表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

スカートの中 -2

 イケメンでチャラくて馴れ馴れしいのが流星(りゅうせい)。真面目でしっかりしてるのが大介 。大人しいのがモカト。いや、モカトは大人しいというより人付き合いが苦手で、特に女性への免疫が無いタイプに見える。

 最近話題になっているファンタジー映画の話題になったとき、大介がモカトに話を振った。その途端、モカトは火が付いたように語りだす。

 原作がどうとか、声優の演技がどうとか。モカトの語る様子に、奈津子と瑞希が引いている。それに気づいた大介が、話題を変えようとするが止まらない。


「そもそも、原作の主人公の性格を映画は表面的にしか描いていない」


 みちゃこは、モカトのような男が苦手。出来れば関わりたくない。しかし、話題になっている映画の原作小説は大好きで、映画の方には納得出来ない。その不満が、モカトの主張と一致していたので、つい反応してしまった。


「原作の主人公って、もっと口下手な感じだよね」


 みちゃこの反応に、モカトは嬉しそうに加速した。アルコールで冷静な感覚失っていたみちゃこも、モカトのマシンガントークに共鳴し、2人は小説の話題で盛り上がる。


「モカト、みちゃこちゃんは運命の人じゃね? こんなに話の合う人いないだろ」


 流星の冷やかしを、真っ赤になって否定するモカト。そんな様子を見ていて、みちゃこもモカトをからかってみたいという衝動にかられる。


「私は、モカトは無しじゃないんだけどなー」


 しどろもどろになるモカトが可愛らしく感じ、みちゃこは更に追い打ちをかける。会話の流れでモカトにボディタッチする度にモカトの肩は跳ねるように反応し、顔は真っ赤に染まる。それを流星は、滑稽な玩具を見つけたかのような表情で笑う。


 日付が変わる頃、大介と瑞希が終電だからと先に席を立った。流星は、自分で注文したロングアイランドアイスティーをみちゃこの前に置く。みちゃこがそれを少し飲んだところで、流星が店を変えようと提案し、席を立ちながら言いった。


「みちゃこちゃん、飲み物残しちゃだめ。早く飲んで」


 流星が上着を羽織るのを見て、みちゃこは慌ててロングアイランドアイスティを飲み干す。既に強いウィスキーロックを数杯飲んでいる為、このカクテルは清涼飲料水のように感じられた。


 先導して進む流星の腕に、奈津子が絡みつく。その後ろを、みちゃことモカトが並んでついていく。駅前通りから暗い裏道へと入り、飲み屋とは明らかに違う雰囲気の建物の前で流星が足を止める。その建物を見て狼狽えるモカトを流星が笑う。


「みちゃこちゃん、モカトをちゃんと卒業させてあげてね」


 流星と奈津子が先に自動ドアの中に消える。ぎこちない様子のモカトを見ながらみちゃこは意味ありげに笑い、手を取り身体を寄せて歩き出す。すると、モカトも抵抗することなく歩き出した。


 自動ドアをくぐると、客室のパネルが並ぶ廊下。既に、流星と奈津子の姿はない。みちゃこは、モカトの表情が期待なのか不安なのかは分からなかった。再びクスリと笑いかけてから、宿泊8000円と書かれた客室パネルのボタンを押した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ