すれすれの密会 -2
← アメリ着いたよ
SNSを送ったが、モカトから返事は来ない。取り敢えず、ツリーを選びながら返信を待つ。モカトを驚かせるくらい、大きなツリーにしたい。1メートル以上あるツリーに決めたが、早々に買い物を終わらせる訳には行かない。しばらく迷っているふりをした。
「吟味してるね、まだかかりそう?」
夫が話しかけてきたので「うん」と答える。夫は人混みを避けたいらしく、広い通路の方へと離れていった。その夫とすれ違い、逆に近付いてくる男性にみちゃこの視線が吸い寄せられる。
「モカト」
心の中で叫びながら、無意識に笑顔になる。モカトの向こうにいる夫がこちらを見ていないことを確認し、再びモカトに視線を戻す。しかし、モカトは不機嫌そうな表情で横を通りすぎ、死角に消えた。夫と話しているところを見られたのかもしれない。モカトを追うが見当たらない。焦っていたらスマホが鳴った。
→ 今の人、旦那さん?
なんて返したらいいのか分からず呆然とする。
→ そうなんだ…
← ごめん
何を謝っているのか分からないけど、とっさにそう返した。近くの売り場を適当に探すが、モカトは見当たらない。渋々ツリーの売り場に戻ると、夫がいた。トイレに行っていたと言い訳をして、大きなツリーを夫に見せる。大きすぎると反対する夫の意見は適当に押しきった。
その後も、時々モカトから素っ気ないLINEが届く。その度に、トイレだなんだと言い訳をして夫から離れてモカトを探した。正月用品や掃除グッズ等、興味の無い買い物で時間を引き延ばすのも限界に差し掛かかる。
→ みちゃこは、犬派? 猫派?
突然、脈略の無いメッセージ。「動物が見たい」荷物をたくさん積んだカートで機敏に動けない夫にそう言って、みちゃこはペットコーナーへ走り出す。
「ちょっと待て」
僕は思わずスマホに向かって言った。あの時の出来事と全く同じだ。




