨てたりするようになりました。帰ってくるなり、母に怒鳴り散らすことも日常になっていきました。
夜ご飯の時間は、いつも苦痛でした。
何がきっかけでスイッチが入るのか分からない。
どんな言葉、どんな表情、どんな音が引き金になるのか、誰にも分からない。だから、食卓に座っている間、私はずっと身構えていました。
「今日は、何も起きませんように」
そう願いながら過ごす夜が、当たり前になっていったのです。




