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すれすれの密会 -3

 ペットコーナーに、モカトがいた。不機嫌そうなモカトに、何も言わずに抱きつく。もう、逃がしたくない。モカトの胸に顔を押し当ててから、顔を見上げる。そして、おもむろに唇を合わせた。

 我を忘れたようにしながら、冷静な気持ちも残ってる。いくらカートを押してるとはいえ、もうすぐ夫が来てしまう。


 みちゃこはモカトの手を引き、売り場の影を通りながら1番遠い材木コーナーへと移動する。人が少なく、高い棚のお陰で死角も多い。

 合板と非常口の間の暗がりで、モカトと長く深いキスをする。

 いつ誰に見つかるかも分からない、夫に見つかる前にやめなければいけない。 そんな思考が心を掻き立て胸の高鳴りを増幅させる。

 いい加減、もういかなくてはと思った時、モカトの手がみちゃこのコートの中に滑り込む。

 ニットセーター越しに胸を触られ、思わず声が出そうになる。デニムスカート越しにモカトの手に股をなぞられ、息が荒くなる。


 このまま流されてしまいたいと思いかけた瞬間、モカトの手と唇が離れた。


 「屋上駐車場で待ってるね」

 そう言って、モカトは1人でいなくなってしまった。


 材木売り場を出ると、夫がいた。

「あなたを探してるうちに、ここまで来ちゃってた」


 夫があっさり信じてくれたからなのか、みちゃこは罪悪感が浮かんでいないことに自分で驚く。


 支払いを済ませ、駐車場を夫と歩く。もうすぐ車に到着するという頃に、みちゃこはまたあの言葉を放つ。


「トイレ行きたい」




「ダメだ、行くな」

 僕は、スマホに向かって叫ぶ。




 平日の日中、雨の降る屋上にはほとんど車はない。エレベーターホールで待っていたモカトと手を繋ぎ、身体を密着させて外へ出る。エレベーターホールから1番遠い所に、設備小屋がある。その軒下で、モカトとみちゃこは愛し合う。

 互いに衣類がはだけたが、寒さは全く気にならなかった。むしろ興奮して暑くさえ感じた。挿入とはならなかったが、いつだれに見つかるかもしれないという状況に興奮が煽られ、あっという間に2人は絶頂に到達した。




 ズボンの中で吹き出し、生暖かくて気持ち悪い。こんなものを読みながら、僕は怒りと共に興奮しぶちまけていた。言い様の無い敗北感に襲われる。賢者タイムと言うが、賢者ならこんな行動はしないだろう。そんな意味の無いことに、思考が巡る。

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